2022年5月31日火曜日

2022.05.31 ルームロンダリング

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● 「ルームロンダリング」(2018年)。「TSUTAYAが主催する映像企画発掘コンペ「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM2015」で準グランプリのFilmarks賞を受賞した」。

● シリアスとコミカルのミックス。見る人に色々と考えさせるようでありながら,娯楽映画の王道を行っているようでもあり。
 いや,コミカルがシリアスを上回り,考えさせるより娯楽性を重んじている。そもそもの設定が “お化け” が見えるという特殊能力を前提にしたものなので。
 ラストは,池田エライザ演じる八雲御子が明るさを取り戻し,ハッピーエンドで終わる。

● 出演者は主演の池田エライザの他に,オダギリジョー,渋川清彦,伊藤健太郎,光宗薫,田口トモロヲ,木下隆行。
 渋川清彦と光宗薫がコミカル役を着実に演じて,オダギリジョーはダブル主役に数えてもいいくらいのものだ。
 つみきみほを久しぶりに見た。歳を取ったなぁ。って,見ている側のぼくも同じだけ歳を取っているわけだよなぁ。橋の下をたくさんの水が流れた。

● この映画の後に,続編というか「その後の話」がドラマ化されたらしい。TBS系列局で放送された。出演者は映画とほぼ同じだったようだ。
 これもAmazonプライムで見ることができるのかどうかは確認していない。

2022.05.30 ココ・アヴァン・シャネル(字幕版)

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● 「ココ・アヴァン・シャネル」(2009年 仏)。原作はエドモンド・シャルル=ルーの同名小説。

● この映画,Amazonプライムの対象なのは今日いっぱい。見始めたのが,今日が終わる30分前。
 30分見たところで,パタッと切れちゃうのかと思ったのだが,そうではなく今日が終わってもそのまま見続けることができた。が,一時停止ボタンを押して,お菓子を取りにいって戻ったら,見れなくなっていた。
 ので,最後の15分間は見ていない。たぶん,その15分間が映画としては一番の見どころだったはずだ。

● 数ヶ月後か2,3年後かはわからないけれども,いずれまたAmazonプライムで見れるようになるはずだ。
 そうなったときに,この映画を見直すかどうかは,少し微妙。いや,見直すかな,やっぱりね。

● ココ・シャネルを演じたオドレイ・トトゥの知的な美貌を堪能すればいいと思えるくらい,彼女が画面を支えているが,ココを愛人にした富豪のバルザン役のブノワ・ポールヴールドの,きっぱりと支持を出す一方で,人がよく気弱で脇が甘い善人ぶりも見ものだ。
 エミリエンヌのエマニュエル・ドゥヴォスの顔を見て前田敦子を連想してしまったのは,両者の顔に共通性があるからだ。

● 姉のアドリエンヌと2人で孤児院に引き取られた,田舎の酒場で歌を歌ってお金を稼いでいた,お針子をしていた,貴族の愛人になった,ヘビースモーカーだった。
 そういうことを知ったところで,それでココ・シャネルの何かがわかったとは思わない方がいいだろう。わかるはずがないと思っているのが,敬虔な大人の態度というものでしょ。

● 当時の上流階級を品も教養もないバカ者の巣窟に描いているのは,ココ・シャネルの生活哲学(たとえば,体を締めあげるコルセットは悪,過度な装飾はまるで漫画)を際立たせるための対照物にしたかったからだとしても,貴族や富裕層がちょっとお気の毒。
 ただし,では彼らが大衆とは隔絶した知識や教養を備えていたかといえば,たぶんそういうことではない。人間とは,階層や職業や年齢を問わず,だいたいそんなものという理解でよろしいのでしょう。どなたも,自分を基準にすると,そういう結論しか出てこないのでは?

2022年5月29日日曜日

2022.05.25 あしたの私のつくり方

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● 成海璃子の映画をもう1本見たくなった。「あしたの私のつくり方」(2007年)。
 原作は真戸香による同名小説。当時はAKB48のメンバーだった前田敦子の初出演映画でもあるらしい。

● 「きみにしか聞こえない」と同じ2007年に公開されているのだが,撮影はこちらの方が早かったようだ。撮影時,成海璃子は15歳だろうか。

● この頃の成海璃子は実年齢よりも年上の役をやることが多かったらしい。年齢よりも大人びて見えたからだが,本作では小学生から高校生までを演じる。
 外見が大きく変わる時期を演じてあまり違和感がないのは,さすがは女優という気がする。同級生役の前田敦子も同じなのだが,前田敦子の場合は小学生のときと高校生になってからの顔があまり違わない。

● そういうことはともかく,この映画における成海璃子は風格すら感じさせる。この映画をリアルタイムで見ていれば,すごい若手女優が現れたものだと思ったことだろう。
 その女優がどこに消えてしまったのかという,かすかな不満。

● 他に,石原真理子,石原良純,柄本時生,高岡蒼甫,近藤芳正,奥貫薫,田口トモロヲなど。
 主題歌は,シュノーケル「天気予報」。

2022年5月28日土曜日

2022.05.25 きみにしか聞こえない

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● 「きみにしか聞こえない」(2007年)。原作は乙一のライトノベル「Calling You」。

