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2021年10月14日木曜日

2021.10.13 ムーンレイカー

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● 1962年に第1作「ドクター・ノオ」が公開されて17年,11作目は「ムーンレイカー(字幕版)」(1979年)。監督は前作「私を愛したスパイ」に続いて,ルイス・ギルバート。
 ウィキペディア教授によると,「ムーンレイカー」とはバカという意味のイギリス英語の古典的隠語。元々は「水面に写った月(ムーン)を熊手で掻き寄せよう(レイカー)という馬鹿な真似をしたイギリスのウィルトシャー州の人」のことを指す言葉だったらしい。
 が,この映画のムーンレイカーはスペースシャトルに付けられた名前。

● 1977年の「スター・ウォーズ」の成功は衝撃的だったようだ。世界的なSF映画ブームをもたらした。007も宇宙を舞台にすることになった。「そのため,ボンドの数多い冒険の中でも最も荒唐無稽なものとなった」というのも,ウィキペディア教授の説明。
 しかし,この荒唐無稽さは毎回のことであって,あくまで程度の差にすぎない。

● オープニングで「ボンドがパラシュート無しで飛行機から突き落とされ,敵のパラシュートを奪い,ジョーズから逃げるシーン」があるのだが,この撮影では「CGはおろかVFXすら使用しておらず,全て実写で撮影」したという。
 嘘だろと思った。もちろんスタントがやっているんだろうけど,カメラマンがね。想像を絶しますよ。

● 宇宙に舞台が移る前は,イタリアのヴェネツィア,次いでリオデジャネイロでのロケ。毎回のことだが,サービス満点の映像になっている。イグアスの滝やアステカの遺跡も見ることができる。
 今回のボンドガールはグッドヘッド博士のロイス・チャイルズ。劇中のグッドヘッド博士は歴代のボンドガールの中で最も精悍な職業レディだ。

2021年10月13日水曜日

2021.10.12 私を愛したスパイ

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● 「私を愛したスパイ(字幕版)」(1977年)。
 シリーズ10作目のこの映画は「世界中で大ヒットを記録したボンド映画でも屈指の超人気作」とのこと。ウィキペディア教授によると,「前作の2倍の1400万ドルの製作費をかけた超大作となった本作は,世界興行成績も前作の約2倍の1億8540万ドルとな」ったらしい。
 ただし,「1977年の映画は強豪がひしめき,「スター・ウォーズ」(7億9800万ドル),「未知との遭遇」(3億380万ドル),「サタデー・ナイト・フィーバー」(2億8540万ドル)に次ぐ第4位に留まった」。「サタデー・ナイト・フィーバー」はこの年だったのか。

● 監督は「007は二度死ぬ」以来のルイス・ギルバート。ガイ・ハミルトンが監督した前作「黄金銃を持つ男」と同様に,コミカルなドタバタアクション映画という趣。
 潜水艦にもなる自動車が登場する。海に潜ったときに,どうやって酸素を供給していたのかは不明。

● エジプトのカイロなのに,大きなテントが登場する。数人の美女が侍っている。そこに,ベドウィンの格好をしたボンドが入っていく。アラビアンナイトか。サービス精神の発露なのだろうねぇ。
 迎えた友人との会話によって,ボンドがケンブリッジの卒業生であることが明らかになる。

● ボンドガールはロシアのスパイであるアニヤを演じたバーバラ・バック。このとき30歳か。芳潤な色気というか何というか,見事な体型です。

● この映画はひょっとすると,テレビの地上波放送で見ているかもしれない。最後のシーン,ボンドとアニヤがイチャイチャしているところを上層部スタッフに見られてしまうシーンに既視感があったので。
 が,そこ以外はまったく記憶に引っかかっていない。地上波を見ているときにザッピングしてて,たまたまそのシーンだけを見たのかもしれないけれど。

2021年10月1日金曜日

2021.10.01 007は二度死ぬ

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● 007シリーズ5作目の「007は二度死ぬ(字幕版)」(1967年)。日本が舞台。
 日本がどう描かれているかは気になる。当時,日本が西洋人にどう映っていたのか,あるいは制作側が日本をどう見せたかったのか。

