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「ほぼ無名のキャスト&スタッフながら,日本各地の映画祭で上映されて人気を博したインディーズ映画が満を持して劇場公開」ということのようだ。
● 舞台は群馬県の藤岡市。主人公の女性は29歳。市役所の市民課戸籍係で働いている。5年間彼氏なし。父親と2人暮らし。が,弟の結婚宣言をきっかけに,このままでいいのかともがき出すというストーリー。
「アラサーの独身女子の等身大の悩みを丁寧にすくい取る」とか「今後を左右する大問題に直面し,翻弄されていく」と言うんだけれども,婚活を始めてみたもののというところで終わる。
● 女性の20代は悩みに満ちているというのはしばしば聞く。男は40代で自分の行く末が見えてくる。会社で自分はどこまで行けるのか(行けないのか)。自分の人生はこの程度だったか。そこで後悔まみれになって,もがく人も出てくる。その自分を見切るという作業を,女は20代でやらなければならない。
だから40代の男と20代の女はけっこう気が合うものだ,と。つまり,同じ悩みを悩んでいるから。人生に対する真剣度も似ているのかもしれない。
● 会社人生は人生の一部に過ぎない,あまり大げさに考えるな,とは,その年齢になってから気づくことなのであって,青壮年にそれを求めるのは無茶というものだろう。
また,あまり若いうちにそういうことに気が行っているようでは,今に没頭できていないということになるかもしれない。つまり,真剣度が足りないという。
● ので,主人公の姿勢をぼくがどうこう言うのも何だか。
ただ,正面から対峙してしまうと,たいていの場合,あまりいい結果を生まないように思う。正面から対峙≒真面目≒視野狭窄⇒いい結果がでない,という流れがあるようなね。
● どうせ時間が解決すると達観して,軽くいなすようにできれば,それが一番いいんじゃないのかなぁ。
真面目がいい,真剣がいい,逃げちゃダメだ,はぐらかしちゃいけない。そういう態度は成熟度の低い子どものもの。
そもそもが,悩むっていうのは,その対象に負けているっていうことであって。そこまで言ってしまうと,問題の基盤まで崩してしまうことになりそうだけど。