宇都宮市民プラザ 多目的ホール
● 1942年のアメリカ映画。記憶喪失になった富豪のチャールズ(ロナルド・コールマン)と天使のようなポーラ(グリア・ガースン)の恋物語。
記憶喪失のまま病院を脱走したチャールズがポーラと出会って,結婚し,子供も生まれる。仕事の面接のためリバプールに出向いたときにタクシーに跳ねられる。その衝撃で,昔の記憶は戻ったものの,その後の記憶を失ってしまう。もちろん,ポーラのことも。
この映画,悪人が一人も出てこない。後味がいいのはそのせいか。
● この映画の見所の第一は,何といってもグリア・ガースンの美しさだと思うんだけど,劇中のポーラがマーガレットと名前を変えてチャールズの秘書として登場したときに,ぼくはポーラとマーガレットが同じ女性だと気づかなかった。
何なのだ,この顔認識の杜撰さは。ぼくはグリア・ガースンの美しさを本当にわかっているんだろうか。
● もうひとつは,ロナルド・コールマンのかっこよさ。彼は1891年生まれだそうだから,このとき51歳。しかも,76年前の51歳。この年齢でこういう役が様になるんだから,ハンサムは得だなぁ。
あやかりたいものだと思った。が,普通の男性はあやかりようがないだろうね。
● 最後はその記憶を取り戻して,ハッピーエンドで終わる。ところが,その記憶を取り戻すところを見ることができなかった(つまり,途中で終わってしまった)。ぼくだけじゃなくて,観客の全員が。
なぜなら,物語が佳境に入る終盤でDVDが止まってしまったから。機械に詳しい人がいればどうにかしたんだろうと思う。が,映す側も観客もあらかた年寄りばかりなのだ。手も足もでないのだ。残念。
● これで見たことになるんだろうか。ならないよねぇ。
宇都宮まで行く電車賃より,DVDを買ってしまった方が安いはずだし,アマゾンのプライム会員になればたぶん無料で見られるだろう。そうすればすむ話ではある。
ただ,若い頃に昭和の空気を吸ってしまった人間は,映画だけは大勢の人たちにまぎれて,大きなスクリーンで見たいと思ってしまうんですよ。
ま,昭和原人の中にも,そうじゃない人がいるとは思いますけどね。