● 昨年10月公開の福山雅治の主演映画。TOHO CINEMASで見るつもりが,結局,見逃すハメになった。
ぜひとも見たい映画ならば,見逃すなどというチョンボをすることはないと思うので,見たい度合いがさほどでもなかったのかもしれない。
● 興行的には残念ながら,予想を下回る結果に終わったようだ。あまり話題になることもなかったようだ。
でも,面白い映画だった。けっこうズシンと来るので,すぐに二度目を見るのは無理だけれど,間をおけば二度目もありだなと思った。
● 福山雅治演じる都城静は,かつてはスターカメラマン。それがどういう理由かはわからないけれど,今は「芸能スキャンダル専門の中年パパラッチ」になっている。借金と酒と風俗にまみれた自堕落な生活を送っている。
のべつ煙草を吸い,風俗話を連発する汚い中年男という設定。
● とはいっても,そこは福山雅治が演じるんだから,どこかに爽やかさを漂わせているのだろうと思った。
が,これがそうでもない。そこは見事に演じていたというべきか。
● 不思議なのは,写真週刊誌「SCOOP!」の副編集長を務める,吉田羊演じる横川定子。都城とは夫婦だったという設定。元夫に貞子は思いを残している。発注主として都城を優遇しているようでもある。時々,都城の住処を尋ねて,世話もやいている。
都城は貞子にも風俗の話をしているわけで,それでもなお貞子が都城を見限らないでいるのは,都城のカメラマンとしての腕を信頼しているということなんだろうけど,こんな女神のような女性はいないよね。
● こうなると,いよいよ都城に何があったのかが気になるわけだけれども,そこはあまり触れられない。
そういうものだという前提でストーリーは進む。
● それと貞子についてもう一点。徹夜も日常茶飯事の写真週刊誌の編集部にいるのに,いつでもビシッとメイクが決まっている。
これもあり得ないと存ずる。ま,映画だから。女優さんだから。
● 貞子の差配で都城とコンビを組むことになった野火(二階堂ふみ)。最も印象に残ったのは,都城にだんだん惹かれていって,彼とHをするときの表情のセクシーさ。
もっとも,これは女優としては初歩的な演技なのかもしれないね。これができないようじゃ話にならないのかも。
● でね,こういう若い子を惹きつける男が,汚いだけの中年男のはずがないんだよね。
仕事への一途さとか,何がしかの人間としての深みとか,そういうものを持っている。で,そのような人間として都城は描かれている。
● 多くの人はチャラ源を演じたリリー・フランキーを褒めるのではないかと思う。ので,ここで異論を立てておく。
チャラ源を成立させたのは,福山が主役をきっちりと演じていたからで,それがあって初めてリリー・フランキーの“チャカ”を持ったラリっている演技が光るのだ。
● 福山さんにとってはこれまでにない役柄で,自分のイメージを大きく拡げる恰好の機会になった。本人も期するものがあっただろう。
が,作品が彼に期待するものと,観客が彼に期待するものとの間に,少しのズレがあったかもしれない。難しいものだ。
● ところで。今回は劇場で見たわけではなく,自宅で見た。
ぼくは,こっちの方面にまったく疎くて,DVDのレンタルといえば今でもお店に行って現物のDVDを借りてくるものだと思っていた。2泊3日とか7泊8日とか。
今は動画配信サービスというのがあるんですなぁ。ネットを介して動画を端末で見ることができる。配信されてから1ヵ月以内の2日間とか。
それを過ぎると自動的に見られなくなる。返し忘れて延滞金が発生する心配もない。便利なことになっていたんですねぇ。