2020年10月22日木曜日

2020.10.22 センセイの鞄

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● 「センセイの鞄」(2003年)。二度目。
 センセイ(柄本明)が病気になったと聞いた月子(小泉今日子)が,センセイ宅に走って,センセイ!と3回声をかけるシーンがある。
 詰るようであり,媚びるようであり,誘うようであり,どうにも色っぽい。前回の印象はそれがすべて。

● が,あらためて見ると,全体にユーモアというかコミカルがまぶしてある。センセイの妻(樹木希林)が大笑い茸ををそうと知って食べてしまったり(妻の性格設定にも重要なシーンなのだが)。ちなみに,このときの樹木希林の演技は絶品。

● 撮影時,小泉今日子は37歳(たぶん),柄本明は54歳。が,劇中の2人はもっと年齢差があるように見える。柄本明の功徳だろうか。
 しかし,柄本明を相手に五分以上の絡みを見せている小泉今日子を鑑賞するために,この映画(Wドラマだが)はあるだろう。

2020年10月21日水曜日

2020.10.21 ジヌよさらば かむろば村へ

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● 「ジヌよさらば かむろば村へ」(2015年)。“お金アレルギー” になって,過疎の村で1円も使わずに生きていこうというのが出発点だから,基調はコミカル。
 が,主演の松田龍平をはじめ,阿部サダヲ,松たか子,二階堂ふみ,西田敏行,片桐はいり,荒川良々,松尾スズキと,芸達者が作るコミカルなのだから,何というのか,奥行きがある。

● 監督&脚本も松尾スズキ。三谷幸喜の向こうを張る才人ですかなぁ。

2020.10.21 CAT'S EYE キャッツ・アイ

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● 「CAT'S EYE キャッツ・アイ」(1997年)。前世紀の映画。
 冒頭はアニメ。なので,内田有紀,稲森いずみ,藤原紀香は声優をやるのかと思った。ら,数分後に実写になった。

● ストーリー展開にはいくら映画でもそれはルール違反だろうと言いたいところがあるし,登場人物のキャラクターにもそれはないでしょと思うところが満載なんだけれども,この映画は23年前の若い3人のセクシーさを堪能するためにあるのだから,それ以上を求めてはいけないものでしょ。

2020.10.21 奈緒子

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● 「奈緒子」(2008年)。主演は上野樹里。どうしても “のだめ” のイメージに引きずられてしまう。「のだめカンタービレ 最終楽章」は劇場で二度見ているので。

● 県大会で勝って,感極まって泣くシーン。こういうシーンでの上野樹里の泣き顔は唯一無二。
 相手役はこのとき18歳の三浦春馬。ここで見せているのは,彼の才能のごく一部。その才能が消えてしまったわけだ。
 チーム補欠の吉崎悟を演じたタモト清嵐も存在感を示していたと思う。

2020年10月20日火曜日

2020.10.20 うた魂♪

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● 「うた魂♪」(2008年)。夏帆って,顔,小っちゃ。俺の半分しかないな。とか,つまらないことを思いながら見てた。
 薬師丸ひろ子の抑えた演技。この人,やっぱすごいですねぇ。わずかな表情の変化でこの世の森羅万象を表せるような。

2020年10月17日土曜日

2020.10.17 禅 ZEN

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● 「禅 ZEN」(2009年)。原作は大谷哲夫の小説『永平の風 道元の生涯』。
 主人公を正義感に富み,能力に溢れ,慈愛に満ちた完全無欠のヒーローとして描かれると,特に映像の場合は薄っぺらな印象になる。仏教の開祖ともなれば,クリーンさも強調されがちだから尚更だ。
 かといって,道元が凡庸なはずもない。凄さを描くのが難しいジャンルだと思う。

● 画面に華を添えているのは内田有紀。男オンリーでは白黒になってしまって,色彩感が出ない。
 登場人物たち(特に笹野高史)の中国語がそれらしく聞こえるのに驚いた。

● 臨終に際して,中村勘太郎の道元は,弟子たちに一瞬たりとも懈怠するなと説く。それは普通の人にはできませんよね。
 日本史の授業で鎌倉仏教は易行を特徴とすると習った記憶があるのだが,禅は考え方も修法も易行とは対極にあるもので,鎌倉仏教全体をそのように括ってしまうのは間違いでしょうねぇ。

2020.10.17 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

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● 「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」(2019年)。
 すみっコたちと落書きヒヨコの出会いと別れの物語,というわけではないんだろうけど,仲間が大事的なメッセージが通奏低音になっているようだ。1人でもナンクルナイサーと伝える方が重要かもね。

