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● 主人公の坂崎磐音(松坂桃李)は,「故郷・豊後関前藩で起きた,ある哀しい事件により,2人の幼馴染を失い,祝言を間近に控えた許嫁の奈緒を残して脱藩」ということになるのだが,その哀しい事件の初発というのがとにもかくにもバカバカしい。こんなバカはいないだろうというバカが事件を引き起こす。
まぁ,それがないと話が始まらないのだが,ここの設定だけはどうにかならなかったのか。原作は小説だから,つまり文字で表現するから,バカバカしさを消すこともできようが,映像でこれはなぁ。
原作を外れてでも,もう少しリアリティをまとわせて欲しかったかな。リアリティというか,それはありかもねと思えるキッカケを拵えて欲しかった。
● けれども,その後は面白かった。おこんの木村文乃,金兵衛(おこんの父親)の中村梅雀,阿波屋有楽斎の柄本明など,芸達者が脇を固めるのだが,高尾太夫の中村ゆりがどういうわけだか,見終えた後もチラチラ残っている。
続編を見たい。坂崎磐音をシリーズものの剣豪に仕立てるのは難しいですかなぁ。刀をダランと下げた構えではインパクトに欠けますかねぇ。