2015年11月21日土曜日

2015.11.21 宇都宮市立視聴覚ライブラリー 20世紀名画座 「バグダッドの盗賊」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 1940年のイギリス映画。ウォルシュが監督を務めた同名のアメリカ映画とは別のもの。ファンタジーまたファンタジーの娯楽映画。

● バグダッドの愚かな王アーマッド(ジョン・ジャスティン)は宰相ジャファル(コンラート・ファイト)にまんまと騙され,牢屋に入れられ,殺されそうになる。
 それを助けたのが,「バグダッドの盗賊」の少年アブウ(サブウ)。
 が,ジャファルの魔法で,アーマッドは盲目に,アブウは犬にされてしまう。これは,どうにも腑に落ちない理由で元に戻るんだけども,アーマッドはどこまでも脳天気で,バスラの姫(ジューン・デュプレエ)にひと目ぼれ。アブウはアーマッドの恋のためにひと肌もふた肌も脱ぐ。
 以後はアブウの冒険譚。絶体絶命のときにジニーが登場。さらに,お伽の国で空飛ぶ絨毯を手に入れ,ジャファルによって死刑を執行される寸前だったアーマッドと姫を救いだす。
 アーマッドはめでたく王位に復帰し,アブウは新しい冒険を求めて(つまり,秩序を嫌って),空飛ぶ絨毯でバグダッドを去っていく。
 めでたし,めでたし。

● アーマッドが,何でもあったが自由だけはなかったと言ったのに対して,アブウは,何もなかったけど自由だけはあったと返す。
 ステレオタイプだけれども,いいねぇ,このやりとり。

● 結局,最後まで自由を優先したアブウがこの映画のヒーローだ。少年の機知と少年らしからぬ大人びた大局観がこの映画の魅力の源泉。
 新しい冒険を求めたアブウに幸いあれ。

● この映画は宇都宮市立視聴覚ライブラリー(の職員)が上映してくれているわけだけども,16㎜フィルムを使っているわけではない。DVDだ。
 そのDVDは今どきだからだいぶ安くなっているはずだ。要するに,個人でもDVDプレーヤーなりパソコンで観ることができる。

● この映画鑑賞会は無料だけれども,時間コストを考えると,わざわざ東図書館まで自分を運んでいくより,DVDを買って自宅で観たほうが安い。
 それでも一人でこの映画を観る気にはならないね。