● ナレーターは井ノ原快彦と本上まなみ。さすがに上手いものだ。
 主題歌は原田知世「冬のこもりうた」。この人,声が歳を取らないんだよね。

2020年10月16日金曜日

2020.10.16 どろろ

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● 「どろろ」(2007年)。原作はあの手塚漫画。
 グロテスクなシーンをリアルにグロテスクにしてしまうと誰も見なくなる。マイルドにしているわけだが,肘から先が刀になっていて,それを自在に動かす映像って,どうやって撮るんだろう。

● 主題歌はMr.Children「フェイク」。

2020.10.06 鴨川ホルモー

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● 「鴨川ホルモー」(2009年)。
 バカバカしさの極地。ムダなことにとんでもないエネルギーを費やす若者たち。でも,ま,ムダじゃないことなんてあるのか。なら,踊る阿呆になるが吉。

● 画面を作っているのは栗山千明と濱田岳ですかね。芦名星も重要な役どころで出演。

2020.10.16 涙そうそう

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● 「涙そうそう」(2006年)。妻夫木聡が演じる “にーにー” の薄幸すぎる人生。長澤まさみが演じるカオルの,1km先まで照らすのじゃないかと思える明るい華やぎ。
 “にーにー” が救急搬送された病院で診察する医師が大森南朋。“にーにー” の恋人役の麻生久美子も印象に残る演技。

2020.10.16 おくりびと

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● 「おくりびと」(2008年)。かなり以上に話題を読んだこの映画を,映画館では見ていない。その余裕がなかった。時間がなかったのではなく,余裕がなかった。で,今になってしまったわけだが。

● 本木雅弘の端正さが際立つ映画と言っていいのではないか。ルックスのことではなくて,所作や表情,言葉の発し方が端正なのだ。
 端正を徹底すると若く見えるね。夫婦役の広末涼子とは14歳の年齢差があるのに,劇中ではとてもそうは見えない。

2020年10月15日木曜日

2020.10.15 LIAR GAME REBORN

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● 「LIAR GAME REBORN」(2012年)。主演は松田翔太と多部未華子。

● 最も印象に残ったシーンは,すべて終わって,江角マキコの主催者から,次のゲームを用意しなさいと命令された芦田愛菜(このとき,7歳)の事務局員が,もういいんじゃないでしょうか,と答えるところ。
 そのときの表情の作り方がねぇ。7歳の少女の大人の表情ね。正確にいうと,これが大人のこういうときの表情だと掴まえて演じた,7歳の少女の表情ね。ゾゾゾっと来ましたよ。

2020年10月14日水曜日

2020.10.14 LIAR GAME The Final Stage

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● 「LIAR GAME The Final Stage」(2010年)。Final Stage というからにはその前がある。それはTVドラマ(フジ)で放送されたらしい。

● 松田翔太演じる秋山深一がシャーロック・ホームズもかくやと思うほどの名探偵ぶりを発揮する。それが与えるカタルシスがこの映画の醍醐味。

2020年10月9日金曜日

2020.10.09 隠し剣 鬼の爪

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● 「隠し剣 鬼の爪」(2004年)。松たか子の可愛さはどうだ。無形文化財にしたいくらいだ。
 これもテレビの地上波で一度見ていると思うのだが,ひょっとすると見たつもりの記憶違いかもしれない。
 末尾で必殺仕事人的な展開になり,そのときの凶器が題名につながる。

2020.10.09 たそがれ清兵衛

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● 「たそがれ清兵衛」(2002年)。テレビの地上波で放送されたのを一度見ていると思うのだが,内容の記憶はない。忘れている。おかげで,初めて見るように見ることができた。
 真田広之が圧巻。言葉も出ない。ストイックに鍛えに鍛えた名人の技。

2020.10.09 殿,利息でござる!

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● 「殿,利息でござる!」(2016年)。劇中の舞台は仙台藩吉岡宿(現在の宮城県黒川郡大和町吉岡)。
 殿様に千両を貸して,その利息で課されていた賦役を軽減しようという試みは,実話であるらしい。一大プロジェクトであったろう。担い手は,身分は百姓ながら富裕層であった。

2020.10.09 フレフレ少女

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● 「フレフレ少女」(2008年)。

 12年前のガッキー。演技もそんなに上手だとは思えないし,思わせぶりなところもあって,要するに今の方がずっといい。

● 劇中の櫻木高校は栃木県立。もちろん,そんな洒落た名前の高校は栃木にはないが,ロケには旧田沼高校や栃木高校も使われている。

2020年10月8日木曜日

2020.10.08 三蔵法師・玄奘の旅路

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● 「三蔵法師・玄奘の旅路」(2016年 中国)。
 日本産の映画なら途中で見るのをやめていた。これが中国映画の文法というか,ヒーローの描き方なんですかねえ。史実とはまるで違っているのはいいとして,こんなバカじゃとてもインドには辿り着けないだろうと思わせる,そのバカでは見てて辛いんだよねぇ。