● 主演の成海璃子(小出恵介とダブル主演)はこのとき16歳。半端ないオーラ。
 いわゆる売れたということでいえば,この頃が彼女のピークのようなのだが,あの頃の彼女はどこに消えてしまったのだろう。
 役者バカになるには,頭が良すぎたんだろうか。あるいは,よんどころない事情が発生したのだろうか。芸能界の水に馴染むのがイヤだったんだろうか。

● 他に,片瀬那奈も “聞こえる役” で。昨年,同棲相手がコカイン所持で逮捕されたのがきっかけで,所属事務所から契約を解除された。
 復帰が叶うのかどうなのか。沢尻エリカもそうだけれど,失うには惜しい才能だ。

● 芸能界にはもし芸能界がなかったら塀の内側に落ちるしかなかった人が相当数いる,というのは大人の常識だろう。そこまでではなくても,小泉今日子も戸田恵梨香も元ヤンキーと紹介される。生命力が旺盛だということでもあるのだが。
 芸能界は社会の表と裏の緩衝地帯でもある。女優という職業を選んだ人に対して,表のルールを遵守せよとどこまで迫るのがいいのか。

● 高田延彦,古手川祐子,岩城滉一,八千草薫も出演している。
 主題歌は,DREAMS COME TRUE 「きみにしか聞こえない」。

2022年5月23日月曜日

2022.05.22 ホテルローヤル

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● 「ホテルローヤル」(2020年)。原作は桜木紫乃の直木賞受賞作品。
 コロナで大変な時期の公開。もっと早い時期に公開する予定だったんだろうか。
 舞台は北海道の釧路のラブホテル。実際のロケ地は札幌が多かったらしい。

● 主演は波瑠。夏川結衣と安田顕が母と父。余貴美子と原扶貴子がホテルの従業員。他に,松山ケンイチ,伊藤沙莉,岡山天音,正名僕蔵,内田慈,冨手麻妙,玉田志織など。
 安田顕の存在感は当然として,オヤっと思ったのは女子高生役の伊藤沙莉。実年齢より10歳ほど年下の役が不自然さを感じさせない。丸顔の童顔だから,で済ませてはいけないような気がする。


● 訳アリの男女がやってくる。センターに位置する人たちではない。社会の周辺で一生懸命に蠢いている人たちだ。
 まず,雅代(波瑠)の両親がそうだ。母親は夫に愛想を尽かして,不倫相手と出ていく。
 アダルトグッズの営業マン,投稿ヌード写真を撮影するカップル,姑の介護で自分を構えない中年女性,親に捨てられた女子高生と妻に裏切られた高校教師。


● そういう場にあって,波瑠が放つ清潔感は何事ならむ。いくら何でもそれはないでしょ,そういうふうには生きられないでしょ。
 と思わせるギャップが,じつはこの映画の魅力を作っている。波瑠が演じる雅代が劇中世界を浄化している。観客も救われる(つまり,安全地帯から動かなくてすむ)。


● 主題歌はLeola「白いページの中に」。この歌は1978年の発売。何人もの歌手がカバーしてきたらしい。

2022年5月21日土曜日

2022.05.20 宇都宮市立視聴覚ライブラリー 20世紀名画座 「ミニヴァー夫人」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 「ミニヴァー夫人」(1942年)。舞台は第二次大戦中のイギリスだが,アメリカの映画。安穏に暮らしていた田舎の「中産階級」の家庭が,戦争によって大きく変わっていく様子を描いている。
 といっても,どこかに明るさをとどめていて,日本的なジメジメ感はない。乾いている。

● 中産階級といっても,かつての日本の一億総中流の中流ではない。日本語になっているブルジョアが最も近いと思う。大企業のサラリーマン上がりの雇われ社長では,ミニヴァー家の暮らし(メイドや調理人など使用人が何人かいる)は実現できない。上手く行っている非上場企業のオーナー社長の中にはいるかもしれない。
 そういう家庭の話なのだが,戦争という非常事態の中では,ノンブルジョアの一般家庭と同じ地平に置かれることになる。家族の死の可能性において,特別扱いされることはないから。

● ミニヴァー夫人のグリア・ガースンは本作でアカデミー賞主演女優賞を得ている。同じ1942年に公開された「心の旅路」でも主役のポーラを演じていて,こちらも記憶に残る映画だ。その頃の花形女優だったのだろう。
 他に,ウォルター・ピジョン,テレサ・ライト,デイム・メイ・ウィッティ,ヘンリー・トラヴァース,リチャード・ネイ。

● この映画に出ていた俳優は,子役も含めて,たぶん全員が鬼籍に入っているのではないかと思うが,こうして彼らが活き活きと演技している様子をフィルムで見ることができる。100年後,200年後の人たちも同じように見ることができるわけだろう。
 俳優という仕事は,全員がそうだというわけではないにしても,時間を突き抜けることができる特別な職業なのだなと思った。

