2021年10月8日金曜日

2021.10.08 ジェームズ・ボンドとして

Amazonプライムビデオ

● 「ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドとしての15年間の軌跡を率直に振り返る。「007」のプロデューサーであるマイケル・G・ウィルソンとバーバラ・ブロッコリと対談,未公開映像を交えつつ,クレイグが自身の思い出を語る」。47分のドキュメンタリー(といっていいんだろうか)。
 最新作「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」に誘導するためのプロモーション動画でもあるわけだろうが,これ単体でも面白い。

● ダニエル・クレイグが6代目ボンドに抜擢されることが決まったときの,映画ジャーナリズムやファンの反発。これはもうお約束のお家騒動のようなもので,大衆はもとより,場の中心近くに位置している人でも,現在と近未来は見えないものだということ。見えてないくせに声高に語る。
 大衆がそうであるのは仕方がないが,業界の内部にいる人間の多くもそうなのだね。

● それを跳ね返して,第1作の「カジノ・ロワイヤル」が絶賛を浴びた。次の「慰めの報酬」では脚本家がストライキを起こしたらしい。
 その理由や経緯については,ダニエル・クレイグもバーバラ・ブロッコリも多くを語らないのだが,そんなことがあったらしいのだ。で,撮影は見切り発車で開始した由。

● 「スペクター」ではダニエル・クレイグが足を骨折するという大怪我をした。が,それをおして撮影を続けたらしい。なぜ歩けるのか不思議だと医者に言わせる状態で,やりきったということ。
 多少は美談仕立てになっているのかもしれないとしても,役者魂ここにあり,じゃないですか。それくらいの激しいシーンがたしかにあるもんね。というか,そういうシーンのオンパレードだ。

● 最新作がお座敷に出るおかげで,過去の全作品をAmazonプライムで見ることができる。もちろん全部見るつもりでいるのだが,最新作を含む25作品のうち,3代目のロジャー・ムーアが7作品に,初代のショーン・コネリーが6作品に出演している。
 ダニエル・クレイグはそれに続く5作品。が,かつての「007」は1年に1作くらいの頻度で作成していたから,ロジャー・ムーアがボンドでいたのは12年,ショーン・コネリーは9年だ。ダニエル・クレイグは最長の15年。

● ぼくはまずダニエル・クレイグのボンドを「カジノ・ロワイヤル」から見て,ショーン・コネリーの第1作から順に見ているのだが,単純に第1作から見始めて,ダニエル・クレイグのボンドを後に残しておいた方が良かったかもしれないと思っている。
 まぁ,もう一度見ればいいだけのことだと思うんだけどね。