2017年12月23日土曜日

2017.12.23 宇都宮市立視聴覚ライブラリー 日本映画劇場 「続・丹下左膳」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 持てば人を斬りたくなるという妖刀「乾雲」と「坤龍」。「乾雲」は左膳(大河内傳次郎)が持ち,「坤龍」は諏訪栄三郎(三田隆)の手にある。
 左膳にはお藤(水戸水子)が,栄三郎にはお艷(山本富士子)が,それぞれ慕い人として花を添える。
 監督はマキノ雅弘。

● 1953年の映画。この時期,映画は贅沢な娯楽だったはずだ。しかも,都市部(というか,街場)に住んでいる人たちの。
 大方の人には高嶺の花であったろう。その分,映画や映画館はキラキラと輝いていたに違いない。
 それを思えば,今はいい時代になった。映画は完全に庶民の娯楽になった。だからといって,最近の映画は質が落ちたということは(たぶん)ない。

● しかも,その時代の映画がDVDになって,家庭でも見ることができる。ぼくらは昔の大名以上の贅沢を味わっているのだろうね。
 ま,しかし,贅沢や幸せというのは,他人との比較を前提にした相対的なものであるようで,なかなかその贅沢に満足できないものではあるのだけど。

● でも,本を読みたければ図書館が,映画を見たければこういう無料の上映会が,音楽を聴きたければやはり無料のコンサートがある(主にはクラシック)。っていうか,CDもDVDも近くの図書館で借りられる。
 「健康で文化的な最低限度の生活」と日本国憲法が言うときの「文化的」には,映画や音楽や読書といった含意はないと思うけれども,そうした生活をしようと思えば,それ自体には1円も使わずとも実行できる環境が整っている。これはやはり,現代を生きるありがたさのひとつといっていいだろう。

● ぼくが子どもの頃は,丹下左膳は現役のヒーローだった。少年雑誌(少年マガジンとか少年サンデーとか)の表紙を丹下左膳の挿絵が飾ることがまだあったと記憶する。
 だものだから,この映画,自分が生まれる前のものではあるんだけども,古いという感じはあまり受けない。