2022年11月30日水曜日

2022.11.19 シン・ウルトラマン

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● 今年の5月に映画館で見たばかり。こんなに早くAmazonプライムで見られるとは,ちょっと予想外。1年後だと思っていたからね。

● この映画のハイライトはどこかというと,長澤まさみが巨人化して登場するところ。お色気と笑いの場面。ウルトラマンと怪獣の闘いの場面ではないと思ってるんだけどね。
 その怪獣たちも怪獣として登場するのではなく,人間に擬人化して高度な技術と思考能力を持つ異星人として登場する。シンの所以だと思う。

2022.11.12 初恋

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● 「初恋」というタイトルの映画はけっこうな数あるらしい。これは2006年公開の宮崎あおい主演のもの。
 三億円事件をモデルにして,実行犯を宮崎あおいが演じる。この映画は何のためにあるかといえば,彼女の演技の見事さを堪能するため。

● 中原みすずの同名小説を映画化したものだが,監督(塙 幸成)も主人公役は宮崎あおいしかいないと即座に考えたのじゃないか。彼女が演じるという前提で絵を作っているのじゃないかと思える。
 他に,小出恵介,柄本佑,藤村俊二ら。

● 主題歌は元ちとせ「青のレクイエム」。

2022.11.10 恋は雨上がりのように

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● 小松菜奈と大泉洋が主演のこの映画,これが3回目になる。一昨年の3月去年の9月にも見ているので。
 高校2年生の女の子が自分の父親のような年齢の中年男性に恋心を抱くという話なので,あやかりたいと思ってしまうんですかねぇ。

● しかも,男の方はしめしめというどうしようもないヤツではなく,きっちり誘惑を退けるので,いよいよ自分にもこんな可愛い子が・・・・・・と妄想しちゃうという。
 ま,そんなことのあるはずはないとわかりながらね。

● 大泉洋が演じる近藤のような男がもしいれば,モテるはずなんだと思いますよ。仕事には真面目で,人には誠実なんだからね。うだつが上がらないとか,要領が良くないとか,そういうことでこの男はダメと決めつけてしまうほど,世の女たちはバカじゃないと思うのでね。
 後味がいいのも何度も見たくなる理由のひとつ。

2022.11.09 超高速! 参勤交代 リターンズ

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● 2016年の公開。前作で江戸へ無地に到着できた湯長谷藩だが,藩元へ帰るまでが参勤交代というわけで,今度は復路のドタバタが展開される。
 松平信祝の悪だくみによって,湯長谷藩に辿り着いたときには,城は乗っ取られ,田畑は荒らされていた。さて,どうする。

● 前作には登場しなかった面々も何人かいて,縦糸横糸の絡みは前作よりやや複雑。
 が,見終えた後のカタルシスは前作と同じで,悪役の松平信祝を演じた陣内孝則の功績が大きいですかねぇ。

● 笑いながら見られる娯楽映画。社会の闇を摘発するとか,人間の奥深い内面をあらわにするといった,社会派や純文学を謳ったものより,こういうのが映画の王道のような気がする。

2022.11.08 超高速! 参勤交代

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● 2014年の公開。原作は土橋章宏作の脚本。彼自身により小説化され2013年に講談社から刊行された。

● 幕府から「5日以内に参勤交代しなければ藩を取り潰す」と無理難題を吹っかけられ,ドタバタを繰り返しながら,無地に江戸に到着するというストーリー。
 ストーリーはそれだけなのだが,その過程で殿様が旅籠の飯盛女を嫁にするとか,映画でしかあり得ない奇想天外なエピソードが散りばめられる。

● 肝はそのエピソード,ドタバタにある。ギャグ映画と考えていいと思う。
 1万5千石の小藩・磐城国湯長谷藩の藩主,内藤政醇に佐々木蔵之介。とんでもなく人のいい殿様で,それでは殿様は務まらないだろうと思うのだが,抜刀術の名手でもあり,ここぞというときにカッコいいところを見せる。
 家老の相馬兼嗣に西村雅彦。藩随一の知恵者で,どんな状況に置かれても藩主の下問に答えを出すという,知的スーパーマン。
 牛久の旅籠「鶴屋」の飯盛女,お咲に深田恭子。殿様にみそめられて奥さんになる。
 山中の獣道を知り尽くしている隠密の雲隠段蔵に伊原剛志。一行を神がかりなほど的確に案内する。
 幕府側の悪役,松平信祝に陣内孝則。

● これらの面々がドタバタを盛りあげて,見終えたときには,あぁ,面白かった,となる。続編もあるので,次はそれを見ることにしよう。

2022.11.07 劇場版「きのう何食べた?」

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● 2021年公開。料理上手の弁護士「シロさん」(西島秀俊)と,彼の恋人で美容師の「ケンジ」(内野聖陽)のダブル主演。
 が,これはもう内野聖陽のオカマぶりがすべてでしょ。

● 内野聖陽というとテレビドラマ「仁」の坂本龍馬がとにかく印象に残っているのでね。その対比で,へぇぇと思うわけで。
 こんなふうにも演じられるのか,役者って凄いなあ,と驚ける。どうやってこの役作りをしたんだろうとも思う。実際にオカマの男性に会って・・・・・・というのは当然やっているんだろうけど。ひょっとして,頭の中だけで作りあげたんだろうか。

● 俳優が役から影響を受けるというのは,たぶんないとは思うんだけど,これで自分の中の何かが外れるということがあるんだろうか。ないだろうね。

2022.11.06 かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦 ミニ

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● 去年の9月は橋本環奈が出ている映画をAmazonプライムでまとめて見ていた。そのときにこれも見ているので,今回が二度目。
 なぜまた見たのかというと,またまたAmazonプライムから離れかけているので,何とか自分をここに引き留めたいよ,と。そのためにはズッシリこないギャグを楽しめるのがいいな,と。これはそれにピッタリ。短いしね。

● 前回見たときには「かぐや様は告らせたい ファイナル」が上映中で,映画館で見るかと思ったものの,いや,Amazonプライムに入るのを待とうかという下司な方向に走ったために,結局,見ないで終わっている。
 四宮かぐや(橋本環奈)の執事である早坂愛を演じる堀田真由がいいなと思ってるんだけどね。

2022年10月31日月曜日

2022.10.29 ワンピース スタンピード

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● 2019年公開。テレビアニメ放送20周年記念作品で,「世界一の祭典「海賊万博」に集結した海賊たちによるお宝争奪戦が描かれる」というストーリー。
 そのお宝というのが “ロジャーの宝”というやつで,これがよくわからないのだが,海賊にとっては聖書のようなものでもあり,宝の場所を示す地図のようでもあり。

● ダグラス・バレットというとんでもなく強い敵キャラが登場するのだけれども,その強さにリアリティがなくて,やっぱりクロコダイルの方が不気味さにおいて上だよなぁと思った。
 今回は,そのクロコダイルも端役で登場する。なにせ,テレビアニメや劇場版のオリジナルキャラクターも含めて,過去に登場した「200名以上のキャラクターが登場」するのだ。

● 今回も声優陣に竹中直人が入っている。ゲスト出演としては,他にユースケ・サンタマリア,指原莉乃,山里亮太。
 主題歌は WANIMA「GONG」。

2022.10.24 マスカレード・ナイト

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● 昨年9月の公開。公開時に映画館で見ていますよ。ので,ストーリーはわかっている。犯人が誰で,どこでどうなって,どこでああなるのかもわかっている。
 わかっていても楽しめる。出演俳優の演技であるとか,展開のテンポであるとか,画面から聞こえてくる音楽であるとか。

● 映画はストーリーだけでできているのではないという当たり前のことを知るわけだ。この映画に限らない。原作があって,その原作に忠実に作っている映画はあまたあるだろう。
 その映画を見る前に原作を読んでいても,映画の楽しみが損なわれることは通常はないだろう。原作があっても,その原作と映画は別物だ。

● やっぱり麻生久美子ですかね。凄みがありましたよね。

2022.10.22 ワンピース フィルム ゴールド

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● 2016年公開。この映画は見たことがある。しかも,そんなに昔じゃないと思う。ひょっとすると,Amazonプライムで見ているのかもしれないのだが,もはや記憶が曖昧になっている。
 齢をとったからではない(と思う)。ぼくは若い頃からそうだった。記憶の保持はそんなに得意じゃない。

● 舞台は世界最大のエンターテインメントシティと称される「グラン・テゾーロ」。そこの最高級カジノホテル「THE REORO」でルフィーたちはギャンブルに興じる。
 どんどん勝っていくのだが,調子こいて高額勝負に出てすべてむしり取られる・・・・・・というところから物語は始まっていく。

● ゲストの声優陣がキラ星のごとし。中でも出番が多いのが,テゾーロの部下カリーナの満島ひかり。
 他に,菜々緒,ケンドーコバヤシ,竹中直人,西野七瀬,三吉彩花,武田玲奈,成田凌,佐藤ありさ,コロッケ,北大路欣也,小栗旬。

