2021年12月11日土曜日

2021.12.10 火花

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● 「火花」(2017年)。原作は又吉直樹の同名小説。芥川賞受賞作品。ぼくは読んでいない。
 菅田将暉と桐谷健太のW主演。主題歌かもこの2人が歌う「浅草キッド」。

● 芽が出ないお笑い芸人の徳永(菅田将暉)は,神谷(桐谷健太)の才能に驚嘆して弟子にしてもらう。が,神谷は落ちる一方で,仕事も徳永の方が多くなり,というありがちな展開。
 「「笑い」に魅せられ,「現実」に阻まれ,「才能」に葛藤しながら,「夢」に向かって全力で生きる二人の10年間の青春物語」。

● 神谷には,しかし食わせてくれる女性が現れて,自己破産しながらも何とかなっていく。っていうか,自己破産するくらいなんだから,メチャクチャではある。
 そうまでして目指すほどのものなのか,お笑い芸人というのは,と考えるのが普通の人だと思うのだが,世の中には普通の枠に収まりきれない人がいるのだろう。その収まりきれなさを才能と呼ぶのかもしれない。

● 逆にいうと,会社や役所に就職して,定年まで務められるような人には,芸人になる才能はないということになる。これしかないという,やむにやまれぬものがなければならない。
 その “やむにやまれぬもの” はあるべき何ものかを欠落していることから来るもので,その欠落に見合った才能を一方で神様は彼に与えるのだ,と考えるよりしょうがない。