2019年1月20日日曜日

2019.01.19 マスカレード・ホテル

TOHO CINEMAS 宇都宮

● 見てきた。一緒に行くと言っていた相方が,直前になってキャンセルしてきたので,ひとりで。相方には申しわけないけれど,ひとりの方がいい。
 わが家からTOHO CINEMAS宇都宮までは車で30分もかからないのだが,今日は4号線が詰まっていた。工事か事故か。1時間前に出たんだけど,劇場の席に着いたときには予告編が始まっていた。

● 監督は鈴木雅之。この人の監督作品は,「HERO」以外に「本能寺ホテル」を見ている。
 音楽は佐藤直紀。TBSドラマの「GOOD LUCK」で,ぼくは彼の名前を憶えた。

● 連続殺人事件の犯人探しが縦糸。次々に登場する宿泊客はそれぞれヤサグレ者で,ほんとにしょうもないやつらだ。つまり,ぼくであり,あなたである。この人たちが織りなすエピソードが横糸。
 というわけなので,退屈することはない2時間になる。

● フロントロビーはセット。エレベーターや客室はロイヤルパークが使われていたようだ。客室からの眺めに見覚えがあった。
 ロイヤルパークのエレベーターは,音声ガイド付きだ。上に行く,下に行く,16階に着いた,ということを英語で喋る。この映画でも,1回だけその音声が入っていた。
 超高級ホテルという設定のはずだから,これは少し興ざめといえば興ざめだ。そういうのって,基本的に大衆的なものだから。高級とは対極にあるものでしょ。
 駅に行けばこの種の音声で満ちている。ショッピングセンターもそうだ。エスカレーターに乗れば,手すりに摑まれ,走るな,とエンドレスで喋っている。高級ホテルにそういうものがあってはいけないだろう。

● エンドロールで明石家さんまが友情出演していたのを知った。気がつかなかった。バックヤードのエレベーターに乗っていたエキストラに混じっていたのだろうか。
 悔しいから,このあとのレイトショーも見ていこうかとチラッと考えた。が,さすがにそれはやりすぎだろうと自重した。

● この映画の長澤まさみを見て,自分もホテルマンになろうと思う若い子がいるかもしれない。ホテルを去るお客に「お気をつけて行ってらっしゃいませ」とホテルマンが挨拶する理由を,彼女扮する山岸尚美が木村拓哉の新田浩介に語るシーンがる。
 それはお客様がホテルを出られれば,私たちは無力だからです。お客様の幸運を祈ることしかできません。だから,お気をつけてとご挨拶するのです。

● が,ホテルマンというのはかなり志が高いくないと,長くは続けられない仕事のような気がする。この映画ではなく,リアルのホテルマンを見ていて,そう思う。人のダークサイドを見なければいけない仕事だ。
 もちろん,ダークサイドを見ないですむような仕事はこの世にない。医療や福祉は特にそれが多い仕事だろう。けれども,ホテルの仕事は質的にそれを上回るのではないか。
 それでもなお,人間を見切らないでいられるか。志の高さを問われるのはそこのところだ。大変な仕事だと思う。