宇都宮市立南図書館 サザンクロスホール
● 2012年公開のアニメーション映画。音楽は松任谷正隆が担当。主題歌を歌うのは松任谷由実。
● 小学6年生のユウタが1977(昭和52)年の村にタイムスリップする。村がダムの底に沈む前の最後の夏。そこで,さえ子(小3)やケンゾー(小6)たちとひと夏を過ごす。
子供には神が宿っているという,“子供=神”観がベースになっているのかなぁ。何度か涙腺が緩んでしまった。
● 主役の子供たちの他に,重要な役として登場するのは年寄り。青天狗と呼ばれているほたる神社の神主。さえ子を世話しているおばあちゃん。それから,ユウタをタイムスリップさせた蛍じい。
壮年期の大人は基本的に登場しない。ユウタの両親もほんのわずか出てくるだけだ。子供と老人だけで物語が展開していく。神性を宿す子供たちと,賢人の象徴と思われる年寄り。要するに,人間は後ろに引っこんでいる。
● 昭和52年というとぼくは大学生だったんだけど,いくら何でもこの映画に描かれているような光景は存在してなかったぞ。
というか,昭和52年に過去にタイムスリップするアニメ映画を作ったとしても,その過去はやはりこんな感じに描かれただろうなと思った。
テレビが家の一番いい場所にあって,チャンネルはつまみを回す方式で,画面から離れて見るように大人から注意されるのだ。「三丁目の夕日」とあまり変わらないような。
● 昭和52年にさすがにこれはなかったでしょ。インターネットもパソコンもなかったけれども,水洗トイレはけっこう普及していたぞ。生活の快適さは,今と較べてもそんなに差はないような気がするなぁ。
でも,今の子どもたちには,昭和52年はこんなふうにイメージされているのかもしれないね。