TOHO CINEMAS 宇都宮
● この映画は相方が見たがった。先日自殺した三浦春馬のことを,しばしば以上にぼくに話しかけてくる。
たとえば,コロナのためにわずか1週間で終わってしまったミュージカル「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド-汚れなき瞳」のこと。絶対見たかったのに,と。
● そのミュージカルから“恐れないで”をYouTubeで聴けることを相方に教えてもらって,ぼくも聴いてみたんだけども,プチはまってしまった。
その後,三浦春馬が女装して出演する,これもミュージカル「キンキーブーツ」も,その一部をYouTubeで視ることができることを教えてもらった。
いろんな才能を持っている俳優であることがわかる。その三浦春馬が出演している映画だ。
相方とすれば,三浦春馬を追悼したかったのだろう。それだけファンだったのだろう。
● ところで,コロナがなければ三浦春馬は死ななくてすんだんだろうか。ミュージカル公演で忙しくて,悩んでる暇なんかなかったろうから。いや,そういう単純な話ではないんですかねぇ。
恐れないで 何が起きても
見かけほど 酷くないものだよ
自分が歌っているこの歌に自分が救われることはなかったのだな,と埒のないことも思ってみても仕方がないか。そんな大衆好みのお伽噺なんてあるわけがない,とわかっているつもりなのだけど。
● 親との確執というか,そういうことも言われるのだけれども,百獣の王ライオンは,老いた親を千尋の谷に突き落とし,這い上がってきた場合のみ,面倒を看るというではないか。親なんてものはその程度の扱いでよろしいのだと,ぼくは思う。
しかし,真相は何だったのか。状況証拠は色々と出てくるのだろうけれども,結論は“わからない”だ。それ以外の結論などあり得ない。
● 先月13日にAmazonプライムビデオで前作「ロマンス編」(2019年)を見た。こんなに早くAmazonプライムビデオで見れたのは,今回の「プリンセス編」に誘導するためだろう。映画会社とAmazonの思惑が合致したのだろう。
ともあれ,この「ロマンス編」が面白かった。劇中での化かし合いもさることながら,観客・視聴者をも騙す。この大掛かりな騙しはルール違反だろうよ,これはどうやったって騙されるわ,と思いながらも,娯楽映画として痛快だったという満足感が残った。
● ので,相方のみならず,ぼくもいそいそと着座したのだ。
まず,コックリ役の関水渚が存在感を示した。広瀬すずだと思ってましたよ。相方に,違うでしょ,とたしなめられるまで,広瀬すずだと信じて疑わなかった。似てません?
● 前田敦子の大阪のおかみさんも面白かった。彼女の顔立ちがそれに合っていると言ってしまっては失礼になるだろうか。あれは女優ならやりやすい役だと言うと,もっと失礼だろうか。
AKB48でセンターを張っていたときの彼女との段差・落差が面白さを作る一因になっている。この言い方ではどうだろうか。
● 「ロマンス編」観客はぼくらを含めて11人。だいぶ少ないなと思ったら,平日の昼間だったんですよね。退職して隠居となると,このあたりの感覚を時々,失念する。
コロナの影響もあるんだろうなぁと勝手に想像してしまったのだが,前作「ロマンス編」(興行収入は約30億円)を上回る勢いがあるらしいのだ。
● この時期にそれだけのお客さんを動員できるのは凄いことだ。
あるいは,逆に,お客さんに自粛疲れがあって,何でもいいから外出を正当化できる理由が欲しい,という傾向が出ているのかもしれないね。
ちなみに,ぼくは4月・5月はおとなしくしていたけれども,6月に入ってから現在に至るまで,一切の自粛を自粛している。