2025年8月25日月曜日

2025.08.24 九十歳。何がめでたい

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● モデルはもちろん,作家の佐藤愛子。ぼくは彼女の読者ではないし(エッセイをいくつか読んでいるが,彼女の代表作となる小説はまるで読んでいない),『九十歳。何がめでたい』も未読。
 遠藤周作がエッセイで佐藤愛子さんに何度か触れており(苦労が身につかない人だ,と),それを通じて人となりを想像していた程度だ。現在は102歳になる。

● 劇場公開日は2024年6月。主演の草笛光子も本作を演じたのは90歳のとき。スーパーレディがスーパーレディを演じたわけだ。
 共演者は唐沢寿明,真矢ミキ,藤間爽子,木村多江,中島瑠菜。他に,三谷幸喜もタクシーの運転手役で登場。オダギリジョー,清水ミチコ,LiLiCo,石田ひかりも。

● コメディ映画にもなっているし,唐沢寿明演じる編集者の家庭問題の展開が単調になるのを防いでもいる。
 こういう人をロールモデルにしてはいけないのだろうけれども,元気をもらえたと錯覚できる娯楽映画で,面白かった。

2025年8月24日日曜日

2025.08.23 明日を綴る写真館

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● 劇場公開は2024年6月。原作は,あるた梨沙の同名漫画。

● 主演は平泉成。80歳にして初の映画主演。劇中の鮫島は60代じゃないのか。世に希望を与える80歳だな。
 他に,佐野晶哉,市毛良枝,黒木瞳,嘉島陸。“友情出演” で佐藤浩市,吉瀬美智子,高橋克典,田中健。

● 「ピンクのカーテン」の美保純がおばあちゃん役だもんな。昭和は遠くなりにけり,というか。
 橋の下をたくさんの水が流れたんだな,と思いますわね。

● ホームドラマという言葉がかつてあった。この映画はそのホームドラマではないんだけれども,最後はこれ以上はないと思えるハッピーな大団円。
 カタルシス効果は充分。映画を観る理由のひとつ(というか,その一番目に来るもの)は,このカタルシスに浸りたいからだよねぇ。

● それを安っぽいと言う人もいるのかもしれないけれども,ま,言わせておけばいいんじゃないですか。
 人生にこんなことはないと,誰でもわかっている。人生とは四苦八苦。順風満帆はあり得ない。万人に平等に魔坂が降り注ぐ。だからこそ,ときにカタルシスが必要なんですよね。

2025年8月23日土曜日

2025.08.22 二十歳に還りたい。

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● 最初に,“製作総指揮・原作 大川隆法” と大書で示される。そういう映画だったのかと思ったわけだが,そのまま最後まで観た。
 劇場公開日は2023年9月。

● 80歳の男性が20歳の青年に戻って,悔い多かった人生をやり直す話。何だかスーパーマン的な才能を与えられているのが面白くないが,彼はやり直しに成功したと言っていいだろう。
 自分が同じことをやりたいかと問われれば,もちろんノーだ。現在の世間知をそのまま抱えて20歳の身体を与えられるとしても,お断りだ。

● たいして変わり映えしない人生になるだろう。画期的に違った人生になるわけがない。現在のぼくが抱えている世間知にそこまでのパワーは,絶対という言葉を使っていいだろう,ない。
 ただし,定年退職後からもう一度やり直せるというなら,諸手をあげてウェルカムだ。何度でもやり直したい。今やってるのと同じことをやる。

2025年8月22日金曜日

2025.08.21 るろうに剣心 最終章 The Beginning

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● シリーズ最終作。劇場公開は2021年6月。原作の「追憶編」がベースになっている。
 Amazon Prime で観られるようになっていたので,小躍りして観ましたよ。

● 剣心(佐藤健)と巴(有村架純)の因縁の物語。なるほど,これは “追憶” で時系列的には最初に来るものなんだけれども,映画としては最後に持って来なければいけないものですわね。
 高橋一生が桂小五郎役で出演。剣心は桂小五郎の部下だったのか。ので,大久保利通や伊藤博文のこともサン付けで呼んでいたのか。

● あり得ない奇想天外。漫画の原作者の頭の中はどうなっているのか。よくこういうことを思いつくな,と。
 それをここまで実写にするのも凄い。殺陣のレベルも高いし,アクション映画としても相当なもなでしょうよ。

