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この時期,まだカラーにはなっていない。カラー放送自体は始まっていたはずだが,カラーに対応している受信機が少なかったんだろうか。
● 原作は手塚治虫の同名漫画ではなく,スチーブンソンの小説『宝島』。といっても,忠実に映像化しているわけではない。
善人側だった人(?)たちも最後は宝にあてられて正気を失ってしまうのに,悪党の首領が唯一,そうなることを免れたという話。
● 声優は当時の粋を集めて綺羅星の如し。
海賊シルバー(狼)が加藤武,ジム少年(ウサギ)が田上和枝,船長(熊)が若山弦蔵,トリローニ(豚)が藤岡琢也,ピュー(山猫)が熊倉一雄。
● この頃,日本は二重構造が色濃く残っていた。都市と田舎の生活格差や商工業と農業・大企業と中小企業の所得格差が存在していた。今とは違う。
都市部ではテレビの普及は終えていたかも知れないが,田舎では急速に普及している最中だったか。後半戦に入っていたとは思うが。
● 14型とか18型という言葉があった。14インチのブラウン管テレビをテレビ台の上に置いて,家族全員で見ていたのだ。近所の人が来ることもあった。こちらが近所の家まで見に言ったこともある。
近くで見ると目に悪いから,2メートル以上離れて見なさいと言われたものだ。
爺婆は相撲を見たがり,子供はアニメやヒーロードラマを見たがって,両者がマジでチャンネル争いをしたのだ。
● 14インチ画面のノートパソコンで見ながら(画面の解像度は当時とは比較にならない),そうしたことを思いだした。ノスタルジアに誘われた。
もちろん,あの時代が良かったとは1mmも思わないが,こうしたアニメを夢中になって見ていたのは間違いない。それが幸せな時間だったことも間違いない。