2022年5月20日金曜日

2022.05.20 宇都宮市立視聴覚ライブラリー 日本映画劇場 「祇園囃子」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 1953年の公開。原作は川口松太郎の小説。
 Amazonプライムでも見られるのだが,電車賃と時間をかけて出かけていった。

● 出演は木暮実千代,若尾文子,浪花千栄子。この3人が物語を進めていく。
 浪花千栄子は小津作品の「彼岸花」で見ている。テンポのいい台詞回しが印象的だったが,ここでも早口の京都弁でまくし立てる感じが,清々しいというか。1.5倍速の京都弁なのだが,極めて明瞭で聞きやすい。
 現在88歳の若尾文子がこのとき20歳(劇中では16歳)。これだけでも見る価値があるんちゃいますか。

● 芸妓がお金のため,あるいは業界のために,好きでもない男と寝ることは是か非か。従来の規準では当然あり得べし。が,今どき(劇中の)価値観では受け入れがたい。
 結局,木暮実千代の美代春は拒み切ることができずに応じるのだが,そこで吹っ切れたような明るさを感じさせてエンディングになる。美代春にすれば,吹っ切るしかないわけでもある。

● 戦後の価値観転換の渦中において,原作者は非とするのが道徳に叶うと考えたのだろうか。今はどうかといえば,問題自体の重さが,この時代よりも軽くなっているだろう。
 処女性の価値も減じた。というか,処女という言葉があまり使われなくなった。そういうものに女性が振り回されることが減っているのであれば,今の方がいいに決っている。

● 金曜日の日中にこういう映画を見に来ることができるのは,原則,老人に限られる。無惨なほどの平均年齢。
 月に1回,連続する金・土曜日に同じ映画を上映するのだが,金曜日は土曜日よりも来場者がグッと少ない。どちらも年寄りばかりなのは同じだが。
 こうした文化事業の多くは老人福祉事業にもなっている。年寄り退屈対策事業というとさらに正確だ。ぼくも年寄りの末席を汚す者だから,これはこれでありがたいのだが・・・・・・。

2022年5月18日水曜日

2022.05.17 シン・ウルトラマン

TOHO CINEMAS 宇都宮

● 今月2日に東武宇都宮駅で「シン・ウルトラマン」のポスターを見た。それでこの映画が13日に公開されることを知った。
 これは見るでしょ,昭和原人としては見ないわけにはいかないでしょ。初日に見に行くぞと決めた。絶対,行く。

● かつてTBSで放送されたウルトラマンシリーズはざっと次のとおり。

  ウルトラQ(1966年1月)
   ↓
  ウルトラマン(1966年7月)
   ↓
  ウルトラセブン(1967年10月)
   ↓
  帰ってきたウルトラマン(1971年4月)
   ↓
  ウルトラマンA(1972年4月)
   ↓
  ウルトラマンタロウ(1973年4月)
   ↓
  ウルトラマンレオ(1974年4月)
   ↓
  ウルトラマン80(1980年4月)
   ↓
  以下 略

● 「ウルトラQ」も見ていたはずだが,はっきり記憶にあるのは「ウルトラマン」からだ。「ウルトラセブン」ももちろん見たが,「帰ってきたウルトラマン」から先の記憶はない。
 中学生になっていたので,さすがにもうウルトラマンでもあるまいと思っていたんだろうかな。今から思えば,見ておくべきでしたよ。

● 13日は公開日であることを失念し,ウカウカと過ごしてしまった。14日は東京に出かけた。
 さらに,今年は5月の気候がどうにも安定しない。雨だと出かける気にならない。家にいたいと思ってしまう。
 映画は映画館で見るんだから,天気は関係ないようなものだけども,なかなかそうも行かない。家の玄関を出るというハードルを越えられないのだ。

● 土日は混むかもしれないので外すことにして,やっと今日,行けた。今日も天気はモヤモヤっとしてたんだけど,雨は降らなそうだったので。
 Twitterにも「シン・ウルトラマン,良かったよ」的なTweetが多いので,じゃあ止めとくかとも思ったんだけど,意味のないヘソの曲げ方は大人気ないと思い直してね。

● 公開から間もないうえに,のっけから人気で,興行収入的もドル箱になりそうだ。
 ので,上映回数も多い。いつ行っても待たずに見れるだろう。

● オープニングは56年前のウルトラマンのそれをなぞっている。ウルトラマンのオープニングは,流体様の模様が蠢いてウルトラQの文字を浮びあがらせ,それを破ってウルトラマンの文字が出てくる。
 シン・ウルトラマンでも同じようにしてシン・ゴジラの文字が浮びあがる。それを破って,シン・ウルトラマンの文字が出てくる。昭和原人はこれだけでゾクゾクしてしまうのだ。

TOHO CINEMAS 宇都宮
● 昭和のウルトラマンはM78星雲の “光の国” “ウルトラの星” から地球を救うためにやった来たのだが,今回はちょっと違う。地球人を監視するために来たようなのだ。最初から地球人の味方というわけではなかった。
 昭和のウルトラマンは地球での活動は1回につき3分間が限度で,2分を越えたあたりでカラータイマーがピコピコ鳴りだしたのだが,今回はピコピコはなし。
 カラータイマーは初代ウルトラマンだけで,次のウルトラセブンからは消えているので,ないのが自然。しかし,地球での行動はエネルギーを激しく消耗するという設定にはなっている。