● 主題歌はGLIM SPANKY「怒りをくれよ」。

2022.10.21 ワンピース フィルム ゼット

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● 劇場版「ONE PIECE」を続けてみてきたが,そろそろエンディングが近づいてきた。Amazonプライムで見られるのは残りわずか。今回の「ONE PIECE FILM Z」は2012年公開。
 ゼットとは,全海賊の抹殺を目論む元海軍大将の名前。その怪物大将とルフィーたちの闘い。この男,決して悪いやつではないんだよね。

● 「ストロングワールド」を上回る興行収入を記録したらしい。68億7000万円は当時としては大ヒット作。
 子どもを掴むと,親も一緒に見るからか,ヒット作のかなりの部分をアニメ作品が占めてますな。
 「ONE PIECE」に関しては大人のファンも多いと思うけど。かく申すぼくもそのひとりになる。

● ゼットの部下であるアインを篠原涼子が,同じくゼットの教え子であるビンズを香川照之が,それぞれ担当。
 主題歌はアヴリル・ラヴィーン「How You Remind Me」。

2022.10.16 ワンピース フィルム ストロングワールド

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● 2009年公開。この劇場版もすでに少なくとも1回は見ている。映画館で見たのではなくて,テレビの地上波放送かDVDを借りてか。
 興行的にも成功し,「東映制作のアニメ映画・漫画原作のアニメ映画としても歴代最高記録(当時)を打ち立て,シリーズの中でも史上空前の大ヒットを記録したメガヒット作になった」とのこと。

● なぜそうなったのかは見ればわかる。敵キャラがユニークなんですよ。ぼくはクロコダイルの方が好きなのだが,今回の “金獅子のシキ” も怪物性がクッキリしていて,かなり魅力的なのだ。
 それと,“金獅子のシキ” に連れ去られたナミとルフィーの恋物語的なところもあってね。

● “金獅子のシキ” の声を担当したのは竹中直人。これも効いていた。
 他に,「ドラえもん」の水田わさび,「名探偵コナン」で毛利蘭を担当している山崎和佳奈も。アナウンサーの皆藤愛子も特別出演。

● 主題歌はMr.Children「fanfare」。

2022.10.16 ONE PIECE 3D 麦わらチェイス

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● 31分の短いもの。2011年の公開で,「『ジャンプ HEROES film』(略称『JHF』)と題し,『トリコ 3D 開幕!グルメアドベンチャー!!』と同時上映」されたらしい。
 「全編フルCGおよびデジタル3D映画として製作された。シリーズ初の短編作品」ということ。

● 宝物の麦わら帽子がなくなっていることを知ったルフィーが,それを探しに行く途中で,老海賊のシュナイダーに出会い・・・・・・とストーリーの起伏が展開していく。
 山口智充が声優として特別出演。しかも,一人三役。シュナイダー(シュナイダー海賊団船長)とバズ(シュナイダーの飼い犬。老犬)と大鷲(バズが変身した姿。ルフィの麦わら帽子を盗んで,ストーリーの発端を作る)。

● 主題曲は「Break into the Light ~約束の帽子~」。歌詞のない器楽曲。演奏は東京スカパラダイスオーケストラ。

2022.10.15 ワンピース エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く,奇跡の桜

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● 2008年公開。これもテレビ放送の総集編のようなもの。チョッパーが初登場(劇場版ではすでに何度も登場しているのだけど。つまり,連載の時系列にしたがって上映しているわけではないし,劇場版には連載にはなかったお話も多いわけでね)。自分を育ててくれたドクターくれはのもとを離れて,麦わら一味の中身に加わる。
 これもね,当然,テレビ放送は全部見ているわけでね。ストーリーは細かいところまで憶えていましたよ。

● 主題歌は DREAMS COME TRUE「またね」。

● 声優としてみのもんたが特別出演している。あれほどテレビに出ずっぱりで,NHK紅白の視界も務めた売れっ子が,今ではそんな人いたの状態になっている。
 栄枯盛衰,諸行無常は世の習い。時間はすべてを押し流して,何も跡を残さず,前へ前へと進んで行きますね。

2022.10.13 ワンピース エピソード・オブ・アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち

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● 今日は2007年公開の「エピソード・オブ・アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち」。たぶん,これも一度見ている。
 Wikipediaによると「映画『ONE PIECE』シリーズでは初となる原作のストーリーを元にした作品で,人気の高い『アラバスタ編』を映画化した。テレビシリーズの再編集ではなく,全編新作である」。

● テレビシリーズも全部見ている。ワンピースの中で最も好きなのがこのアラバスタ編。その理由は,何といってもクロコダイルの魅力だ。悪役が魅力的だと面白くなる道理でね。
 冷酷無比。ニヒルで何にも感動するということがない。それでもって強すぎる。

● ルフィー,最大の危機というね。だものだから,クロコダイルを倒して迎えるハッピーエンドがとんでもないカタルシスになるわけでね。
 いや,アラバスタ編は面白かったよ。その劇場版はその総集編という感じでね,面白くないわけがない。

● 主題歌は川嶋あい「compass」。

2022.10.12 ワンピース THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵

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● どんどん「劇場版 ワンピース」を見ていくことにする。2006年公開の「カラクリ城のメカ巨兵」。
 これも一度見ている。地上波放送で見たのだったか。映画館で見たのではないと思うが。

● 毎回,かなりのギャグが散りばめられるのだが,今回は全編がギャグ。というか,ギャグだけでできている。
 メカ島の領主であるラチェットがリフィたちの対戦の相手。が,さほどに悪でもないし,さほどに強くもない。おまけにマザコン。
 ので,手に汗握るというシーンはない。笑いでつないでいく。

● そのラチェットの声を担当したのが稲垣吾郎。最後まで気がつかなかった。他に,加藤浩次,山本圭壱も出演。
 主題歌はNEWS「サヤエンドウ」。

● メカ島はじつは巨大なカメで,最後は動物愛護精神が勝ちを収めて終わるのでもある。

2022年10月22日土曜日

2022.10.10 ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島

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● 2005年の公開。
 今回のルフィの適役はオマツリ男爵。「結束力の強い海賊団に嫉妬しており,海賊が仲間割れする様子を見ることを好む。そのため、試練を通して彼らが仲間割れするように仕向ける」。麦わらの一味も彼の策略にハマって,ルフィ1人が残り,オマツリ男爵と戦い,仲間たちを救出する。

● けれども,オマツリ男爵は元は海賊団の船長で,人一倍仲間思い。仲間たちからも慕われていた。が,嵐ですべての仲間を失ってしまった悲しみから,オマツリ男爵になったという設定。
 要するに,元々はいいヤツだったのだ。ということなので,今回も,めっぽう強くてそこが魅力という適役が引っ張るという展開ではない。

● 「ワンピース」はギャグ漫画の要素もかなり濃いと思うのだが,今回のアニメーションは特にギャグの比重が高い。
 こちらとしては面白ければそれでいいので,どういう方法で面白くしてもらっても全然かまわない。

● 主題歌は氣志團「夢見る頃を過ぎても」。

2022.10.09 ワンピース 呪われた聖剣

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● 引き続き「ワンピース」の劇場版を見ていくことにする。「ドラえもん」や「名探偵コナン」に続いて,「ワンピース」もAmazonプライムで過去作品をすべて見ることができるのはありがたい。
 劇場版の「ワンピース」にはいまいち惹かれなかったのだけど,Amazonで見られるとあれば見ておきたい。で,見ればやはり面白いのだ。

● マーティン・カイディンの「インディ・ジョーンズ シリーズ」に似たようなタイトルの小説があったと思うが,原作者はそういうものからヒントを得ているんだろうか。
 逆に,まったく関係のなさそうなところからひらめくものなんだろうかね。漫画は読まないという漫画の原作者もいたりするんだろうか。

● 公開は2004年。アスカ島。そこに住む少女マヤと彼女を取りまく人たち。麦わらの一味の中での今回の主役はゾロ。幼なじみだったサガとの対決。
 2人が対決せざるを得なくさせた原因が「呪われた聖剣」というわけなのだが。

● 今回は魅力的な悪役が引っ張るのではなくて,ゾロとサガの交わったり,離れたり,対立したりという関係の変化で見させる。最後はハッピーエンド。
 そのサガの声を担当したのが中村獅童。マヤの祖母が久本雅美(特別出演)。久本雅美の声だけはすぐにわかった。

● 主題歌は晴晴゛「あの場所へ」。

2022年10月12日水曜日

2022.10.08 ワンピース THE MOVIE デッドエンドの冒険

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● 2003年公開の劇場版「ONE PIECE」4作目。本作から長編アニメとなった(上映時間は94分)。
 麦わらの一味にニコ・ロビンが加わっている。ということは,クロコダイルとルフィの死闘が終わった後の話ということだね。

