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2025年5月29日木曜日

2025.05.28 ヤッターマン

Amazon Prime Video

● 1970年代のタツノコプロ製作の人気アニメであったらしいのだが,見た記憶はない。それを実写化したもの。
 ので,ヤッターマンに接するのは,今回が初めて。劇場公開日は2009年3月。

● 「ヤッターマン1号に櫻井翔,2号に福田沙紀。ライバルのドロンジョに深田恭子。4つ揃うとなんでも願いが叶うというドクロストーンめぐる,ヤッターマンとドロンジョ率いるドロンボー一味との戦いを描く」というものなんだけど,徹底的なナンセンスドタバタ。
 そこに,ちょっとホロリとさせる要素を入れ込んで,娯楽映画に仕立てている。いや,面白かったですよ,これ。

● 出演は他に,生瀬勝久,ケンドーコバヤシ,岡本杏理,阿部サダヲ。
 「ドラえもん」で長くのび太を担当した声優の小原乃梨子さんも。

2022年3月4日金曜日

2022.03.03 ラプラスの魔女

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● 「ラプラスの魔女」(2018年)。原作は東野圭吾の同名小説。
 ただし,原作に忠実に映画化したわけではないらしい。らしいというのは,ぼくは原作を読んだことがないからだ。
 かつて「第三の新人」と呼ばれた人たち(吉行淳之介,遠藤周作など)の後の小説家の作品は,村上春樹も含めて,ほとんど読んだことがない。

● 主役は櫻井翔なのだが,広瀬すず,福士蒼汰,豊川悦司が展開を作っていく劇中人物を演じる。他に,志田未来,玉木宏,リリー・フランキーなど。
 広瀬すずが出るとなっては,他の俳優はみな喰われてしまう。櫻井翔も福士蒼汰も豊川悦司すらも,霞んでしまう。そういう意味では,広瀬すずを見るためにある映画とも言えるのだが,そう言ってしまっては彼女が出ている映画はすべて彼女を見るためにあることになってしまう。

● 映画の終盤で,甘粕謙人(福士蒼汰)が父親(豊川悦司)に言う少し長い台詞。
 この世界は一部の天才やあなたのような人間たちに動かされているのではない。人間は原子だ。一見,何の変哲もなく,価値もなさそうな人々こそが,重要な構成要素だ。ひとつひとつは凡庸で無自覚に生きていたとしても,集合体となったとき,劇的な物理法則を実現していく。
● この映画はこのことを伝えたくて作られたのかと思うほどなのだが,それだけで2時間の映画を作れるはずもなく,何かを言いたいために作られた映画は,ドキュメンタリーのようなものを除けば,おそらく過去にはなかったし,これからもないのではないかとも思う。
 このあたりは,何ともわからないが,伝えたいメッセージがまずあって,それを伝えるためには何をどう作ればいいかと考えて,映画作りをする監督はまずいないのではあるまいか。

● いや,おもしろい映画だった。ここから芋づる式に次を示してくれるのが Amazonプライムのいいところで,おかげでしばらくは見たい映画に不自由しなさそうだ。
 最近,本を読まなくなったなと思っていても,面白ければ一気通貫で読めるものだし,面白い映画は次々に観ていけるものだ。

2021年12月12日日曜日

2021.12.11 風に立つライオン

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● 「風に立つライオン」(2015年)。ウィキペディア教授によれば,まず,さだまさしが1987年に発表した楽曲「風に立つライオン」があって,それに感銘を受けた大沢たかおが,「聴けば聴くほど,歌われた人物について知りたくなる。この歌の世界を映像で見たい,できるならば自分で演じたい」と,さだに映画化を視野に入れた小説(原作)の執筆を直談判し制作されたものである由。
 「大沢の依頼に対してさだがなかなか企画を進めなかったため,大沢は自分でアフリカのドキュメンタリーの仕事を引き受け,それをさだに見せることで本気度をアピールした」ようでもある。

● 「2014年11月に長崎県で撮影がクランクインし,その後はケニアのナイロビで撮影を行っ」た。「敢えて南アフリカのように撮りやすい場所を選ぶのを避けて,ケニアロケを敢行」。「ホテルから撮影現場までは護衛が付き,全員が予防接種を受けて撮影に臨んだ」という。

● さだまさしの楽曲は「ケニアで国際医療活動に従事した実在の日本人医師・柴田紘一郎氏をモデルに」したものだが,映画は東日本大震災を絡ませるなど,フィクション仕立てになっている。

● 主演は大沢たかお。共演は石原さとみ,真木よう子,石橋蓮司。
 特に石原さとみでしょ。よく木村拓哉は誰を演じてもキムタクだと言われるが,石原さとみも誰を演じても石原さとみだ。
 が,そんなのはあたりまえであって,そうじゃない人がいるのかと訊きたいくらいだ。その石原さとみが演じるワカコがちゃんとワカコになっているのが演技の妙というものだ。
 石橋蓮司は今年80歳になる。撮影時は72歳か。そうとわかって見ると,若々しいというかカッコいいなと思う。

2021年11月19日金曜日

2021.11.18 土竜の唄 香港狂騒曲

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● 「土竜の唄 香港狂騒曲」(2016年)。「土竜の唄」第2作。
 底抜けに面白い。宮藤官九郎の脚本の功績が大きいんですかねぇ。