   入口のエスカレーター
● 出演は,斎藤工,長澤まさみ,有岡大貴,早見あかり,西島秀俊。
 この5人が「禍特対(禍威獣特設対策室専従班)」のメンバー。昭和のウルトラマンでは科学特捜隊があって,早田隊員や嵐隊員がいた。その略で「科特隊」かと思いきや,そうじゃないのだった。禍特対を作るために,怪獣を禍威獣にしたんだな。
 他に,田中哲司,山本耕史,岩松了。

● ヘソを曲げないで正解でしたよ。もう一度観たいです,このウルトラマンは。隅々まで楽しめる。
 長澤まさみが色っぽかったしね。長澤まさみが巨人化するシーンがあって,当然,下から撮る。スカートで歩いているところを下から撮るんだからね。
 このシーンは笑えるところでもある。撮る側も笑ってもらうつもりで,コミカルになるように撮っている。

● 特撮もとんでもないことになっている。昔とはエラい違いだ。
 同時に,昔の工夫は工夫として凄いものだったのだなということもわかる。

● 昭和のウルトラマンでは,ウルトラマンに変身する早田隊員の年齢は25歳。村松隊長も36歳だ。
 それを今回は,ウルトラマンに変身する斎藤工が40歳で,禍特対班長の西島秀俊は51歳。ウルトラマンの劇中世界でも高齢化は容赦なく進行している。
 一方で,40歳の斎藤工がウルトラマンに変身することに違和感はほぼない。今の中高年は昔ほど老けていないのも確かだ。とはいえ,40歳は40歳だぞ。

● 主題歌は米津玄師「M八七」。
 ちなみに,昭和のウルトラマンの音楽の一部を編集した「交響詩 ウルトラマン」は You Tube で聴くことができる。

● 山本耕史が演じるメフィラスや最後に登場するゼットンは,昭和のウルトラマンにも登場していた怪獣たちだ(メフィラス星人,ゼットン星人)。キャラクターはだいぶ変えられているが。
 「禍特対」のバッジを欲しいと思う人は多いかもね。大人でもさ。当然,グッズになって劇場で販売されてますよ。770円だったかな。

● 映画を映画館で見るのと,Amazonプライムや Netflix でパソコンの画面で見るのと,どちらがいいかといえば,当然,映画館で見る方がいいに決っている。
 けれども,唯一,映画館では本編を始める前に余計なものがくっついて来すぎる。ノーモア映画泥棒とか,ノー・キッキングとか。

● だいたい,Amazonプライムをはじめとして,これだけ映画のサブスクが普及しているのに,映画泥棒などする馬鹿はいまい。旧態依然とした著作権法絡みのノーティスを出すのだけは止めてほしい。
 次期上映予定の映画の予告編も,あまり多すぎると鼻白むところがある。気分を盛りあげるために,適度な時間ならあった方がいいのだろうが,過ぎてしまっては逆効果だ。

2022年5月17日火曜日

2022.05.16 ゴジラの逆襲

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● ゴジラシリーズの第2作,「ゴジラの逆襲」(1955年)。モノクロ。
 前作「ゴジラ」が空前の大ヒット。それを受けて短期間で撮影されたようだ。

● 今回はゴジラの他に,もうひとつの怪獣アンギラスも登場する。アンギラスをもう少し活躍させて,「ゴジラ対アンギラス」というタイトルにしてもよかったろう。
 そのあたりは制作側も検討したに違いない。検討した結果,アンギラスは脇役にすることに決めたのだろう。

● このあと,ガメラ,モスラ,キングギドラと,名前の最後にラのつく怪獣が多数登場するのだが,その嚆矢は早くも第2作目で見られるということだ。
 それらもAmazonプライムで見られたのだが,今日でプライム対象から外れる。ので,ゴジラシリーズはこの2作しか見ることができなかった。またいずれ,プライム対象に入ってくるだろうけど,さほどに残念感もないのが正直なところ。

● 今回のゴジラは北海道で雪崩を起こされ,雪に埋められて一巻の終わりになる。でも,あのゴジラがそんなことで参るんだろうかねぇ。映画が終わった30分後には,雪をかき分けて這出てくるんじゃないだろうか。
 しかし。この映画は大人も夢中になって見たのだろうが,主には子供向けなんでしょう。だとすると,前作に感じた違和感も氷解する。子供向けならこの様式でよろしいのだろう(たぶん)。

● とは言っても,やっぱり突っ込みたくなるところはいくつもある。
 ゴジラに荒らされている当日にどうして旅客機が通常に飛んでいるのだ,とか。ゴジラがひとまず海に去った翌日に何でダンスホールが通常営業なんだよ,とか。おまえら,酒飲んで同窓会なんかやってる場合じゃないだろうよ,とかもね。
 ゴジラは何で北海道の方までやってきたのか,ずっと大阪にいればよかったじゃないか,だって南の海で生まれているんだから寒いのは苦手だろう,とか,そういうことを思ってしまうんだよね。