● 舞台は港町・ハンナバル。そこでルールの存在しない「デッドエンド」というレースが開催される。トップでゴールした者の勝ちだが,ゴールを阻止するために何をしても構わない。暴力的に邪魔してもいいし,騙しても裏切っても何をしてもいい。
 優勝候補と目されるのがガスバーデ将軍。クロコダイルを上回る9500万ベリーの懸賞金をかけられている。悪魔の実「アメアメの実」の能力者で,体を水飴に変化させて,あらゆる攻撃を効かなくさせる。

● というわけで,かなり強い。それゆえ,面白かった。単純に手に汗握るという意味で。やっぱり,悪役が強くないとね。
 育ての親であるビエラ爺さんのために麦わらの一味の命を狙って懸賞金を得ようとするアナグマ(じつは女の子)の声を酒井美紀が担当。

● 主題歌は BUMP OF CHICKEN「sailing day」。

● ひょっとすると,この映画は映画館で見ているかもしれない。いや,たぶん見ている。
 が,記憶の輪郭がまるで浮かんでこない。ぼくの脳が思いだすことを拒否しているような感じ。

2022.10.07 ワンピース 珍獣島のチョッパー王国

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● 2002年公開の劇場版「ONE PIECE」の3作目。上映時間は61分の中編映画。次の4作目からは1時間半程度の作品になる。

● 劇場版だけを見ていっても,ストーリーはつながらない。テレビ放送を踏まえての劇場版ということ。唐突にチョッパーが麦わらの一味のメンバーになっているが,どうしてそうなったのかは,テレビ放送を見ていないとわからない。
 チョッパーの声を担当しているのは大谷育江さん。ピカチューの人ね。

● 今回の舞台は,珍獣しか住んでいない王冠島。そこに人間の少年がいる。父を殺され,動物王のキリンライアンに育てられた。
 その少年とショッパーの交流が表看板になる。

● 悪役はバトラー伯爵,ヘビー総裁,ホットドッグ将軍という,名前からしてユーモラスな面々なのだが,悪役としてはいまいち強さに欠けるので,映画としても少々盛りあがりに欠ける。61分ではあんまり強くしてしまうことはできない?
 主題歌はDASEIN「まぶしくて」。

2022年9月30日金曜日

2022.09.30 うれしはずかし物語

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● 1988年の映画。34年前になる。制作は日活。当時,日活ロマンポルノという言葉があった。この作品もそれに該当する。
 今の目線ではどこがポルノなんだという受け止め方になるかもしれない。だいぶソフトだ。34年の間にポルノとか18禁の中身もだいぶ変わっている。

● 今年の「第78回ベネチア国際映画祭」クラシック部門に日活ロマンポルノ作品が初選出されて,現地で上映された。田中登監督の『(秘)色情めす市場』という作品だけども,これはぼくは見ていない。
 要は,この種の作品を一格下に見るというがごとき,色メガネはいかがなものかという話。

● 「夢が壊れ,気がついた時には40才過ぎの管理職。良き家庭に恵まれているがそれらに "自分自身の空間" を占拠されていた。唯一,一人になれる "空間" がワンルームマンション。そこで出会ったいわゆる新人類と呼ばれる不思議な少女によって,空間がどんどん埋められていった」という話なのだが,「夢が壊れ」といっても,40歳を過ぎたあたりで上場企業(たぶん)の部長になっているのだ。
 今のサラリーマンからすれば,何言ってんだよというほど順調な出世コースに乗っている。当時の40歳は今の40歳よりだいぶオジサンだったかもしれないのだが,それにしたってという気がする。

● その上,サラリーマンなのに自宅の他にワンルームマンションを持つだけの資力があるのだ。加えて,若い女性と愛人契約を結ぶ。その手当もサラリーから払えるわけだ。2人の子持ちでそんなことができたのだ。
 いや,劇中での話なんですけどね。はっきりとバブルの臭いがする。当時の記憶は朧だけれども,そういう世相だったのだろう。こういう設定が必ずしも荒唐無稽ではないという。

● 原作はジョージ秋山の同名漫画。主演は川上麻衣子。彼女の初主演作なのだが,この映画から入ったことが,彼女にとっては不運だったのか,そんなことはないのか。
 この映画は映画館で見ているんですよ,当時ね。で,川上麻衣子っていいじゃんと思ったんですよ。で,今見てもかなりいいんですよ。
 彼女は現在でも現役の女優として残っているのだから,女優としての素質はしっかりとあったことは証明されている。だけど,もっと多くの人の記憶に残る女優であり得たような気がするんですよね。

● 他に,寺田農と本阿弥周子。寺田農は個性派俳優という言葉で形容されることが多かったのではないか。飄々とした風情があった。相当な読書家で多才の人。
 婚約不履行で訴えられるといった一幕もあった。面白い人だったに違いない。

2022.09.29 ワンピース ねじまき島の冒険

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● 2001年の公開。「ワンピース」の劇場版第2作。同時上映されたのは「デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲」。
 第1作より段違いに面白い。興行収入も30億円を記録して,2009年の「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」が更新するまでシリーズ最高記録だった,とはウィキペディア教授の解説。

● 面白くなった理由の1つは,悪役が強くて魅力的だったこと。トランプ海賊団のベアキング,ピンジョーカー,ハニークイーンは,それぞれに主役を張れる(?)キャラクターを与えられている。
 もう1つは,脇役の設定が上手くいっていること。ボロードとアキースの泥棒兄弟(ボロードはドロボーの,アキースはアキスの,それぞれもじり)。

● けれども,ねじまき島を考えついたのが,勝利のそもそもの理由。よくもまぁこういうのを思いつけるものだ。サラッと浮かんだのか,七転八倒して紡ぎだしたのか。
 奇抜な形の島をネジて締めていて,その鍵を外せば島は崩壊する,という舞台を考えだした時点で,原作者は勝ったと思ったのじゃないか。

● その鍵を持っているのがベアキングなのだが,そのシーンを見たところで,この映画は一度見ていると気がついた。いや,確信はないのだが,たぶん見ている。
 テレビの地上波で放送されたことがあるんだろうか。見てるとすればそのときだろう。

● アキースの声は矢島晶子。クレヨンしんちゃんの声を長く担当した人ね。ハニークイーンは林原めぐみ。「名探偵コナン」の灰原哀の声を担当している人だ。
 どちらもそうだと教えてもらわなければ気がつかなかった。クレヨンしんちゃんの声でアキースをやっているわけではないし,灰原哀の声でハニークイーンをやっているわけでもない。

● 主題歌は Folder5 が歌う「Believe」。

2022年9月29日木曜日

2022.09.28 劇場版 ワンピース

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● 漫画「ONE PIECE」を原作としたテレビアニメの劇場版第1作。原作者は
尾田栄一郎。2000年に公開された。
 登場する麦わらの一味は,ルフィ,ゾロ,ナミ,ウソップの4人。チョッパーやニコ・ロビンはもちろん,サンジもまだ一味に入っていない。

● 上映時間も51分。同時上映は「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」。そういう時代だった。
 って,ぼくには2000年はついこの間のような気がするが,20歳の男女はまだ生まれていない頃なのだよねぇ。ついこの間がずいぶん昔なのだよ。

● 「黄金の大海賊」と呼ばれた伝説の大海賊ウーナンを軸に,物語が展開していく。ウーナンに憧れる少年トビオが,おでん屋の祖父・岩蔵に反発して,ウーナンの子分にしてもらおうと岩蔵のもとを飛びだすが,じつはウーナンと岩蔵は・・・・・・
 展開の仕方も単純だし,ルフィーたちの戦闘シーンにもハラハラするというか,手に汗握るようなところはなくて,わりとアッサリとリフィーが勝つ。というか,ギャグアニメの色彩が濃かったのだな。

● 劇場版ワンピースは何本かは見ているのだけど,何を見たかなんて憶えてないから,全部を年代順に見ていこうと思う。見終えた後も,前に見た映画かどうかはわからないままだろう。かなりの確信を持ってそう思う。
 正直,「ドラえもん」や「名探偵コナン」に比べると,面白さに欠けるとぼくは思っているんだけど,Amazonプライムで見られるんだから見ておくか,って感じです。

● 脚本は島田満。音楽は田中公平が担当。オープニングテーマはきただにひろし「ウィーアー!」。エンディングテーマは大槻真希「memories」。

2022年9月28日水曜日

2022.09.27 麦秋

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● Amazonプライムでも小津映画を見ることができる。もちろん,全作品ではないのだが,まだ見ていない小津映画をAmazonプライムで見ることができるとは,何だか得した気分だ。
 「麦秋」(1972年)を見るのは二度目になる。2010年12月に「第2回鹿沼市民文化センター名作映画祭」で見て以来。