● インド到着後の名所案内はサービスのつもりだろうか。玄奘を飾るためのものか。そこにある必要のないものだと思った。中国でも大人の事情というやつがあったのかもしれないが。いや,中国だからこそ。

2020.10.08 しなの川

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● 「しなの川」(1973年)。47年前の映画。恥ずかしながら,当時,ぼくは高校生。
 で,映画館で見たと思い込んでいるんだけど,記憶違いかもしれない。話題になったことは憶えている。何が話題になったかといえば,由美かおるのヌード。

● 実際,奔放な女の生き方や持って生まれた人の業を描くというよりも,由美かおるの裸身や和装,洋装,セーラー服姿の美しさをどう出すかに腐心しているように思える。それがこの映画の成分の70%を占める。

2020.10.08 武士の献立

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● 「武士の献立」(2013年)。主演は上戸彩と高良健吾。

● 武家(に限るまいが)の家は嫁でもつ,という話。最後はハッピーエンドで,春(上戸彩)の苦労と機転と料理の腕が実って良かったと,安堵のうちにエンドロールを迎えることができる。

2020.10.08 風が強く吹いている

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● 「風が強く吹いている」(2009年)。原作は三浦しをんの同名小説。
 熱血青春ドラマ。林遣都のシャープさに惹かれるか,小出恵介の茫洋としたリーダーシップに惹かれるか。

2020.10.08 リトル・フォレスト 冬・春

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● 「リトル・フォレスト 冬・春」(2015年)。
 ヒロインが稲刈りを手刈りでやっているのは絵作りのためのご愛嬌だとしても,田舎暮らしは年寄りにはキツイなと思える。若いときならいいけど。子供の頃からその環境にいた人じゃないと続かないかもな。

● 美しく描くために大変さを隠しちゃってる。そうじゃないと商業映画にならないんだろうけどさ。
 それでも(つまり,リアルの大変さを隠しても)なお,相当に大変だろうなと思えますよ。

2020年10月7日水曜日

2020.10.07 リトル・フォレスト 夏・秋

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● 「リトル・フォレスト 夏・秋」(2014年)。主演は橋本愛。彼女の一人芝居ではないけれども,それに近い。

● 東北の山間の村で自給自足の生活。山の幸を使った食事はこんなに旨いんだよ,という紹介番組のようでもある。
 けれども,橋本愛の手は農業者のそれには全然見えない。

2020年10月6日火曜日

2020.10.06 ハゲタカ

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● 「ハゲタカ」(2009年)。ナギサさんではない大森南朋。カッコいい。空きがなくカッコいい。

● 8月に一度だけ泊まったことのあるマンダリンオリエンタルが何度か舞台に使われているんだけども,こんなのあったっけと思うのばかり。
 コロナのせいもあったのかもしれないけれど,あのホテルってオープンスペースをウロウロするのが憚られる雰囲気があったな。物理的に浮遊しにくいというのもある。

2020年10月5日月曜日

2020.10.05 太陽の塔

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● 「太陽の塔」(2018年)。
 錚々たるメンバーが岡本太郎の太陽の塔について語る。語る人の器に合わせてしか語れないところが当然あり,観る人のレベルに合わせてしか観れないものでもある。

● 南方熊楠との共通性の指摘は有難いものだった。

● 途中から,政治や原発反対に投影する気味合いが濃くなり,日本とか日本人が出すぎるような気もした。経済的にか精神的にか,語る側が国に寄りかかりすぎているゆえかもしれない。
 反発も寄りかかりの類型のひとつだ。国を超越できていないということだから。
 ぼくは基本的に現状を肯定する派なので,これが足らない,あそこがダメという人に距離を置きたがるゆえに,そういう印象になったのかもしれない。

● この映画を見て,表参道の岡本太郎記念館と川崎の岡本太郎美術館に行かなきゃと思った。
 今週末は横浜にいる。川崎の美術館に行ってみるか。
 ところが。横浜からだと乗換が面倒なのね。運賃も片道500円くらいになる。新宿からだと1本ですんで,片道250円。

● 川崎に住んでる新宿区民や渋谷区民,品川区民が多いんだろうな。
 川崎を南北につなぐのはJR南武線だけだもんね。川崎市民というのは存在していないような気がしてきた。