● 出演は小泉博,若山セツ子,千秋実。千秋実だけ,テレビドラマに出演していたのを憶えている。小泉博と若山セツ子は初めて見た。
 この頃は(というか,シネコンができるまでは)2本同時上映が普通だった。その同時上映は「弥次喜多漫才道中 化け姫騒動の巻」というやつで,夢路いとし,喜味こいしが出演したらしい。こちらも見てみたいものだ。

2022年5月16日月曜日

2022.05.12 ゴジラ

Amazonプライムビデオ

● 10日に「ハロウィンの花嫁」まで見てしまったので,コナンはもう見るものがない。
TVシリーズにまで手を広げるつもりはないので。
 ちょっとエアポケットに入った感じ。今日からはAmazonプライムで何を見ていけばいいだろう。

● で,「ゴジラ」(1954年)を見た。諸々の話題になった映画の起点がこれ。伊福部昭の音楽も含めて,こういう映画だったのかと初めて知ることになった。
 チラシはカラーだけれども,映画はモノクロ。

● 戦後10年でこの映画は作られたんですねぇ。ぼくがゴジラというものを知ったのは,さらにその10年後になる。
 どういう知り方だったかというと,ゴジラ対ガメラ,ゴジラ対キングギドラ,ゴジラ対ガメラ対モスラ,といった怪獣の戦いを通してだ。南海の大決闘とかね。
 少年漫画誌でそうした映画を紹介していた。当時,最も人気がある記事だったろう。

● 田舎の子供に実際の映画を見る機会はなかった。が,一番強いのはやっぱりゴジラだよねとか,ガメラは弱いんだよとか,田舎の男の子は話していたものだった。
 ぼくはわら半紙を閉じた手製のノートに,怪獣たちの身長,体重,武器(得意わざ)を表に作ったことがある。何の役にも立たない作業に没頭した。

● 「ゴジラ」は当時の自分に見せてやりたかったが,違和感も感じる。ゴジラが現れて東京はほとんど破壊されるのだが,大衆はいたってノンビリしている。殺気立たない。時間はゆっくりと流れている。
 若い男女は歌を歌っていたり,酒肴に興じていたりする。宝田明演じる尾形は,山根恵美子(河内桃子)と恋仲で,お父さんにどう伝えようかと2人で話し会ったりしている。ゴジラが暴れているというのに,だ。
 この時期の日本人の辞書には「緊迫」という文字はないようなのだ。

● いよいよとなってからワラワラと逃げ惑うのだけれども,あろうことかゴジラの進行方向に向かって逃げていく。
 かと思えば,政府はゴジラを殺すことばかり考えていてゴジラを研究しようとしない,と研究至上主義を唱える学者が出る始末だ。この状態でどうやって研究するというのだ? 研究している間に,ゴジラに喰われて死んでしまうぞ。

● 俳優の演技も今とはだいぶ違う。ありていに申さば,今の俳優の方がずっと上手いという印象になる。今の俳優は作りもの感が少ない演技をする。
 演技の様式というか文法というか,沿うべきガイドラインが今とは違っていたんだろうかな。演技していますという演技だ。

● 「戦後の日本映画界に特撮怪獣映画というジャンルを築いた,記念すべきゴジラ映画第1作」で「核の恐怖を描いた,本多猪四郎の真摯な本編ドラマと,円谷英二のリアリズム溢れる特撮演出が絶妙のコンビネーションを見せ,「ゴジラ」の名を一躍世界に轟かせた傑作」というのが一般的な評価なのだろう。
 けれども,「特撮演出」はそのとおりだとしても,「真摯な本編ドラマ」の方は失敗してるんじゃないかと思った。当時は,これで説得力を持ち得たんだろうか。

● ゴジラの叫び声は古い鉄製の扉が開く(あるいは閉まる)ときのギーッという音のようだ。
 この音はどうやって作っているのだろうと推測する楽しみもあるかもしれない。

● 音楽は,誰もが知っているとおり,伊福部昭が担当。劇中で歌われる「平和への祈り」も伊福部が作曲。
 桐朋学園(当時は女子校だった)が全面協力し,「大講堂に在校生2,000余名が集められての斉唱が行われた。録音,練習において作曲者の伊福部が自らタクトを振った」とのことだ。
 2,000余名というのは200余名の間違いじゃないかと思ったんだけども,劇中のシーンを見ると200余名よりはるかに多そうだ。この頃は若者が雲霞のごとくいたんだな。