● 見たことだけ憶えているが,内容はほぼ完全に忘却の彼方。忘れるというのは福音であるかもしれない。
 忘れればこそ,日々新たも成り立つのだろう。過去を完全に憶えていたら,かなりの修行を積んた高僧といえども,日々新を実践するのは困難ではないか。

● 劇中の紀子(原節子)は丸の内に社屋を構える会社の専務秘書という設定。英文タイプライターを操る。当時は珍しかった大卒女子であるのかもしれない。
 実家は北鎌倉にあって(由比ヶ浜も何度か映像に使われている),北鎌倉から東京まで電車通勤をしている。

● 「晩春」では父と娘の関係だった笠智衆とは,本作では兄妹。「東京物語」では東山千栄子と笠智衆が夫婦だったが,本作では親子になっている。実年齢からすれば親子の方が自然かもしれない。
 「晩春」では父の恋人と思い込んだ女性に紀子がガンをつけるシーンがあるのだが,その女性を演じた三宅邦子が,本作では紀子の兄嫁。
 他に,淡島千景,杉村春子,高橋豊子など,小津映画ではおなじみの面々が,安定した演技で画面を整えている。

● ウィキペディア教授の解説によると,「小津自身は,本作において「ストーリーそのものより,もっと深い《輪廻》というか《無常》というか,そういうものを描きたいと思った」と発言しており,小津とともに脚本を担当した野田高梧は「彼女(紀子)を中心にして家族全体の動きを書きたかった。あの老夫婦もかつては若く生きていた。(中略)今に子供たちにもこんな時代がめぐって来るだろう。そういう人生輪廻みたいなものが漫然とでも感じられればいいと思った」と語っている」らしい。
 しかし,この映画を見て輪廻や無常を感じられる感性を持つ人は少ないかもしれない。ぼくはそうしたものを感じることはなかった。

● では何を感じたのかと問われれば,たとえば原節子と淡島千景のやり取りのテンポの良さに快を感じていた。
 映画はすべて娯楽映画として見ようとする癖があって,娯楽的な要素を探そうとして見ているのだと思う。

2022年9月27日火曜日

2022.09.26 泣くな赤鬼

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● 2019年6月14日公開。原作は重松清の同名短編小説。原作は読んでいない。小説も読まなきゃなぁと思い思いして,数十年が過ぎた。
 群馬県のご当地映画かと思ったのだが,そうではないらしい。舞台は高校の野球部。監督の教師と生徒の交流というか,友情というか,濃密な接触を描く。

● 劇中の鬼監督に堤真一。監督が目をかけていたゴルゴを 堀家一希→柳楽優弥。ゴルゴと三塁をレギュラーを競うことになった和田圭吾を 武藤潤→竜星涼。
 他に,川栄李奈,佐藤玲,キムラ緑子,麻生祐未など。

● ストーリー的には平板な展開。末期がんで余命いくばくもない青年が登場するのだから,バリエーションは限られるということかもしれないのだが。
 柳楽優弥,堤真一,川栄李奈の演技の妙を得て,画面が整ったという印象を持った。
 
● 主題歌は竹原ピストル「おーい! おーい!!」。

2022年9月26日月曜日

2022.09.25 奥様は,取り扱い注意

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● 2017年10月4日から12月6日まで日本テレビ系「水曜ドラマ」で放送されたテレビドラマの,その後を描いた映画版(2021年)。ぼくはテレビドラマは見ていない。
 主演は,この人を起用すれば間違いないと思える綾瀬はるか。他に,西島秀俊,鈴木浩介,小日向文世,檀れい,六平直政,前田敦子,岡田健史,鶴見辰吾,佐野史郎など。

●  久実(綾瀬はるか)と裕司(西島秀俊)の化かしあい。お互いにどこまで気がついていたのか。ラストで明かされる。
 久美の記憶が戻ったあとの,2人の気の利いた言葉のやり取り(こいつらも君が連れてきたのか・・・・・・タイムマシンに乗ってね・・・・・・)は欧米の映画には付きものだが,どうもこれは欧米人の方が様になるっぽい。

● ラストの決闘シーンをはじめ,綾瀬はるかの演技が熱い。まずは,彼女の演技を見るための映画だと思う。西島秀俊の独特の温度が通っているアンニュイも。
 裕司が久美の胸を撃ち抜いたあと,じつは久美は生きているとわかっていた観客(視聴者)はどれくらいいたか。テレビドラマを見ていなくても,たぶん半数以上の人は予感していたと思う。その伏線を張っていたことにも気がついたろう。

● ロケ地は各地にわたるらしいが,メインの海は静岡県下田市の爪木崎。鳥羽のあたりかと思って見ていたのだけど。
 原案は金城一紀。テレビドラマでは脚本まで担当していたらしいが,映画版では脚本はまなべゆきこ。音楽は得田真裕が担当。

2022.09.20 雪の華

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● 「雪の華」(2019年)。この映画も,余命いくばくもない女性の輝きを描いたもの。
 主題歌は中島美嘉「雪の華」。歌が先にあって,それをモチーフにして映画を作ったという。

● 登坂広臣(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)と中条あやみのダブル主演。とはいえ,劇中での存在感は圧倒的に中条あやみが大きい。
 中条あやみは死ぬ当事者を演じているのだし,劇中でアクションを起こすのは彼女が演じる美雪であって,登坂広臣が演じる悠輔は基本的にはいつも受け身だ。美雪にエンパワーされる存在というか。
 他に,高岡早紀(美雪の母親),浜野謙太(悠輔が務める店の店長),田辺誠一(美雪の主治医)などが出演。

● 悠輔が働く店の危機を救うために100万円が必要。その100万円を自分が払うから,1ヶ月だけ私の恋人になってください,という奇想天外なところから物語は転がりだすのだが,転がりだした後はダレることがない。
 フィンランドの風景も美しく描かれている。2人が宿泊するホテルも相当に魅力的。年季が入った落ち着いたたたずまい。

● 悠輔と美雪が初めて出会ったのは萬年橋。隅田川に注ぐ手前の小名木川に架かっている橋。
 深川のこのあたりの風情が好きで,何度か訪れている。萬年橋も何度も渡った。また行ってみたくなった。

● 音楽は葉加瀬太郎が担当。

2022.09.20 ヘブンズ・ドア

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● 「ヘブンズ・ドア」(2009年)。ある日突然,余命数日をと宣告された青年と,幼い頃から病院暮らしで,やはり長くは行きられない14歳の少女が,病院を抜け出してハチャメチャをやるというストーリー。
 車の修理代を踏み倒し,郵便局で強盗をやり,人の農地を車でメチャクチャにする。おとなしく病院で死んどけよ,と言いたくなるほどのハチャメチャ。

● 主演は長瀬智也と福田麻由子。他に,長塚圭史,田中泯,大倉孝二,三浦友和。ちょい役で薬師丸ひろ子,土屋アンナ,二宮和也。
 死にたくないとダダをこねる青年を,14歳の少女が母親のように慰撫して,最後を看取る。このラストシーンは印象的だ。聖少女のイメージ。

● 主題歌はアンジェラ・アキ「KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR」。「ボブ・ディランの同名曲のカバー曲」で,「映画の原作自体が,この曲からインスピレーションして作られたもの」らしい。

2022年9月21日水曜日

2022.09.19 しゃべれども しゃべれども

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● 「しゃべれども しゃべれども」(2007年)。原作は佐藤多佳子作の同名小説。
 落語家として伸び悩みを感じている今昔亭三つ葉(国分太一)。その彼のところに,上手く話せるようになりたいワケありの3人が,弟子志願してくる。

● 無愛想で言葉がでない十河五月(香里奈)。それだけではなく,妙に負けず嫌いなところがある。
 大阪から引っ越してきたばかりでクラスになじめない,小学生の村林優(森永悠希)。
 元プロ野球選手で解説がド下手で仕事がなくなりそうな湯河原太一(松重豊)。

● 三つ葉を含めた4人の “ワケ” が絡まって進展し,氷解してエンデイングという感じ。
 優はクラスのボスと盟友になれそうだし,湯河原もコーチにならないかと話があり,三つ葉と五月の恋仲も完成してハッピーエンド。

● 隅田川や水上バスが頻繁に登場する。浅草をはじめ,上野や深川で撮影している。落語の話なのだから,下町が馴染みが良い。勢い,隅田川が景観的には主役になる。
 もうひとつ,落語の「火焔太鼓」だ。三つ葉がこの噺に賭けるという展開になるので,噺の中身が何度も語られる。ぼくは,古今亭志ん生の録音で一度聞いたことがある程度。

● 他に,八千草薫と伊東四朗。主題歌は,ゆず「明日天気になぁれ」。

2022年9月18日日曜日

2022.09.18  十二単衣を着た悪魔

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● 2020年の公開。監督は女優の黒木瞳。彼女の監督第2作になるらしい。原作は内館牧子の長編小説「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」。
 源氏物語では悪役というか,源氏の敵方として嫌われ役になっている,弘徽殿女御を強くて聡明な女性に描いている。源氏は何も考えていない猟色野郎になっている。

