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2022年2月21日月曜日

2022.02.20 源氏物語 千年の謎

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● 「源氏物語 千年の謎」(2011年)。原作は高山由紀子の小説『源氏物語 悲しみの皇子』。
 藤原道長と紫式部が男女の関係にあり,光源氏は紫式部が作りだした道長の投影という設定。光源氏が道長の化身である以上,「紫式部が道長を想い続ける限りいつまでも,物語の中で苦しい愛の日々を生き続け」なければならない。

● したがって,光源氏(生田斗真)の話は劇中劇となる。藤原道長(東山紀之)と紫式部(中谷美紀)の話が劇で,その劇世界の中の劇として光源氏の話が進んでいく。

● 劇中劇の中で,最も印象に残るのは田中麗奈の六条御息所。怨霊となって,光源氏の寵愛を受けている夕顔(芦名星)や葵の上(多部未華子)を祟り殺していく。
 絵にしやすいだろうし,誰が演じても観てる人の印象に残りやすいだろう。その意味において田中麗奈でなくてもよかったのかもしれないが,いややっぱり田中麗奈でなくては,とも思わせる。

● その六条御息所も「何とあさましい」と自分を恥じて,都を離れ,伊勢に下る決心をする。葵の上も藤壺中宮(真木よう子)も,命を賭した決心と行動で局面を変えていく。
 一方,光源氏は母の愛を知らずに育ったという同情の余地(?)を残しつつも,大人になることを拒否しているピーターパンであり,一個のモラトリアム人間に過ぎない。“自分探し” にうつつを抜かしている若者と同じだ。「何をしても許される」ことを武器にしている分だけ,タチが悪い。

● 藤原道長と紫式部も同じ関係。男は何をしても遊んでるだけ。実を作っているのは女。
 そういうことを訴えている映画として,ぼくは観たんだけど。

2021年11月9日火曜日

2021.11.08 蚤とり侍

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● 「
とり侍」(2018年)。原作は松重男の同名の小説短編集。
 主役は阿部寛。豊川悦司,斎藤工,寺島しのぶ,風間杜夫,大竹しのぶ,松重豊,前田敦子らが脇を固めている。

● 主人公の寛之進が,理不尽な理由で “猫ののみとり” を行う江戸の貧乏長屋に左遷されてしまう。そこから話が始まるのだが,“猫ののみとり” とは「表向きは飼い猫の蚤除けで日銭を稼ぐが,女性客の求めがあれば売春も行う,江戸時代に実在した裏稼業であった」。江戸期のホスト業のようなものか。
 空想の産物ではなく,江戸期に実際にあった職業らしい。そこに眼を付けたところで,勝ちが約束されたようなものではないか。面白くならないはずがない。

● 「生真面目なエリート侍が,様々な出会いを通じて新たな生き甲斐を見つけていく様をユーモラスに描いた時代劇コメディ」。
 たとえば,豊川悦司の清兵衛が前田敦子の妻から,股間にうどん粉を塗りつけられるという場面がある。浮気封じのためなのだが,当然,うどん粉なんてどこにもあるわけで。しかし,敵は一枚上手だったという。
 そうした小道具を散りばめてあるので,それらも楽しみながら2時間弱を過ごすことができる。

2016年8月28日日曜日

2016.08.28 後妻業の女

TOHO CINEMAS 宇都宮

● 宇都宮のTOHO CINEMASで「後妻業の女」を見た。新作映画を劇場で見るのは,何年ぶりだろう。木村拓哉主演の「SPACE BATTLESHIP ヤマト」以来のような気がするが。とすれば,6年ぶりか。
 どうして見たのかといえば,相方が見たがったので。夫婦で見ると安くなるんだとか。特に高齢者の場合は。

● 原作は黒川博行の「後妻業」。監督は鶴橋康夫。
 後妻業というのは,資産家の独身男性の後妻に収まって,多額の金品を貢がせたり,遺産をガッポリと頂戴しようという“生業”。当然,女性しかやれないけれど,裏で糸を引く男はいるかもしれない。あるいは,女を組織して組を作り,上前をはねる男がいるかもしれない。

● そのとんでもない悪党が小夜子(大竹しのぶ)と亨(豊川悦司)。が,悪党にも三分の理。っていうか,大竹しのぶの悪党なんだから,コミカルタッチで楽に見られる内容になっている。
 相方はこの映画の豊川悦司を見て,トヨエツもこんなオジサンになっていたのか,と申しておりましたが。

● ぼく的には,笑福亭鶴瓶の存在感に注目。尾野真千子と永瀬正敏もいい役どころなんだけど,ふたりとも可愛らしさが勝ちすぎているように思えた。ちょっときれいすぎるというかね。
 その他,ちょい役で登場する俳優たちが,綺羅星のごとくだ(もうすぐ死にそうな人たちばかり,と言ったヤツもいるんだけど)。
 この映画で唯一,ヌードを披露する樋井明日香も忘れてはいけない。濡れ場らしい濡れ場を豊川悦司と演じた。これがあるとないとじゃ,だいぶ違う。

● じつは,ぼく,途中まで尾野真千子と樋井明日香の区別がついてなくて,エエッ,小夜子の被害者の娘が亨の愛人に潜りこんできたのか,これは面白いことになりそうだ,と思ったんだけど,まったく困った勘違いだった。
 っていうかさ,オレの眼ってどうなってるんだ?

● ご趣味はと訊かれたら,これからは,読書と夜空を見あげることです,と答えることにするか。