● しかし,このシーンも映画の展開,流れを止めてしまっているように感じる。
 展開や流れよりも,大事にしたかったことが他にあったということだろう。

2022年5月13日金曜日

2022.05.10 劇場版 名探偵コナン ハロウィンの花嫁

TOHO CINEMAS 川崎

●  Amazonプライムで見られる「劇場版名探偵コナン」の過去作は全部見たので(24作目はまだAmazonプライムで見られるようになっていない → 24作目は見ていない),最新作「ハロウィンの花嫁」を見ることにする。劇場版の25作目になるわけね。
 たまたま,川崎に来ている。用事があるわけではない。ホテルで徹底的にノンビリしたいだけだ。が,そうは言ってもせっかく川崎にいるのに,地元でも見られる映画を見なくても・・・・・・と思わないでもないのだが,21時15分から本日最後の上映が行われることを知ったので,時間を有効に使う(?)ことにした。

● 舞台はハロウィンシーズンの渋谷。敵は仮装している爆弾犯「プラーミャ」。
 プラーミャは誰で,どこに潜んでいるのか。何のために爆弾なんかで遊んでいるのか。どうやら,ロシア人であるらしいのだが。
 それをコナンと公安警察の安室透が探っていく。今回は佐藤刑事と高木刑事も主役格。蘭と毛利小五郎は後ろに下がっている。蘭が引っ込んでいるんだから,工藤新一の出番もない。

TOHO CINEMAS が入っているビル
● しかし,「何のために」というのはどうもよくわからない。今回に限らず,これはよくわからないことが多いんだけど。
 それによって面白さが損なわれることはないから,別にどうでもいいんだけどね。

● エレニカ・ラブレンチエワも組織を作って,プラーミャを探している。プラーミャに酷い目に遭わされたらしい。
 そのラブレンチエワの声を白石麻衣が担当。

● 音楽は菅野祐悟。主題歌は BUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」。

● 正直,劇場で見るのと14インチのPC画面で見るのと,さほど差はない映画だと感じた。
 来年の今頃は24作目もAmazonプライムで見られるようになっているだろう。ということは,24作目はAmazonプライムで見るとして,その後も映画館に足を運ぶことなく,1~2年遅れで,Amazonプライムで見ていけばいいか。

● というわけにも行かないかもしれない。というのは,今回で一番気になったのは最後の最後,次回予告だったからだ。「逢いたかったぜ,シェリー」という “黒の組織” のジンの声。
 ということは,次回は灰原哀が主役でしょうよ。これを公開後,1~2年も見ないで待っていられるだろうか。無理でしょ。灰原ファンとしては,来年の黄金週間までは生きていないといけませんわ。


(追記 2022.05.11)

 昨夜,川崎駅東口(川崎区)の TOHO CINEMAS でコナンを見たんだけど,駅西(幸区)のラゾーナにもシネコンがあったんでした。どちらもホテルから近いのだが,ホテルも駅西にあるので,さすがにラゾーナの方が近い。
 映画ってさ,どこで見ても内容と料金は同じだから,自宅からの距離と建物の築年数で選ばれます? 宇都宮だと,距離でも築年数でもベルモールにある TOHO CINEMAS の一択で,他に選択肢はないんだけど。

2022年5月10日火曜日

2022.05.09 名探偵コナン プレミアムトーク

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● 「劇場版 名探偵コナン ハロウィンの花嫁」公開記念 名探偵コナン プレミアムトーク。
 「名探偵コナン」の大人気キャラクター安室透(降谷零)とその警察学校時代の同期組,さらに警視庁の高木刑事・佐藤刑事というキーパーソンたちの声を担当する豪華声優陣が大集結! TVシリーズや劇場版の魅力,好きなシーン,さらには休日の過ごし方などのプライベート話まで,ディープでプレミアムなトークをふんだんにお届けします。
● 前編・後編に分かれていて,前編はテレビ放送されたらしい。後編はAmazonプライムの独占配信。4月2日から配信されているようだ。
 登場するのは写真の7人。コナンがテレビに初登場したのは,今から26年前らしい。声優も26年分,歳を取っているのだから当たり前なんだが,劇中の人物の年齢よりだいぶ年上になるわけだ。
 平均年齢はかなり高い。が,若い声を維持しているのは,努力もしているのだろうが,努力だけでできることなんだろうか。

● TVアニメの方は見ていないのだが,TVも見ていないと登場人物たちの相互関係や話の進展がわからない。高木刑事と佐藤刑事は警視庁の同僚であると同時に恋仲だというのを,ぼくはまったく知らなかった。
 劇場版しか見ていないと,佐藤刑事は高木刑事を高木くんと呼んでいるし,刑事としての経験も素養も技能も佐藤刑事の方が上に描かれている。この2人が恋仲だなんて1ミリも感じさせない。

● でも,まぁ,見るのは劇場版だけでいいかなと思っている。TVアニメを今から見るんじゃ量が多すぎる。
 「ドラえもん」も「クレヨンしんちゃん」も「ワンピース」もそうだ。「ワンピース」だけはリアルタイムでTVもけっこう見ているんだけど。
 TV放送まで見るのは「鬼滅の刃」だけでいいかな,って感じね。「鬼滅の刃」は最近の作品だから,最初からテレビ放送を追ってきてるので。てか,劇場版はまだ1つしかないんだし。