● 「源氏物語の世界に紛れ込んだ現代の青年が,奔放で強い女性に翻弄されながらも成長していく姿を描く」と紹介されているのだが,“奔放で強い女性” が弘徽殿女御だとすると,この紹介文はやや正確さを欠く。
 劇中での弘徽殿女御は,奔放というより克己の人だからだ。スーパーウーマンでもある。

● 現代の青年を伊藤健太郎が演じ,弘徽殿女御は三吉彩花。どちらかというと,三吉彩花が主役の印象を受ける。
 藤壺に皇后の位を譲ることを飲まされたあとに,廊下で藤壺とすれ違う弘徽殿女御が,下がって藤壺に道を譲る。通リ過ぎる藤壺に「すべて知っていますよ」とささやく。藤壺が生んだのは帝の子ではなく源氏の子だよね,知ってるよ,と言うのだが,三吉彩花の演技は,その美貌と相まって,こちらをゾゾゾッとさせる。

● 劇中で,伊藤健太郎の陰陽師・雷鳴の妻になる倫子を演じた伊藤沙莉も,強い存在感を示す。
 他に,山村紅葉,笹野高史,伊勢谷友介,戸田菜穂ら。

● 見終えた直後に,もう一度見たいと思った。しばし現実を忘れて(現実から逃避してと言っても同じことだが,現実逃避はそんなに悪いことではないと思う)ファンタジーに遊ぶには恰好の映画だ。

2022.09.17 デトロイト・メタル・シティ

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● 「デトロイト・メタル・シティ」(2008年)。原作は若杉公徳の漫画。
 心優しくて,仕草も女っぽい青年が,大学生になって,田舎から上京。オシャレなポップ・ミュージックが好きで,その世界で生きていきたいと思っている。しかし,いかんせん,才能がない。
 が,「地獄から来た悪魔と称されるインディーズ・メタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のフロントマン」として,売れに売れる。けれども,本人はこの世界にいるのが嫌で仕方がない。

● その主人公を演じるのが松山ケンイチ。対象的な2つの役を演じ分ける。大変だったろうけど,面白くもあったのではないか。もちろん,彼の演技を見るのがこの映画の眼目となる。
 もうひとつ。主人公のメタルの才能を見抜いた社長を演じる松雪泰子。「のだめカンタービレ」における吉瀬美智子にあたる役柄なのだが,それよりももっと弾けていて,もっと下品で,もっと強烈だ。松雪泰子が演じて不自然さはない。こうした役柄は演じやすいのだろうと想像する。

● 他に,加藤ローサ,秋山竜次,細田よしひこ,宮崎美子,大倉孝二ら。高橋一生も主人公の後輩役で出演している。
 音楽は服部隆之。主題歌は劇中の「デトロイト・メタル・シティ」の3人が歌う「SATSUGAI」とカジヒデキ「甘い恋人」。
 「甘い恋人」は,劇中で,主人公が自分が行きたい世界に行くために作って歌っていた曲。「お遊戯やるなら外でやれ」と強烈なダメ出しをされてしまう。

2022.09.16 坂道のアポロン

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● 再生ボタンに “もう一度見る” と表示された。ということは,この映画はすでに見ているのか,まったく憶えていないぞ,と思いながら見始めた。
 あ,これ見てるわ,と思いだしたのは,レコード店の店主である中村梅雀が出てきたときだ。
 しかし,それでその先の展開を霧が晴れるように思いだしたかというと,まったくそんなことはなくて,最後まで初めて見るように見ることができた。忘却って素晴らしい。

● 原作は小玉ユキの同名漫画。薫(知念侑李)と千太郎(中川大志)と律子(小松菜奈)の3人の高校生。この3人の三角関係とも言えない妙な関係(薫は律子が好き。律子は千太郎を想っているが,千太郎は律子を恋愛対象としていない)が通奏低音のようにあって,その上に乗って物語が進んでいく。
 一方ではジャズがある。3人の移ろいもあるはずだが,これは表に出てくることがない。

● 10年後の3人が再開して,高校生の頃と同じようにセッションを始めるところで終わるのだが,このあと,3人はどうなっていくのだろう。
 薫と律子は結婚するんだろうか。そうもそれはないような気がする。千太郎と律子は当然なく,結局,3人はそれぞれにそれぞれの人生を歩むことになるのだろう。そうして,それが自然というものでもある。

● 音楽は鈴木正人が担当。主題歌は小田和正「坂道を上って」。

2022.09.15 二ノ国

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● 「二ノ国」(2019年)はアニメ映画。その元になったのは,「レベルファイブが発売したコンピュータRPGのシリーズ。スタジオジブリが制作協力している」。
 「基本的な設定は原作ゲームである『二ノ国II レヴァナントキングダム』を中心に歴代のシリーズのものを引き継ぐが,主人公が高校生になる,主人公の暮らす世界が現代日本になるなどキャラクターを一新した完全オリジナルストーリーとなる」というのは,ウィキペディア教授の解説。

● 「現実と隣り合わせなのに全く違う“もう1つの魔法の世界”」を設定して,舞台とする。こういうの,わりと多いですかね。その2つの世界を行き来する高校生のユウと親友ハル。
 2人の幼なじみのコトナは二ノ国では王女アーシャになっている。花屋のお姉さんのサキは,近衛騎士のヴェルサだ。が,ユウとハルには,対応する人物が二ノ国にいない。その理由は最後に明らかにされる。

● 二ノ国では国の存立を賭けた大きな戦いがあって,そこにユウとハルが関わっていく。こういう場面になると,悪役の悪役度,強さが映画の成否を決めるといってもいいくらいに重要だ。
 「ワンピース」において最も魅力的な悪役はクロコダイルだった。クロコダイルが出ている編が最も面白かった。この映画ではガバラスがそれにあたる。魅力的な悪役になっている。

● ユウは山﨑賢人,ハルは新田真剣佑,コトナ(アーシャ)は永野芽郁が声を担当。ほかに,宮野真守,坂本真綾,梶裕貴,津田健次郎,山寺宏一,伊武雅刀,ムロツヨシ。
 ムロツヨシはわからなかった。エンドロールで知った。

● 音楽は久石譲が担当。主題歌は須田景凪「MOIL」。

2022年9月16日金曜日

2022.09.15 ラーメンヘッズ

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● 2018年公開のドキュメンタリー。にしては,ストーリーに乗せるようにだいぶ編集していると思える。
 テーマはラーメン道に邁進する人たちを映像に載せること。主には松戸の「中華蕎麦とみ田」の店主である「富田治への1年以上におよぶ密着取材を中心に」,いくつかの人気ラーメン店の店主のインタビューを加えている。

● 富田さんは「ラーメンほど熱狂的な信者のいる食べものはない。そのラーメンバカたちを魅了するには,作り手もそれ以上のラーメンバカ(ヘッズ)じゃないといけない」と語る。
 高校生の頃はけっこうなツッパリをやっていたようなのだが,「大勝軒」の山岸一雄に出会って,山岸に魅せられ,直ちに弟子入りしてラーメン道に踏み入れたという。
 ツッパリをしていた高校生の頃はどうだったのか知らないけれど,現在の富田さんは酒も煙草もやらない。もちろん,休日にはラーメンを食べ歩く。家族で「東池袋大勝軒」に出向く様子が映画にも収められている。「ラーメン二郎」も好きらしい。

● ラーメンは芸術だとか,ラーメンは自分の表現だと語る店主もいる。細部へのこだわりを維持できるかどうかが,ラーメン道を極めるために必要な1番目の資質になるのかもしれない。細部にこだわれないようでは,そもそも土俵に立てない。
 決して楽な仕事ではない。麺を茹でるのでも,茹で時間をはじめ,ゆるがせにできなことがいくつもある。気を張っていなければならない。
 腹がくちればいい,極端に不味くなければそれでいい,という人間には想像できないことがたくさんあるに違いない。

● あまたあるラーメン店の中で,ここまでやっているところは少ないだろう。最低賃金に近い賃金しか払わずにバイトを雇って,ほとんどバイトだけで回している店もあると思う。
 その場合,賃金以外の報酬を与えうる店主であればいいけれども,そういう店主も少ないだろうから,できては消えるを繰り返すことになる。競争激甚なレッドオーシャンだからなでもあるわけだが。

● 「大勝軒」で修行した人が暖簾を分けてもらって店を出す。そういう「大勝軒」に行ったことが3回あるが,正直,3回とも富士そばの醤油ラーメンの方が旨いと思った。
 東京駅前,KITTE地階に「松戸富田麺絆」がある。「中華蕎麦とみ田」で修行した富田さんの弟子が出した店だろうか。あるいは「中華蕎麦とみ田」の直営なんだろうか。ここははっきり旨い。だから,混んでいる。 

