シェイクスピアの戯曲の映画化ということ。ぼくは著名なこの「ハムレット」のストーリーをこの映画で初めて知ることができた。
● ハムレットっていうと,決められない男の代名詞。例の“to be or not to be”なんだけど,この映画でのハムレットは優柔不断という感じではない。文学青年で大人になることを拒否している,という感じはするけれど,果敢に判断して素早く行動する。原作とはだいぶ違っているんだろうか。
弟に殺された先王(ハムレットの父親)の亡霊が隠れた主役と思いたくなるほどだが,弟であるクローディアスを演じたベイジル・シドニーも存在感がある。
● 父親の死後,その弟(ハムレットからすれば叔父)とすぐに結婚した母親ガートルード(アイリーン・ハーリー)をハムレットは糾弾するわけだが,映画のこの母親がすこぶる若い。というか,ハムレットを演じるローレンス・オリヴィエがオッサンになってるわけだが。そこの違和感はどうしてもある。
オペラを見ているつもりで,脳内で補正しなければいけない。
● 少し長いこともあるけれど,見終えたあとはけっこう疲れを感じる。ただし,決して不快な疲れではない。ギュッと密度の濃い映画だと思った。
しかし,ぼくのようなヘタレは,これをもう一度見るのはちょっとシンドイなと思ってしまう。
● 東図書館のこの催しは月に1回。毎回,見かける人がいる。年齢はぼくよりだいぶ若い。前から会釈はするようになってたんだけど,今日はこちらから話しかけてみた。
大きなスクリーンで見ると迫力が違うからとか,家で一人で見ても何だかつまらないですからねとか,そんな話をポツポツとしただけだけど。
● 彼,広島か四国の瀬戸内側とおぼしき言葉で喋る人だった。栃木に越してきて間もないようだ。
この言葉は栃木ではなかなか受け入れられないだろうから,ひょっとすると,喋りたいのに喋れない状態になっているかもなぁと思った。なってないかもしれないけどね。