● 恋愛譚は美男美女が演じてこそというのも痛感。醜男や醜女の恋愛は傍から見てると絵にならないという,悲しい現実があるんだな。
 というわけで,娯楽映画として充分に楽しめましたよ。

2025年8月21日木曜日

2025.08.20 ゴジラ-1.0

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● 劇場公開は2023年11月。主演は神木隆之介。共演者は浜辺美波,山田裕貴,青木崇高,吉岡秀隆,安藤サクラ,佐々木蔵之介。橋爪功もちょこっと登場。
 音楽は佐藤直紀が担当。伊福部昭の「ゴジラ」ももちろん使われている。

● 特撮によるゴジラの迫力もさることながら,神木隆之介演じる敷島浩一の葛藤,浜辺美波の大石典子との交情も柱になっている。
 凛として決断力もある典子と,優柔不断で臆病者の敷島。その敷島がヒーローになり,最後はこれ以上にないハッピーエンド。

● 敷島の特攻作戦で首がちぎれたゴジラが,深海の海底で再生するシーンが最後に流れる。ゴジラはそういうキャラなんだけど,まるで鬼舞辻無惨のようだ。
 ひょっとすると,次があるのかと期待させる。

● 浜辺美波もすっかり大人になったなぁ。『君の膵臓をたべたい』の頃の,少女の面影を宿していた彼女ではない。
 そうして,今のスッとした淑女でいるのも束の間のことなんだよね。誰にとっても,月日はスルスルと過ぎていくのだ。
 ただし,俳優はこうして映像が残る。それが祝福なのか刑罰なのかは,わからないけれども。

2025年8月20日水曜日

2025.08.19 室町無頼

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● 劇場公開は今年(2025年)の1月。原作は垣根涼介の同名小説(読んでいない)。
 飢饉と疫病で死体が溢れていた時代に “無頼” たちが室町幕府に一揆を起こす話。

● 主演は大泉洋。殺陣は初挑戦らしい。それが上手いかどうかということではなくて,彼が主演する映画にハズレなしというのは,そもそものキャラクターの魅力なんですかねぇ。どうなんだろ。
 共演者は堤真一,長尾謙杜,松本若菜,柄本明,北村一輝,武田梨奈ら。

● 一夕の歓を尽くすに充分。俳優の存在価値って大きいんだなぁと実感する。おそらく,人類の誕生後まもなく生まれた仕事だろう。職業としては最古のものの1つになるんじゃなかろうか。
 演技論だの演劇論だのという難しいことはさておいて,大衆が生きていく上で,欠かせない広義の芸能の1つ。1つというより,最右翼に位置するものだよね。

2025年8月19日火曜日

2025.08.18 るろうに剣心 最終章 The Final

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● 劇場公開日は2021年4月。一作目が2012年だから,9年の月日が経っている。
 佐藤健も武井咲も蒼井優も,9年前とは面影が同じではない。だから何がどうということではないのだが。

● 今回も伊勢谷友介の四乃森蒼紫と土屋太鳳の巻町操が助っ人に現れる。操の強いこと。
 神木隆之介の瀬田宗次郎まで剣心の味方につく。昨日の敵は今日の友。

● けれども,今回の主役は,ストーリー上も演技的にも,雪代縁を演じた新田真剣佑になる。
 圧巻の演技と存在感。いや凄いものだ,と感じ入った。

● Amazon Prime で観られるのはここまて。次の「最終章 The Beginning」は入っていない。待たなくちゃいけない。
 でも,面白かったぁ。コミックの実写版だからか,あり得ない太刀回りがドンドン出てくる。それが観ていて痛快だ。おそらく観返すことになるねぇ。

● やっと気がついたのかと叱られそうなんだけど,Amazon Prime ではエンドロールが観られない。主題歌も聴くことができない。以前は観れたのに何でよ,と思ってたんですよ。
 “次作” の不表示ボタンをタップすればよかったんてすね。いやいや,不表示をデフォルトにして欲しいぞ。

2025年8月17日日曜日

2025.08.16 るろうに剣心 伝説の最期編

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● 劇場公開は2014年9月13日。京都大火編が8月1日だったから,連続しての公開だった。第2部の後編という位置づけ。
 ので,京都大火編の出演者が引き続き登場。福山雅治は剣心の師匠,比古清十郎役。