2022年9月15日木曜日

2022.09.14 ダンスウィズミー

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● 2019年の公開。マーチン上田(宝田明)の催眠術によって「音楽が聞こえるとミュージカルスターのように歌い踊り出すカラダになってしま」った静香(三吉彩花)が,夜逃げしたマーチンを追って,新潟,秋田,弘前,札幌と北上する。
 その過程で起こす諸々のドタバタが見もの。たとえば,静香がレストランのシャンデリアにぶら下がって,ブランコのように揺れるシーン。

● 静香の相棒になる千絵(やしろ優)の存在感。コンビニで買ったカップ焼きそばを駐車場にこぼしてしまって,そのこぼれた焼きそばを食べる演技は感動もの。
 他に,自分を捨てた男への復讐に燃える(?)洋子(chay)。興信所の調査員の義雄(ムロツヨシ)など。

● 静香も千絵も歌が上手いかといえば,そこはそれ,想像力を働かせて上手いのだと思う必要がある。が,ダンスは上手い。俳優って運動神経がいいよね。
 っていうか,そこがダメだと俳優としては立てないのかもしれない。それくらい,運動神経は重要なのじゃないか。

2022年9月14日水曜日

2022.09.13 プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード(字幕版)

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● 「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」(2017年 捷・英)。
 映画とは,どんな内容のものであっても,映画であるというだけでつまらないものはない,と思っていた。が,これはどうなのか。印象が輪郭を結ばない感じ。

● サロカ男爵(ジェームズ・ピュアフォイ)がいる。金満家でプラハの劇場の経済面を支援している。彼にそっぽを向かれたら,劇場は維持できない。
 しかし,この男爵が猟色家で,使用人の娘に次々に手を出している。陰謀家でもある。モテるタイプではないので,陰謀の助力が必要という設定。噂は街に広まっているが,彼に逆らえる人はいない。

● そこに,好色では負けていないモーツァルト(アナイリン・バーナード)がやってきた。陰謀家である男爵とは正反対で,後先を考えないトッチャン坊やだ。よく言えば直情径行,普通に言えばバカ。
 で,このクズ2人が新進ソプラノ歌手のスザンナ(モーフィッド・クラーク)を巡って対立する。

● スザンナはモーツァルトに惹かれていくのだが,その設定には無理がある。そんな女,イネーだろ。劇中のモーツァルトは売れっ子作曲家で,今で言えばアイドル的な存在になっているのだが,それにしたって恋愛対象になるような男じゃないだろ。
 一方,男爵はスザンナを家に拉致して,首を締めて殺してしまう。他にも首に痣を作る女が何人もいるので,首を締めるのは男爵の趣味(?)であるらしいのだが,スザンナに対してはモーツァルトとの関係によほど腹を立てていたのだろう,絞め殺してしまった。おいおい・・・・・・

● それで男爵はどうなったかというと,死刑を執行された。ちょっと待てよ,これで死刑にできるのなら,住民がここまで彼にひれ伏していたのはおかしいだろ。
 というような流れだ。映画では男爵は冷酷な悪玉で,モーツァルトは純情な善玉になっているのだが,これはどっちもどっちという感じなんだよね。

● 結局,モーツァルトをどうしたかったのだろうという疑問が残った。史実の制約を受ける話ではないのだから,いかようにでも造形できたはずだ。こういう思春期前期のニキビ兄ちゃんにしてよかったのか。
 ストーリーや劇中人物の造形はどうでもよくて,18世紀の欧州の上流階級の様子を描きたかったのか。あるいは,音楽を届けようとしたのか。豪華な衣装で歌うオペラを見てくれよ,舞台は本場のオペラ劇場だよ,と。

● そういうことではないだろう。結局,よくわからない,ということだね。

2022年9月13日火曜日

2022.09.12 真夜中の弥次さん喜多さん

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● 「真夜中の弥次さん喜多さん」(2005年)。原作はしりあがり寿の同名漫画。それを宮藤官九郎が脚本化し,監督も務めた。宮藤官九郎の初映画監督作品になるらしい。
 「歌・ダンス・お色気・何でもありのシュールな時代劇コメディー」ということ。弥次さん(長瀬智也)と喜多さん(中村七之助)が恋人同士という設定なので,男色シーンもあり(ソフトだけど)。しかも,喜多さんはヤク中で,途中で女性への愛にも目覚めるという。

● ハチャメチャな内容なのだが,ハチャメチャな映画にこれだけの俳優を集めたのが凄い。
 阿部サダヲ,小池栄子,柄本佑,生瀬勝久,寺島進,森下愛子,岩松了,おぎやはぎ,竹内力,板尾創路,古田新太,山口智充,大森南朋,清水ゆみ,松尾スズキ,研ナオコ,中村勘九郎,毒蝮三太夫,ARATA,麻生久美子,荒川良々,妻夫木聡,楳図かずお。
 といった多彩な面々。原作者のしりあがり寿も出演している。

● 優れた監督かどうかを決める第1要因は,いい俳優を集めることができるルートを押さえているかどうかではないのかと思うほどだ。
 あるいは,俳優との人間関係をどこまで築けているか。

● それも身体から茸が生えていたり,裸で走り回ったり,とんでもない恰好や演技をさせているわけで,本人はともかく,所属事務所を説得するのが大変だったのではないかと,素人勘ぐりをしてしまう。
 圧巻は荒川良々で,よくもまぁここまで振り切ることができるものだと感心するしかない。いやいや,かなり面白かったです。

2022年9月12日月曜日

2022.09.11 インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(字幕版)

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● 「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」(2008年 米)。インディ・ジョーンズ シリーズの第4作。
 第1作の「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」は1981年だから,27年が経過している。

● インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)も歳を取った。前作では父親(ショーン・コネリー)からジュニアと呼ばれるのを嫌がっていたが,今度はジュニアと呼ぶ側に回っている。
 「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」のヒロイン役だったカレン・アレンも出演。インディとの間にできた子どもを育ててたという設定。あらためて2人の結婚式が行われるところで終わる。大団円。つまり,これがシリーズ最終作。

● 残念ながら(?),「SPACE BATTLESHIP ヤマト」よりずっと面白い。かけてるお金が違うということもあるのだと思うが,振り切り方がアメリカ映画は凄い。ぶっ飛んでいる。
 アクションシーンも迫力がある。臨場感もある。じつはインディの息子のマット(シャイア・ラブーフ)が,並走する2台の車にまたがって格闘するシーンとか。1作目の途中まで乗れなかったのだが,そのあとはずっと面白かった。

● 前作(第3作)からも19年が経過しているが,監督(スピルバーグ),製作総指揮(ジョージ・ルーカス),音楽(ジョン・ウィリアムズ),製作(フランク・マーシャル),音響効果(ベン・バート),編集(マイケル・カーン)など主要スタッフは変わっていない,とはウィキペディア教授の解説。

● これでシリーズ全作を見ることができた(来年,5作目が公開されるらしい)。Amazonプライム様々。

2022年9月11日日曜日

2022.09.10 SPACE BATTLESHIP ヤマト

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● 2010年12月1日公開。当時の手帳を引っ張りだして確認した。ぼくは3日にTOHOシネマズ宇都宮で見ている。
 当時はけっこう熱烈なキムタクファンだったので(今もそうだが),見ないなんて選択肢はなかったのだ。

● が,半世紀以上も生きてきた人間が,こういう映画でワクワクしてていいのかと思ったり思わなかったり。
 その時からさらに12年も過ぎてしまったのかと,うたた感慨に耐えないっていうかね。

● 最後,ガミラス・ミサイルめがけてヤマトが特攻するところでは,泣きましたよ。12年前は。今回は意外にそうでもなかった。
 古代進と森雪は仕事場でイチャイチャしすぎだろうとか,ワープ中に子作りしちゃうのはマズいだろうとか,そっちの方が引っかかったりしたくらいで。

● 斎藤工も出ていたんだね。柳葉敏郎と池内博之が美味しい役で出ているが,やっぱり沖田艦長の山崎努の存在感は大きい。これはもう,沖田艦長は山崎努しかいないよなと納得させられる。
 音楽は佐藤直紀が担当。

● ジャニーズ事務所所属の俳優が主演する映画は,Amazonプライムになかなか出てこない。「マスカレード・ホテル」と「検察の罪人」はAmazonプライムで見ているが,見られるようになったのは他の映画より遅かった。
 「武士の一分」も見られるようになっているが,「無限の住人」はまだだ。「ヤマト」にしても12年かかっている。
 それでも,ともかく「ヤマト」が見られるようになったのは,事務所の弱体化の現れでもあるんだろうか。

