宇都宮市立東図書館 2階集会室
● 1952年製作のアメリカ映画。監督はフレッド・ジンネマン。
さすがにこの映画は過去に見たことがある。学生時代に名画座で見たのか,テレビの洋画劇場で見たのかは定かでないけど,見たことがあるのは憶えている。
が,それも記憶違いかもしれないな。見ていないのに,有名な映画だからこれは見ているはずだというのが,見たことがあるに変容してしまっているのかもしれない。
● ということで,有名すぎる西部劇映画。ゲイリー・クーパー扮するケイン保安官が,一人で腕っこきのならず者四人を相手にしなければならなくなる。
治安判事は逃げだすし,ケインの前任者も補佐の保安官も手伝ってはくれない。命が惜しい。悪い人たちではないし,弱虫というわけでもない(そういうふうには描かれていない)。それほどこの街に戻ってくるフランク・ミラー(イアン・マクドナルド)が強いというわけだ。
● そうしてミラーが戻ってくる正午までを盛りあげる。どうなってしまうんだろう,と。ケイン保安官は四人を相手にして勝てるほどの腕ではないようなのだ。
「この映画の上映時間は85分だが,劇中内における時間経過もほぼ同じ約85分ほどの「リアルタイム劇」となっている」とはWikipediaに教えてもらったこと。なるほどこの効果もあったのかと,あとで思いあたった。
● で,ミラーが戻ってきたあとは,意外にあっけない。要するに,この映画はケインと新妻エミィ(グレイス・ケリー),ケインとヘンダーソン町長(トーマス・ミッチェル),そしてハーヴェイ・ベル保安官補(ロイド・ブリッジス)のケインやヘレン(ケティ・フラド)との絡みが見所ということなのだろう。
もうひとつの見所は,グレイス・ケリーのこの世のものとは思えない美しさでしょうね。
が,存在感という意味なら,グレイス・ケリーよりケティ・フラドの方が印象に残る。
● このとき,ゲイリー・クーパーは50歳を越えている。この時代だ,すでに人生の晩年にさしかかっているといっていいだろう。
なのに,若いエミィを妻にするとは荒唐無稽ではないか。と,言ってはいけない。ヒーローは既存の枠の外にいるのだ。何をやっても許されるのだ。
2019.01.22 にAmazonプライム会員になりました。その1年後にコロナが世界を覆ったので,最近は自宅のノートPCの画面がスクリーンになっています。というわけで,タイトルに偽りありが常態化しました。申しわけありません。
2018年1月23日火曜日
2018.01.20 宇都宮市立視聴覚ライブラリー 日本映画劇場 「戸田家の兄妹」
宇都宮市立東図書館 2階集会室
● 1941年(昭和16年)公開の小津安二郎作品。太平洋戦争が始まった年。しかし,作品の中にはそんな様子は微塵も出てこない。
この時期,国民生活はまだまだ平穏で,中国大陸での戦いは遠い世界の出来事だったようだ。
● 戦前の日本の上流階層が舞台。戸田家の当主が亡くなり,借財の整理に本宅や書画骨董を処分することになった。母(葛城文子)と三女の節子(高峰三枝子)は行き場がなくなる。
で,長男や長女のところにお世話になるわけだけども,お約束のとおり邪魔者扱いされる。後年の「東京物語」を思わせる。
● 「東京物語」の原節子演じる紀子の役回りが,ここでは次男の昌二郎(佐分利信)。
気楽な独身だから何だって言えるよっていう気がしなくもないんだけども,彼なら所帯を持っても変わらないだろうな,とは思わせる。
● 高峰三枝子って,怖いオバサンという印象しか持ってなかった。つまり,年をとってからの役どころしか知らない。
が,彼女にも若いときはあった(あたりまえだ)。当時から個性的な顔つきだったんだね。
● “宇都宮市立視聴覚ライブラリー 日本映画劇場”では今月から3回連続で小津作品を上映する。楽しみだ。
こういう往年の名画って,DVDが300円とか500円で買える。電車賃をかけて東図書館に来るより,DVDを買ってしまった方が安い。けれども,ひとりでパソコンの場面で(あるいはテレビにつないで)見るかというと,どうもぼくは見ないような気がする。映画は外で見るものという刷り込みがあるんだろうか。
● 1941年(昭和16年)公開の小津安二郎作品。太平洋戦争が始まった年。しかし,作品の中にはそんな様子は微塵も出てこない。
この時期,国民生活はまだまだ平穏で,中国大陸での戦いは遠い世界の出来事だったようだ。
● 戦前の日本の上流階層が舞台。戸田家の当主が亡くなり,借財の整理に本宅や書画骨董を処分することになった。母(葛城文子)と三女の節子(高峰三枝子)は行き場がなくなる。
で,長男や長女のところにお世話になるわけだけども,お約束のとおり邪魔者扱いされる。後年の「東京物語」を思わせる。
● 「東京物語」の原節子演じる紀子の役回りが,ここでは次男の昌二郎(佐分利信)。
気楽な独身だから何だって言えるよっていう気がしなくもないんだけども,彼なら所帯を持っても変わらないだろうな,とは思わせる。
● 高峰三枝子って,怖いオバサンという印象しか持ってなかった。つまり,年をとってからの役どころしか知らない。
が,彼女にも若いときはあった(あたりまえだ)。当時から個性的な顔つきだったんだね。
● “宇都宮市立視聴覚ライブラリー 日本映画劇場”では今月から3回連続で小津作品を上映する。楽しみだ。
こういう往年の名画って,DVDが300円とか500円で買える。電車賃をかけて東図書館に来るより,DVDを買ってしまった方が安い。けれども,ひとりでパソコンの場面で(あるいはテレビにつないで)見るかというと,どうもぼくは見ないような気がする。映画は外で見るものという刷り込みがあるんだろうか。
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