● 「ハロウィンの花嫁」は劇場で見ておくことにする。劇場版を映画館で見るのも初めてだ。
 14インチのパソコンの画面で見るのと,映画館の大画面,大音量で見るのとでは,同じ見るでも別の体験になるのはわかりきっているが,コナンの場合はさて,どれほど違いを味わえるのか。

2022年5月9日月曜日

2022.05.08 名探偵コナン 緋色の不在証明

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● 今回,劇場版を第1作目から順番に見てきたのだが,所々に段差があった。つまり,唐突という感じで,新しい登場人物がお馴染みさんのように登場していたことだ。
 テレビでの進行状況を反映しているのだろうと思う。劇場版も初めて見たくらいだから,テレビの方はまったく見ていない。

● 「名探偵コナン 緋色の不在証明」(2021年)は,「名探偵コナン」のテレビシリーズ特別総集編であるらしい。劇場版の24作目となる「緋色の弾丸」(2021年4月16日公開)で重要な登場人物になる赤井秀一について,こういう人物なんだよと整理,確認しておくための映像を作ったということのようだ。
 ので,これは解説調のところがあるし,これはこれでひとつの作品になっているとは言い難い。

● 「緋色の弾丸」を見る前に,こちらを見ておくことで,「緋色の弾丸」がよりわかりやすくなるのだろう。
 頭を撃ち抜かれて死んだと思われていた赤井秀一がじつは生きていた。それはどういう理由でかというのも説明される。
 その「緋色の弾丸」はAmazonプライムでは見られないわけだが。

● ともかく。これでAmazonプライムで見られる劇場版はすべて見たことになる(正確には,昨日見た「紺青の拳」で)。もう残っていない。
 テレビシリーズも最初から見ることができるのだが(全部見られるのかどうかはわからない),そちらには手をつけないでおこうと思う。
 しっかし,面白かったよ,劇場版の名探偵コナン。明日から何を見ればいいかなぁ。その前に,最新作の「ハロウィンの花嫁」を見にいくかどうか。

2022年5月8日日曜日

2022.05.07 劇場版 名探偵コナン 紺青の拳

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● 「劇場版 名探偵コナン 紺青の拳」(2019年)。舞台はシンガポールのマリーナベイ・サンズ。
 3棟のホテルが,屋上に設置した空中庭園でつながっていて,それが船のデッキの形になっている,あの有名なホテル。ぼくは写真でしか見たことがないけど。
 「ラスベガスのカジノリゾート運営会社ラスベガス・サンズによって開発され」「単独としては世界最大のカジノ」を持つホテルであるらしい。建設したのは韓国の双竜建設だそうだ。

● 劇中では,そのホテルで殺人事件が起こって・・・・・・。小道具として使われるのがタイトルの “紺青の拳” と呼ばれる世界最大のブルーサファイアという設定。
 そのサファイアを怪盗キッドが狙うわけだが,最後にキッドはそれを持ち主に返してしまう。その理由がイマイチわからない。そこまでキットを良い子にしなくてもいいのにと思った。

● 終盤のどんでん返しもいつものことなのだが,見ている側が事前に予測できるような伏線は何も与えられないというのもいつものこと。
 要するに,このシリーズは推理映画というか,動く推理小説ではない。思いがけない展開に翻弄される快感を味わうものだね。そこにお笑いや人情噺を絡ませて,視聴者をラストまで飽きさせないで連れて行く。

● 主題歌はHIROOMI TOSAKA「BLUE SAPPHIRE」。

2022年5月6日金曜日

2022.05.05 劇場版 名探偵コナン ゼロの執行人

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● 「劇場版 名探偵コナン ゼロの執行人」(2018年)。
 今回は,コナンと安室透(公安警察の “ゼロ” と呼ばれる秘密組織に所属し,同時に “黒の組織” にスパイとして潜入している)が協力して,大気圏外から秒速10kmで落下してくる,直径4mのカプセルの軌道を変えようとする話。

● 安室がレインボーブリッジを片輪走行するシーンは,「ルパン三世」さながら。そういうアニメアクションを見る楽しみもある。
 のだが,面白いのはやはり謎解きの部分になる。前半というか,始まりから3分の2のところまで。とはいえ,解くための道具立ては観客には与えられないので,誰が犯人かなんてのはわかりようがない。コナンはピンと来るのだが,こちらはまるでわからない。

● ひょっとしたらこの人が犯人なのではと思わせる橘境子の声を上戸彩が担当。主題歌は福山雅治「零 -ZERO-」。

● 新作上映に合わせて,過去の23作をAmazonプライムで見られることになっているわけだが,残りあと1つになった。2019年の「紺青の拳」で終わり。
 2020年に公開するはずの「緋色の弾丸」はコロナのために1年遅れて2021年に公開された。これは今回はプライム対象になっていないようだ。

● ところが,やはり2021年に公開された「緋色の不在証明」はAmazonプライムでみることができる。これは劇場版のレギュラー扱いじゃないようなんだけど,あと2つ見られるということだ。
 最後は,最新作の「ハロウィンの花嫁」を映画館で見るかどうか。ぼくはオールウェイズ,1,200円で見られるんだけどね(シニア割引)。