● いずれ「無限の住人」も見られるようになるのだろう。楽しみがひとつ増えることになる。
 小さな楽しみだが,楽しみや幸せはすべからく小さなものだ。小さくない楽しみや幸せは,危険が服を着ているようなものだ。

2022年9月8日木曜日

2022.09.07 インディ・ジョーンズ 最後の聖戦(字幕版)

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● 「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(1989年 米)は,「インディ・ジョーンズ シリーズの第3作目であり,「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」の続編」ということなのだが,「失われたアーク《聖櫃》」を見ずに,本作から先に見ても何の支障もない。

● インディ(ハリソン・フォード)の父親ヘンリー・ジョーンズ役でショーン・コネリーが登場。初代の007を引退してから18年。すっかり好好爺になっている,はずがない。依然としてカッコいいんでした。
 ヒロインのエルザ・シュナイダーにアリソン・ドゥーディ。エルザはインディたちの仲間と思いきや,じつは敵方(ドイツのナチス)の人間。なんだけれども,ナチスに付いているのは便宜上の話であって,たとえばナチスが焚書坑儒的に書物を集めて焼くシーンでは涙を流す。これがどうも薄っぺらい感じがしてね。もうちょっと作りようがなかったんだろうかねぇ。
 悪の親玉のウォルター・ドノバンにジュリアン・グローヴァー。アメリカの慈善家が,じつはナチスの重役クラスの人物だったという設定。

● ドイツも,ナチスを被せられて,ずっと悪役にされている。表立って文句を言うわけにも行くまいし,少々気の毒ではある。敗戦国の悲哀の一端であるかもしれない。
 おそらく,日本も同じように扱われている場面がけっこうあるはずだ。

● キリストの聖杯を探しだすのがストーリーの縦糸。その聖杯で水を飲むと永遠の命が与えられる,と。
 東京ディズニーシーの「クリスタルスカルの魔宮」の “若さの泉” はここから思いついたものなんだろうかね。

● ジョーンズ父子と友人が馬に乗って去っていくシーンで終わる。西部劇のカウボーイのようだ。
 アメリカ人にはこのシーンが一番しっくり来るんだろうか。少なくとも,アングロサクソンにとってはそうなんだろうかねぇ。

2022.09.06 インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説

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● 「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」(1984年 米)。「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」の前日譚であり,「インディ・ジョーンズ」シリーズの2作目,というのはウィキペディア教授の説明。
 インディ・ジョーンズは前作と同じくハリソン・フォード。ヒロインのウィリーにケイト・キャプショー。どういうわけでインディとのつながりを持つに至ったのかいまいち判然としないが,インディの相棒の少年ショート・ラウンドにクァン・キー・ホイ。ベトナム人だろうね。

● 冒頭の舞台は上海。それがヒマラヤを越えてインドに辿り着き,メインの冒険というかドタバタはインドで起こる。
 こんな内容でよくインド政府が文句を言わなかったなと思う。いや,文句は言ったのかもしれない。インド政府が自国内での撮影を拒んだらしいから。ので,ロケはスリランカで行われた。
 上海の場面はマカオの福隆新街で撮ったらしい。

● 少年のショート・ラウンドが機転を利かせて大活躍。インディは何度も少年に助けられる。
 最後の鉱山で繰り広げられるトロッコ・チェイスが東京ディズニーシーの「クリスタルスカルの魔宮」のモデルになったんですかね。“若さの泉” は出て来なかったけどね。

2022年9月7日水曜日

2022.09.05 インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》

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● 「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」(1981年 米)。40年も前になるのか。
 原作というのか原案はジョージ・ルーカスとフィリップ・カウフマン。監督はスティーヴン・スピルバーグ。脚本はローレンス・カスダン。そして,音楽はジョン・ウィリアムズが担当した。まさしくキラ星のごとし。
 ジョーンズにハリソン・フォード,相棒となる女性・マリオンにカレン・アレン,適役のベロックにポール・フリーマン。

● ウィキペディア教授によると,「本作は全世界で約3億3,050万ドルの1981年の最高興行収入を記録し」,「アカデミー賞5部門,サターン賞7部門、BAFTA賞1部門を受賞した」。
 「史上最高の映画の一つとされており,大衆文化に永続的な影響を与え、いくつかのメディアで多くの模倣作品を生み出し,他の映画製作者にも影響を与えている。米国議会図書館は1999年にこの作品をアメリカ国立フィルム登録簿として保存することを決定した」。

● 007も顔色を失うのではないかと思うほどのアクションシーンが絶え間なく続く。
 ジョーンズ博士はスーパーマン以上のスーパーマンだ。考古学者であり,拳闘家であり,カウボーイでもあり,F1レーサー並みの運転技術を持ち,危険の予知能力やサバイバル能力も世界で随一だ。冷静沈着。最後まで諦めず,状況を打開する方法を考える。そうして奇跡を呼ぶ。
 要するに,色々詰めこんだ娯楽映画になっている。

● ドタバタと,ユーモアと,え,そんなのあちなのかよ,と言いたくなるご都合主義的な場面転換が,スイカにかける塩の役割を果たす。
 アメリカ人はこういうのが好きなのか。日本人はどうだろ? これについていけますか? 後半は本当に面白かったのだが,前半は何だか間延びしちゃってる感じもしてね。

● インディ・ジョーンズといえば,ぼくは東京ディズニーシーのアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」しか思い浮かばない。
 小さかった頃の息子が好きで(センター・オブ・ジ・アースとレイジングスピリッツは怖くて乗れなかったが,クリスタルスカルの魔宮にだけは乗れた),かなり乗った。1日に何回も乗った。
 そんなことを思い出しながら,この映画を見た。クリスタルスカルの魔宮につながるシーンは,この映画にはなかったようだ。

2022年9月3日土曜日

2022.09.02 映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021

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● 今年(2022年)の3月4日に公開。当初は2021年3月5日公開予定だった。コロナによって1年間の延期を余儀なくされた。
 長編シリーズの第1作である「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」(1985年) のリメイク作品。「映画ドラえもん」シリーズ通算第41作目。

● ピリカ星から地球にやってきたパピとのび太たちが,ピリカ星に行ってパピを追放した悪者たちと戦う。善対悪の戦いで善が勝つ。大衆も立ちあがって善につく。ストーリーは非常にわかりやすい。
 子供が見る映画だとしても嘘を教えていいのか,という意見もあるかもしれない。が,この映画の肝はそういうところにあるのではなくて,言うなら冒険譚なんだよね。
 冒険者の中にも勇敢な者もいれば臆病者もいる。知恵者もいれば直情径行な者もいる。しかし,結局,首尾よく果たして帰還するという冒険譚。

● パピの姉のピイナの声を松岡茉優が,悪玉の総帥ギルモアの声を香川照之が,それぞれ担当。

● 何も考えないでいられるこういうアニメ映画が,ぼくにはピッタリ。「映画ドラえもん」と「劇場版 名探偵コナン」は,Amazonプライムのおかげで全作品を見れた。「クレヨンしんちゃん」も然り。
 「ワンピース」はあまり見てない。どういうわけか,劇場版はあまり面白くないんだよね。

2022年9月2日金曜日

2022.09.01 のだめカンタービレ 最終楽章 後編

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● 「6月になってからバッタリとAmazonプライムで映画を見なくなった」のだが,その状態が継続し,8月はついに1本も見ないで終わった。
 理由の1つは家で音楽を聴く時間が増えたこと。1日数時間になっている。主にはNHK-FMの番組を「らじる★らじる」の聴き逃し配信で聴く。
 昨年はゼロだった。オーディオ機器をウォークマンしか持っていなかったからで,ウォークマンを使うのは外を歩いているときだけだ。家では聴かない。

● 変わったきっかけはダイソーでBTスピーカを買ったこと。千円のスピーカを2台。2台並べるとステレオ再生してくれる。ぼくの耳だと,音質はこれで充分だ。SONYやBOSEの高価なスピーカがほしいとは思わない。
 というわけで,時間がなくなったってことがあるのさ。8月はフェスタサマーミューザのネット配信もあったので,特に忙しかった(?)のさ。

● もうひとつ。県民旅割に目がくらんで,東京や神奈川のホテルに泊まりまくっていたからだ。ホテル泊だと日々のルーティンは途切れてしまう。
 それが続くと,ルーティンに復帰するのに苦労することになる。歳を取ると一層そうだ。皆さんもあと何十年か経つと,身体でわかることになるだろう。

● 「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」(2010年)。上野樹里にとっても, 玉木宏にとっても,これは代表作になった。本人たちにすれば,これだけじゃないよと言いたいだろうが,上野樹里が一番きれいだった頃,玉木宏が一番カッコよかった頃だからね。
 どうしたって代表作になってしまいますよ。ヒットもしたしね。

● ギャグありポップありで,青春映画,音楽映画というよりも,ドタバタ映画の趣もある。そこに軽めのシリアスがミックスして,肩のこらない娯楽映画に仕上がった。
 パリやプラハが舞台なのに,現地人も日本語を話す。これも軽さに寄与しているでしょうねぇ。

