今回は野村周平が演じる真島太一がストーリー上の主役。漫画が原作なんだから,非現実的な展開やストーリーの急カーブは問題じゃない。スカッと爽やかコカコーラ,ならいいんですよ。
● 千早と太一が属する瑞沢高校は東京都大会をギリギリの2位で全国大会へ。新が率いる藤岡東高校と全国大会の決勝で相まみえる。
そこであり得ない奇跡が起こる,と。
● 藤岡東高校の紅一点の強豪,我妻伊織を演じる清原果耶の可愛いことね。千早に負けちゃうんだけどね。
その後,千早はクイーンになったことを,ナレーション知らされる。ハッピーエンドで終わる。
● が,千早や太一,新たちがその後の長い人生をどう作って行ったのかを想像する自由が,こちら側にはある。
主体性というけれど,主体性などというものではどうにもならない偶然の作用が大きいとぼくは思うので,彼らの人生もそうそうバラ色にはならないだろうよ,と意地悪く想像する。
● どんなに頭が良くても運動神経が良くても,順風満帆な人生はあり得ない。まして,かるたがどれほど強かろうと,何がどうなるものでもない。
不運や不幸は万人に平等に降り注ぐ。マサカという坂にも二度や三度は遭遇するだろう。むしろ,人生の本質はそちらにある。
彼らもまた,世俗の塵を浴びて四苦八苦しながら,しかし見事に生き抜いて行くだろう。与えられた寿命を生き抜けば,どんな人生であろうと,それは見事と評するに値するのだ。