● 京都大火編では伊勢谷友介の四乃森蒼紫は不要なキャラクターと思えたのだが,本編まで観ると,なるほど,こういうことだったのね,となる。

● 何しろ,志々雄サマが強すぎて,剣心と江口洋介の斎藤一,青木崇高の相楽左之助,唐突に登場した蒼紫の4人がかりでも勝てない。
 最後は剣心がやるんだけれども,志々雄サマはカラータイマー付きのウルトラマンのような弱みがあるので,時間勝ちといったところ。

● 本来はこれで終わるはずだったのだと思う。が,数年後にさらなる続編が制作された。
 楽しみは残っている。

2025年8月16日土曜日

2025.08.15 るろうに剣心 京都大火編

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● 劇場公開は2014年8月。主役の佐藤健のほか,武井咲,蒼井優,江口洋介は前作から引き続き。
 新たに,神木隆之介,伊勢谷友介,土屋太鳳,田中泯,藤原竜也らが登場。最後の最後に福山雅治も。

● 今回の志々雄サマは相当に手強い相手らしく,「人斬り抜刀斎」と恐れられた緋村剣心も窮地に追い込まれる。普通なら死んでいるわけだが。
 武井咲の神谷薫も,今回は足手まとい。あと,伊勢谷友介の四乃森蒼紫はなくてもいいキャラクターなんじゃないかと思った。

2025年8月15日金曜日

2025.08.14 るろうに剣心

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● 原作は和月伸宏の漫画「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚」。劇場公開は2012年8月。
 全5作で4作目まで Amazon Prime で観ることができる。

● 主演は佐藤健。他に,武井咲,吉川晃司,蒼井優,綾野剛,奥田瑛二,江口洋介,香川照之ら。
 香川照之という役者がいて良かったと思った。銀座で何やらあったようで,今でも活動を自粛しているのかどうか,詳しいことは知らないのだけれども,残って欲しい役者だな。

● あり得ないほど強い(というか,フィクションなんだけども)スーパーヒーローを佐藤健が演じる。佐藤健といえば緋村剣心ということになるんだろうか。
 けど,俳優という職業はかなり苛酷だよね。演技が上手いだけでは務まらないよな。

2025年8月14日木曜日

2025.08.13 恋は雨上がりのように

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● 4回目になる。「舟を編む」と同様,安心できるのがわかっているので,困ったときはこれを観ればいいというところがある。
 まことに,進取の気性に乏しい。

● 17才の美人女子高生が45才のバツイチ子持ちのさえない男に片思いするというあり得ない展開は,原作が漫画(眉月じゅんの同名コミック)だからかもしれない。

● なのだが,大泉洋が演じる近藤正己は,それを不自然に感じさせない。どうしてかね。
 小松菜奈の橘あきらも,高校生にしては肝が据わりすぎていて,世間を知り尽くしているように見える。もはや高校生であることを忘れさせる。
 要するに,一般的な恋物語になっていて,状況の特殊性が背後に退いていくという感じなんだな。

● 唯一,清野菜名の喜屋武はるかがビジュアル的に高校生に見えないのが,残念といえば残念。大したことじゃないけど。
 劇場公開は2018年5月だから,ずいぶん前の映画になる。この映画での小松菜奈や山本舞香は,もういないわけだよね。

2025年8月12日火曜日

2025.08.12 日光物語

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● 日光の御当地映画。男体山,中禅寺湖,華厳の滝,憾満ヶ淵,神橋など,日光の観光名所がほぼ網羅される。二社一寺は言うまでもない。東武駅前の風景も,当然,登場する。
 日光のプロモーションビデオではあるのだが,それだけではなくて,映画としてけっこう面白かったよ。楽しめた。

● 第一には,武藤十夢の清楚な美しさかね,やっぱり。スネオヘアーの,普段のダメっぷりから時々真人間になる変わり方も良かった。金谷ホテルのバーテンダーの岩瀬顕子も存在感があった。
 つーか,スネオヘアーの大場嘉門は,ほとんど遊んで暮らしてるのに,何で金谷ホテルのバーで飲めるんだよ,って話ではあるな。
 他の主な出演者は,九十九一,伊藤克信,大桃美代子,吉永アユリ,宝田明。宝田明のこれが遺作になるらしい。

● 今市にある日光ランドマークの観覧車も登場する。残念ながら,映画ほど賑わってはいないかも。
 劇場公開日は2023年6月だが,全国の映画館で上映されたわけではない。そういう映画ではない。

