16時過ぎに劇場に行ったんだけど,16時40分からのチケットは完売で買えず。18時からの字幕が入っているのを見るハメになった。日本語なんだから,字幕は基本的に邪魔なんだが(いや,失礼な言い方をした。字幕が必要な人も,少ない数だろうけど,いるはずだよね)。
● お客さんの主力は若い人たちだ。高校生が多かった。カップルで来ている人もいたけれど,同性どおしで来ている人が多かったな。
男どおしっていうのもわりと多くてね。それだけこの映画が旬になっているんだろうね。話題になってるようだから見に行こうぜ,的な。
男どうしで行くくらいならオレは行かない,っていうやせ我慢をしているヤツもいるんだろうな。ぼくはそっちの方にシンパシーを感じる。
● この映画の第一の特長は画面の美しさだ。これはもう圧倒的だ。
ジブリ作品とはまた違った味わいの,精妙なアニメーション。といっても,ジブリ作品なのではないかと錯覚することもあった。執拗とも思える,背景の細部に至るまでの描き込みとかね。大変な手間がかかっている。
新海誠監督の作品を見たのはこれが初めて。過去の作品も見てみようか。TSUTAYAにはあるんだろうから。
● 舞台は奥飛騨の架空の町。町に近づいていた彗星の核が壊れて,町を直撃。町は破壊され,住民のほとんどは亡くなった。その中に主人公の三葉も含まれていた。
が,もうひとりの主人公,瀧が過去に遡って,三葉をはじめ町の人たちを救いだす。最後はハッピーエンドで終わるんだけど,不思議なストーリーだ。数年前のテレビドラマ「仁」の筋立てを少々複雑にしたような。
ファンタジーと言ってしまえば,それはそうなんだけど,こちらの気持ちの琴線に近いところを刺激する。だからこその“大ヒット”なんだろうけど。
● タイトルの所以は,互いに入れ替わってしまう2人が,相手の名前を思い出せなくなるところから。“大切な人”“忘れてはいけない人”であることは憶えているんだけれども,名前は思い出せない。
当然ながら,真知子と春樹と数寄屋橋の「君の名は」とはまったく無関係。
● ちなみに,一緒に見た相方は途中からスヤスヤとお休みになってたようだった。
コンサートホールや映画館で居眠りをするのは,かなり高級な休息の取り方だと思うから,あえて起こしたりはしなかった。
● もうひとつ,ちなみに。片方が50歳以上の夫婦がふたりで入場する場合は,ひとり1,100円と通常料金よりだいぶ安くなる。
ありがたいんだけど,本当に50歳以上かどうかチェックしないんだよ。チェックしてくれよ。チェックするまでもないでしょ,って言うなよ。
(追加 2016.10.05)
10月5日の朝日新聞。
「君の名は。」が売れた理由。ぼくはストーリーの奇抜さにあると思う。奇抜だけれども,観客がこうなってくれたらと思う方向に事態が進んでいくという優しさ。これが大衆受けする基本ではないか。