● ジェームズ・ボンドが日本に来てまず訪れたのは国技館。当時の横綱佐田の山が出演。ます席でちょこっと相撲を見て,ホテルに移動する。何のために国技館に来たのかはよくわからない。
 相撲を画面に入れるためなのだが,劇中での展開からは必要のないものだ。今回のボンドは時間が限られた中での任務ではあるんだけれども,けっこう暇そうなのだ。

● 次に行ったのはホテル。どこに泊まっているのかと効かれたボンドが「ヒルトン」と答えるシーンがあった。
 実際に当時のヒルトン,現在のキャピトル東急が使われていた。この地にヒルトンが開業したのは1963年だから,できて間もない頃に撮影したわけだ。

● そこで,日本でボンドをアシストするタイガー田中(丹波哲郎)と風呂に入る。湯女が何人もスタンバっている。このサービス,なかったわけじゃないよ,たしかにね。
 田中はボンドに「日本では男が先で女は後。イギリスでは違うのか」と言う。男にとっての桃源郷として,日本は描かれているわけだ。

● その昔,日本の男は世界では相手にされないが,日本の女は世界のどこへ行っても通用する,と聞いたことがあるのだが,その含意はこういうことだったのかと思った。
 これ,今でもあるのかもしれない。外国の阿呆な男たちは,日本女性は従順で自分を立ててくれると思っているのではないか。
 そこまでの阿呆はそのままにしておくしかないが,彼らも実際に日本に来てみれば,この世に桃源郷などないことを思い知るだろう。

● 今回の敵もスペクターのブロフェルド。が,日本の「大里化学工業」が関わっている。大里社長はブロフェルドの部下という設定。
 ボンドはその大里化学工業に赴くのだが,撮影に使われたのはニューオータニ。

● 東京はここまでで,次は神戸に移る。
 ボンドは田中によって日本人の格好をさせられ,忍者の訓練を受けることになる。しかも,日本女性と偽装結婚して日本人になりきって(ここのロケ地は鹿児島県坊津),敵のアジトがある島に渡る。
 これも意味がわからない。イギリスの秘密諜報員がいまさら忍者の訓練をしてどうなるのか。そんなことをしてないで,サッサと乗り込めばいいじゃないか。時間がないんだろ。しかし,そうも行かない大人の事情があったのだろう。

● ボンドは日本人っぽい顔と髪型になって(ここでのショーン・コネリーはかなり丁寧に日本人の所作を真似ていた),忍者の訓練を受けるのだ。
 柔道着の忍者や剣道着の忍者,袴をつけて日本刀を振り回す忍者など,いろんな忍者がいる。

● ボンドと偽装結婚したのがキッシー鈴木(浜美枝)。ボンドはキッシーの案内でアジトに近づくのだけれども,どういうわけかキッシーはずっと水着なのだ。昔はセパレーツと言ったんだっけな,要するにズロースビキニ。
 けれども,どう考えたって水着じゃない方が何かと動きやすいはずなのだ。
 というふうに,日本は描かれていた。今ならさすがにこういう描き方にはなるまいと思うのだが。

● ヘリコプターの戦闘シーンは迫力があった。が,この時期の「007」はアクション映画というよりも,お色気ありのコミカルありの,ときにバカバカしさありの,大人の総合娯楽映画といった色合いが濃いように思える。

● 今回のボンドガールは浜美枝の他に若林映子。ショーン・コネリーとの見た目の相性は若林映子の方がいいような気がした。
 若林が演じるアキが殺されて間もないのに,ボンドはキッシーとイチャイチャ始めるわけだ。ちょっとは喪に服せよ。そういう映画だってのはわかるんだけどさ。

● 丹波哲郎もこの頃は若かった。半世紀以上も昔なんだからね。
 駆けだしのチンピラ感もちょっとある。今で言うと佐藤健のような。ま,佐藤健とは違うんだけどさ。

● 丹波哲郎も若林映子も浜美枝も流暢に英語を喋るのだが,吹き替えているかな。どうだろ。
 丹波哲郎がここまで英語を操るとはちょっと思えないな。喋るとしてもカタカナ英語だろうという決めつけを持ってしまいがちだよ。