● 重要な小道具はラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」。生でも聴いたことがあるが,けっこう難解というか,万人受けする曲ではないような気がした。
 と,評論家を気取っていないで,CDで聴き直してみることにしよう。何といっても野田恵が千秋先輩と一緒にやるのはこれしかないと決めた曲だからね。

2022年7月25日月曜日

2022.07.24 のだめカンタービレ 最終楽章 前編

Amazonプライムビデオ

● 6月になってからバッタリとAmazonプライムで映画を見なくなった。過去にも同じような時期があったので,まぁこういうこともあるさと思っているけど。
 今日は久しぶりに(6月7日以来)Amazonプライムビデオを見た。「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」(2009年)。

● 映画館で一度見て,次に音楽ホールで上映されたのを見ている。今回が3度目。
 副題は「上野樹里が最もキレイだった頃」。というのはもちろん嘘で,彼女は今でもキレイだからね。

● この映画の功績の1つは,ベートーヴェンの交響曲第7番を日本国内においてスターダムに押し上げたことだが,ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」をエンディングテーマに使うなど,クラシック音楽ファンを一時的にでも増やした。が,その “のだめ効果” もとっくに切れて,元に戻っていると思う。
 というか,それ以前からクラシック音楽の受容者は大衆化していて,だからこそ「のだめカンタービレ」がここまでヒットしたのだとも言える。

● 上野樹里をはじめ,俳優陣が三枚目になってユーモラスなシーンを演じるのが,この映画の肝。次にのだめの純情。
 あと,恋愛は女性が引っ張らないとなかなか上手くいかないものだと教えているような。逆にいうと,女に目をつけられたら,男はなかなか逃れられないものだ。恋愛に関しては,男は浅く,女は深い。浅い側が太刀打ちできるはずがない。そういうことも描いているのかなぁ,と。

2022年7月16日土曜日

2022.07.15 宇都宮市立視聴覚ラ イブラリー 20世紀名画座 「ブロードウェイ・メロディー」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 今週は梅雨に戻ったような天気が続いている。今日も強くはないが雨が降っていた。こういうときは外出なんかしないで家にいるのが,隠居暮らしの役得というものだが,電車にのって宇都宮にやって来た。
 老人ホームを彷彿させる,気が滅入るほどに年寄りだらけの空間に身を置くことにしたんだけれども,この天気とあって,会場には数人しかいなかった。役得を存分に活用した爺婆が多かったようだ。

● 1929年のアメリカ映画。大恐慌の端緒になる株の暴落が起こった年なのだが,株の暴落が大恐慌の理由ではない。株式市場にそんな力はない。実体経済が危険な兆候を示したので,それを株価が反映しただけだ。どういうわけか人の目に明らかになるまえに株価が動くので,株が原因のように言われるが,あくまでも実体経済の問題。
 とまれ,この映画が撮影されたのは大恐慌の前の幸せな時期だったと思われる。

● 西部から踊り子としての成功を夢見て,ニューヨークにやってきたを抱いてブロードウェイにやってきたハンク(ベッシー・ラヴ)とクィニー(アニタ・ペイジ)の姉妹と,ハンクの婚約者(ハンクはまだOKの返事をしていないという設定なのだが)であるエディ(チャールズ・キング)の3人が主要な登場人物。
 あろうことか,エディが妹のクィニーに気持ちを移してしまう。クィニーは姉のために姉とエディから離れようとする。そうとは知らないハンクは,そんなクィニーを責める。
 で,結末はというと,これがどうにも・・・・・・。

● ウィキペデイア教授によれば,「世界初の全編トーキーによるミュージカル作品」。3人の三角関係が見どころなのではなくて,ミュージカルの場面が楽しみどころなのだと思うのだけれども,踊りのレベルはそんなに高くない。ショーガールには見えない。
 「ブロードウェイ・ミュージカルの優秀な人材がハリウッドへ流入する以前の作品であるため,レビューシーンが素人めいた出来映えに見えるのも致し方のない所とされる」と,ウィキペディア教授は説明している。

● 約1世紀前のアメリカ映画を,こうして100年後の日本の名もなき年寄りたちが見ている。映像を残せるって凄いことなんだなぁと思うんだよね。
 いかに科学技術が進歩しても,タイムマシンは想像上の機械にとどまるだろうが,たとえ映像であっても,100年前に生きていた俳優たちが演じている映画を見ることができるのは,100年前に行けるタイムマシンを持っているのとそんなに変わらないような気がする。

2022年6月17日金曜日

2022.06.17 宇都宮市立視聴覚ライブラリー 20世紀名画座 「我が家の楽園」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 1938年のアメリカ映画。原作はジョージ・S・カウフマン&モス・ハートの戯曲。
 昭和13年にこういう映画を作っていたのか,アメリカは。今見ても全然古くない。もちろん,劇中人物が乗る自動車はクラシックカーだし,街並みや街路の様子は今とは違うわけだが,それ以外はほぼ違和感を感じない。
 アメリカ人はこの頃にはすでにタイプライターで文書を作っていたのか,という驚きもあり。

● ハッキリとした主役はいない。アリスのジーン・アーサー,トニーのジェームズ・スチュワート,バンダーホフのライオネル・バリモア,カービーのエドワード・アーノルドの4人が主役格。
 この中で最も存在感があるのは,体型ゆえかもしれないのだが,エドワード・アーノルド。

● 当代のコメディアンも出演していて,随所にお笑いがある。コメディでもあるところが,古さを感じさせない理由のひとつかもしれない。
 何が幸せか。何を幸せと感じるか。それも時代の制約を受けるものだと思うのだが,その掘下げ方も現代にジャストフィットする。それも古さを感じさせない理由だろう。

● ラテン気質 vs サクソン気質 の対決のドラマというわけではないのだが,ワーカホリックのカービーとそこから降りたバンダーホフの対比がひとつにはある。
 その頃のワーカホリックなど,今から見ればノンビリしたものではなかったかと思うのだが,劇中には現代と変わらないストレスに見舞われるカービーがいる。
 最後は,カービーはバンダーホフの軍門に降り,それをみて観客は拍手喝采することになる。あるいは,良かった良かったと胸をなでおろすことになる。

● さて,会場は気が滅入るほどに年寄り臭い(→ おまえが言うな)。見事に年寄りばかりだ。後期高齢者が多い。金曜日の昼間に映画を見に来れる人は年寄りしかいないだろうし,こういう昔の映画を若い人は見ないのだろう。
 昔は見る若者がいた。インターネットはおろか,DVDもビデオテープもなかったから,名画座が成り立った。
 とはいえ,この映画は見れて良かった。家で1人で見るのではなく,他の人たちと一緒に大きな画面で見るという見方で見れて良かった。

2022.06.17 宇都宮市立視聴覚ライブラリー 日本映画劇場 「きみが輝くとき」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 1985年の公開。「片腕のないハンデを克服して,サッカーに熱中する少年の姿を描く」。原作は田中館哲彦『燃えろ! キッカーズ』。実話であるらしい。
 といっても,実話なのは片腕のないサッカー少年の存在だけであって,それ以外の登場人物は作者の想像力が作った群像だろう。

● 片腕のない少年,岡島進を実際に片腕のない少年(西山剛史)が演じている。その両親が香山美子,高橋長英。祖父が三國連太郎。
 進と親交を結ぶことになるのが,西原由加(佐々木美和)と河村虎一(増山良久)。由加の両親が藤田弓子と伊東四朗。虎一の両親が池波志乃と川谷拓三。
 他に,田中隆三,田中美佐子,菅井きん。なかなか以上の豪華キャストと言っていいだろう。

● 悪人は出てこない。みんないい人ばかりだ。そうした人に囲まれて,進はテームのレギュラーまで育っていくのだが,片腕のない進より過酷かもしれない環境にいるのが,虎一。
 父親がどうしようもないヤツで2回夜逃げをする。これでよくサッカーを続けていたなと感心する。

● そのどうしようもない父親をとことんどうしようもないようには描いていないのがこの映画の特徴のひとつで,そのために虎一の救いのなさは表面には出てこない。
 出したのでは主役を喰ってしまうことになるけどね。そうじゃなくてもけっこう喰っているので。

● 三國連太郎は自分が興した中小企業のオーナー社長役。
 「釣りバカ日誌」シリーズは1988年に第1作目が公開されるのだけれども,三國連太郎にスーさん役の白羽の矢が立ったのは,ひょっとして制作陣がこの映画を見ていて,彼しかいないとなったものでしょうかねぇ。

● DVDではなく16mmフィルムを使っての上映だった。フィルム交換が2回あった。懐かしい。
 2回目の交換の際,何をやっているんだと文句をつぶやいたジジイがいて,鼻白むことにもなったけれど。