● 今回の初出場組では古田新太が重要な役どころ(破門されたヤクザ)なんだけれども,凄かったのは菜々緒。
 ここまでやらせるのかと思ったし,ここまでやるのが女優なのかとも思った。全裸になるより恥ずかしいのじゃないかと思うんだが。

● まぁ,それを言うなら仲 里依紗もそうだし,だいぶ濃度は薄まるんだけども本田翼もそうだ。女優陣にここまでやらせることで成立している映画でもある。
 生田斗真もすごい。さすがにスタントも使っていたはずだけど。

● 明日公開される「土竜の唄 FINAL」にも菜々緒は出演しているし,第1作で存在感を放った岡村隆史も出るようだ。ということでどうしようか。映画館に見に行くか,Amazonプライムに下りてくるのを待つか。
 主題歌は関ジャニ∞「NOROSHI」。

2021年11月18日木曜日

2021.11.17 土竜の唄 潜入捜査官REIJI

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● 「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」(2014年)。原作は高橋のぼるの漫画。監督は三池崇史,脚本は宮藤官九郎。
 2年後に「土竜の唄 香港狂騒曲」が公開された。3作目の「土竜の唄FINAL」が明後日,公開になるっぽい。

● 主演は生田斗真。彼が演じる菊川玲二はダメ警官という設定なのだが,肝は太いし,度胸はあるし,喧嘩も強い。その玲二が暴力団の潜入捜査を命じられ・・・・・・。
 そこから先は徹底的にドタバタ。テンション高く進行するエンタメ映画。

● そのテンションの高さを,元ヤンキー風貌(11歳でジャニーズ事務所に入っているのだから,ヤンキーをやってる暇もなかったろうが)の生田斗真が体当たり熱演。脇を堤真一,山田孝之,仲 里依紗,遠藤憲一,岡村隆史らが固めている。
 主題歌は関ジャニ∞「キング オブ 男!」。

2020年4月12日日曜日

2020.04.12 交渉人

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● もうひとつの「交渉人」(2003年)。原作は五十嵐貴久の推理小説。WOWOWのドラマWとして作成されたもの。
 三上博史,鶴田真由,佐野史郎がそれぞれ持ち味を発揮。

● ぼくは鶴田真由を見たかったんですけどね。演技を感じさせない演技というか。抑えているのか遠慮しているのか。いや,抑えても遠慮してもいないのかもしれないけどさ。

2017年4月30日日曜日

2017.04.29 無限の住人

TOHO CINEMAS 宇都宮

● そうです,木村拓哉主演「無限の住人」の今日が封切り日なのですよ。今日中に観るぞ,と思っていた。
 自分はまだ観てないのにすでに観た人がいる,という日が1日でもあるのは,我慢できん。そう,今日のうちに見るのだ,ゼッテー。

● というわけで,今日最後のレイトショーにはなったけれども,観てきましたよ。「武士の一分」もそうだったし,「SPACE BATTLESHIP ヤマト」も封切日に見たんだったかな。
 
● 主演が木村拓哉となれば,ある程度の売上げは最初から見込めるというか,話題性には事欠かないから,いくつかの雑誌がこの「無限の住人」についての木村君のインタビューを記事にしている。
 それらの多くをぼくは読んでしまっていて(→たとえば,こちら),観る前から半ば観たような気分になっていた。

● 原作は沙村広明さんの同名の漫画。監督は三池崇史。

● この映画の特徴をいえば,全編がクライマックスの連続で,息を抜けるところがないということ。
 もうひとつは,殺陣の迫力だ。本当に斬りあっているようなリアルさ。編集だとかカット割りだとか,そういうものでこの迫力は出ないはずで,これで怪我人が出なかったとすれば,そっちの方が不思議だ。

● 特に冒頭の斬りあいは迫力満点だった。「FLIX 6月号」で木村君が「(妹の町が殺されるシーンは)本編の中では冒頭にあたるんですが,実は僕のクランクアップのシーンで。(中略)あのシーンに限っては手を決めないでやろうとなりました。“とにかくこっちは殺しに行くので,それに対して反応してください”と言われて,“分かりました”と」と語っているところだ。
 たしかに,これはそうでなければ出ないリアルさではないかと思った。

● 凜(杉咲花)が自分が死んだ万次の妹に似ていることを知って,万治にニイチャンと呼びかけるシーンが一度ならずある。
 最後の最後,死ねない身体にされたさしもの万次も息絶えそうになったとき,凜がニイチャンと言葉を絞りだす。それに対して,虫の息の万次が「それを言うならニイサマだろ・・・・・・バカッ」と答える。
 そのときの「・・・・・・バカッ」は木村拓哉にしかできない演技だったのではないか。この最後のシーンも印象的だ。

● 要するに,観る側もかなり疲れることになる。もちろん,心地よい疲れだ。
 ま,レイトショーだったので,終わったのは0時を回っていた。それも疲れを感じた理由かもしれないというオチが付くのではあるけれど。

● 杉咲花が大健闘。木村君も新たな地平を開いたという手応えを感じているのではないだろうか。
 この春一番の楽しみが,こうして終わってしまった。