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ストーリーにもちろんリアリティはない。映画なのだからそれでいいのだ。
● 主役の池坊専好(野村萬斎)は記憶障害を持っている。これが専好の性格設定にかなり効果をあげているように見える。
市川猿之助の豊臣秀吉も迫力がある。が,最も印象に残る登場人物は誰かといえば,森川葵の「れん」だ。異形の娘だから,誰が演じても他とは区別されるだろう。
● この時期,農民は食うや食わずのその日暮らしで,将来設計などというのは1ミクロンも考えられなかったはずだが,そういう時代でも専好のような,言うなら無為徒食の輩を養っていたわけだ。不思議な気もするが,そういうものなのだろう。
芸能といい芸術といい芸事といい,芸が付くものは,生活に潤いをもたらすとか,情緒を養うとか,そういうきれい事のレベルでではなく,もっと形而下的なところで,人間には必要なものなのだろう。
● むしろ芸で遊ぶために生活があるというのが本当なのだ。ホモ・ルーデンスなのだ。遊びをせんとや生まれけむ,なのだ。
ここでマズローの欲求5段階説を持ちだすのは場違いな感じもするのだが,マズローが言うように欲求の類型がきれいにピラミッド型を描いて,AがあってB,BがあってC,というのはおそらく人間を表していないのだろうと思う。