2022年4月3日日曜日

2022.04.03 幕間 Amazonプライムビデオだけを観るのではなく

● 2018年の11月まで宇都宮市が催行する往年の名画の上映会に出かけていた(ぼくは宇都宮市民じゃないんだけど)。必ずというわけではないのだが,けっこう頻繁に。やはり頻繁にくる男性がいて,彼と言葉を交わすようになったりもした。
 が,2018年の11月以降はパタッと行かなくなった。一番の理由は3年前にAmazonプライム会員になったこと。映画は自宅のパソコン画面で観るものになってしまった。
 二番目はコロナだ。この2年間,上映会じたいがほとんど開催できなかったろう。やっとまともにできるかなと思えるところに来た。

● 昔は名画座と呼ばれる映画館が県庁所在市にはたいていあった(宇都宮にあったかどうかは知らない)。
 時移り,興行としてはまったく成り立たなくなったが(それでも,たとえば,TOHOシネマズでは「午前十時の映画祭」と題して,往年の映画を上映している。我々は文化事業を行っているのだという,社内に向けた動機づけが目的なのかもしれない),こうした公共セクターの上映会は,名画座の代わりになるものだ。
 無料なのもありがたい(その分,音響も画面の大きさも座席の快適さも映画館に及ばないのは致し方がない)。

● Amazonプライムビデオは邦画が手厚くないと聞く。が,洋画は相当以前のものもカバーしている。まず,充分といえるだろう。
 問題はこちら側にある。Amazonプライムで何を観るかというときに,往年の名画というジャンルに属する映画を選ぶことはほぼない。少なくとも,ぼくにはそういう傾向がある。
 それゆえ,強制契機を自分に課すことも必要だ。その契機として,公共セクターの上映会はありがたい。
 加えて,最後まで観ることも自分に強制できる。「自転車泥棒」を1人で観ていたら,果たして最後まで観ることができたかどうか。

● 宇都宮市の上映会はいくつかの場所で催行されるが,最も多いのは東図書館だ。サイトで今年度の開催予定表(上半期分が掲載されている)を確認して,付箋に書き写して手帳に貼った。
 どんどん予定ができる。もし予定どおりに行くことになれば,ずいぶんと久しぶりな現場復帰(?)だ。

● 1人でではなく,大勢の人と一緒に,公共空間で映画を観るのもいいものだとは,先日,鹿沼市民文化センター名作映画祭であらためて思ったことだ。外に出る口実にもなる。いや,口実ではなく,出かける目的を作ってくれる。
 せいぜい,爺さん,婆さんに囲まれて(ぼくも爺さんだが),古い映画を観ようと思う。