2025.08.11 劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ

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● 市原隼人主演の「おいしい給食」の劇場版3作目。劇場公開は2024年5月。今年の秋には4作目が公開予定。
 1作目,2作目と同じ展開で,設定も市原隼人のコミカルな動作も同じ。給食の前に校歌を歌うのも同じ。

● ヒロインは大原優乃。制服を着せればそのまま生徒役もできそうな感じ。
 舞台が函館に移っているのに,給食のオバさんはいとうまい子のまま。甘利田を追いかけて,函館までやってきてしまったのか。
 1作目,2作目の神野ゴウ(佐藤大志)の役は,粒来ケン(田澤泰粋)に。最後に佐藤大志も登場する。
 他に,石黒賢,六平直政,小堺一機,高畑淳子ら。

2025年8月11日月曜日

2025.08.10 舟を編む

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● この映画を観るのは,これが8回目か9回目。そんなに観たくなる理由は非常に単純。宮﨑あおい演じる林香具矢のキュートさだ。
 劇場公開は2013年だが,2024年3月に期間限定のリバイバル上映が行われたらしい。

● 前回見たのは数年前のことだが,その間,こちら側の変化(?)もある。ひとつは,三浦しをんの原作を読んだこと。
 原作と映画で大きく違うのは,やはり香具矢の扱いで,原作での香具矢は前半に出てくるだけで,辞書作りが佳境に入る後半では脇役ですらない。
 映画では全編を通じて重要な役であり続け,ラストも香具矢の台詞「みっちゃんって,やっぱり面白い」で終わる。宮﨑あおいを使ってみたかったんでしょうねぇ。

● もうひとつは,万年筆やボールペンで手書きをしていたのが,鉛筆派に変わったことだ。それが何なんだというと,劇中での辞書編集作業はすべて鉛筆(と朱藍鉛筆)で行われているのだ。用例採集から校正まで,シャープペンは一度も使われない。
 リアルの辞書作りではどうなのか知らないし,仮に鉛筆一辺倒であったとしても,それがいかなる理由によるのかは推測しかねるのだが,劇中の現場との距離がグッと詰まったような気がして,妙に嬉しかったというかね。

● いや,面白い映画ですよ。今までは宮﨑あおいしか観ていなかったけれども,馬締光也を演じる松田龍平の眼の演技も見どころでしょ。
 馬締を具体的にどんな形にするか,かなり難しかったと思う。やり過ぎくらいにしないと,画面では映えないと思うんだが,その加減を間違うとリアリティの有無に関わってしまう。
 他に,オダギリジョー,小林薫,加藤剛,黒木華,池脇千鶴,渡辺美佐子,鶴見辰吾,伊佐山ひろ子,八千草薫と,芸達者がキラ星のごとし。

● NHKのドラマの方も観るつもりなんだけども,主演の池田エライザが扮するのは林香具矢ではなくて,映画では黒木華が演じた 岸辺みどり なんだな。
 映画では香具矢と馬締のロマンスを柱のひとつにしていたけれども,辞書作りを焦点にした物語にするのなら,みどりをヒロインにするのは納得だ。

2025年8月9日土曜日

2025.08.08 キングダム 運命の炎

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● キングダムシリーズの3作目。劇場公開は2023年7月。
 原作は原泰久の漫画で,ぼくは読んだことはないんだけれども,面白いに違いない。が,実写化となると,漫画では目立たなかった荒唐無稽が際立ってしまうことになるのは仕方がないのだろう。

● 山崎賢人,吉沢亮,大沢たかおは1作めからの登場で,これは動くことはない。橋本環奈もね。清野菜名も2作目に続いて出演している。
 杏,山本耕史,片岡愛之助,山田裕貴が初参加。小栗旬と長澤まさみもちょこっと登場。
 吉沢亮の秦王の側近を務める,髙嶋政宏,玉木宏,佐藤浩市らも引き続きの出演。

● 主題歌は宇多田ヒカル「Gold 〜また逢う日まで〜」。Amazon Prime だと,どういうわけかエンドロールが弾かれてしまうので,これを聴くことができないんだよね。

● 最後は次作の予告編のような感じ。すでに公開済みで,さらにその次が来年夏に公開されるらしいね。
 Amazon Prime に入るのを待つことにするよ。