2022年5月4日水曜日

2022.05.04 劇場版 名探偵コナン から紅の恋歌

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● 「劇場版 名探偵コナン から紅の恋歌」(2017年)。舞台は京都。ストーリーの中心にあるのは百人一首。

● 今回の主役は「西の高校生探偵」服部平次と彼の同級生の遠山和葉。“黒の組織” は絡まないので,灰原哀はちょこっとしか出ない。
 目暮警部や白鳥刑事など,警視庁の面々も登場せず。

● この映画は男女の青春ドラマでもあるのかもしれないね。たいていは工藤新一と蘭がそれを担うのだが,今回は服部と和葉だったということ。
 服部は和葉のほかに,今回のヒロインである大岡紅葉にも言い寄られて,普通ならやにさがるところなのだが,服部はやにさがらない。服部は和葉からブレない。ここもコナン(新一)と共通している。コナンも蘭からブレない。
 劇中でも,これほどのスーパースターを女性が放っておくはずはないと思うのだが,服部もコナンもここでは動かないんだね。

● この映画は回を追うごとに興行収入も急カーブで上昇しているのだが,女性のコナンファンも多いのだろうか。
 だとすると,女性たちがこの映画を支持する理由のひとつには,主人公のこういった一途さ(のようなもの)があったりするんだろうか。それを見越して,こういうキャラクター設定にしたわけではないんだろうけどね。

● 服部,和葉と同じ改方学園の2年生で,かるた部の主将を務める枚本未来子の声を吉岡里帆が担当。予め知っていないと,吉岡里帆だと気づくのは難しいのじゃないか。
 そういうところ,声優って凄いね。普段の声と違う声でずっと合わせていくわけだから。

● 主題歌は倉木麻衣「渡月橋 〜君 想ふ」。彼女が主題歌を歌うのは,これが4回目。

2022年5月3日火曜日

2022.05.02 劇場版 名探偵コナン 純黒の悪夢

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● 「劇場版 名探偵コナン 純黒の悪夢」(2016年)。
 久しぶりに “黒の組織” とコナンが直接対峙する。こうなると,ほんとに面白くなるんですよねぇ。スリリングな展開になる。“黒の組織” のジンやベルモットが悪役として強力だからでしょ。

● “黒の組織” と対峙するのはコナンだけではなくて,FBIやCIA,公安警察も “黒の組織” に諜報員を送り込んでいるという設定。FBIなどが登場するのは今回が初めてではないけれども(2014年の「異次元の狙撃手」が初めてだったか),何とはなしの唐突感もある。
 劇場版しか見ていないからかも。テレビ放送分も見ていれば,このあたりの流れが細かく自然になるのかもしれない。

● “黒の組織” が出てきたとあっては,コナン以上に灰原哀がシリアスにならざるを得ない。灰原とコナンとの疎通も深いところで交わされることになる。そのあたりの作り込みも見どころのひとつ。
 灰原ファンのぼくとしては,今回はかなりワクワクしました。

● 一方で,今回は毛利小五郎の出番がなかった。警察の目暮警部や高木刑事も端役的な扱い。
 蘭にも準主役的な危機や活躍を与えられることが多いのだが,今回はおとなしい役回り。

● 今回の主役は,“黒の組織” のミッションを遂行中に記憶をなくし,最後は組織を裏切って,命を呈して灰原と少年探偵団の3人を救ったキュラソーということになる。そのキュラソーの声を天海祐希が担当。
 主題歌はB'z「世界はあなたの色になる」。

2022年5月2日月曜日

2022.05.01 劇場版 名探偵コナン 業火の向日葵

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● 「劇場版 名探偵コナン 業火の向日葵」(2015年)。ゴッホの名画「ひまわり」を巡って話が展開していく。
 まずは鈴木財閥の総帥,鈴木次郎吉が騒々しく「かつてゴッホが2番目に描き,第二次世界大戦時の芦屋空襲で焼失したとされる『ひまわり』の模写」を3億ドルで落札。さらに,「次郎吉はゴッホの『ひまわり』を7つ全て集め,日本で「日本に憧れたひまわり展」を開催する。

● そこで色々と起こるわけなのだが,紛らわしいのが怪盗キッドが登場していることだ。宝石以外は盗まないキッドが絵画を盗もうとするし,人を殺そうともする。何やら変なのだ。
 しかし,キッドが登場したということは,コナンと協力して犯人を捕まえることになるのだよと,観客に伝えてもいるわけだ。

● 実際にそういう展開になるのだけれども,どうも展開の転がりがスッキリしない。犯行の動機も犯人が自ら語るのだけれども,それを聞いても何だか釈然としない。今回のストーリーはノッペリと進むという印象。
 もちろん,コナンの超人的な活躍シーンもあり(アニメだからね),最後まで諦めないで打開策を探るコナンのカッコよさも味わえるのだが,犯人にあまり凄みがないからかな,ストーリーに起伏が足りないと感じてしまった。

● 絵画鑑定士の宮台なつみの声を榮倉奈々が担当。主題歌はポルノグラフィティの「オー! リバル」。