ラベル シバタ 柴田啓佑 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル シバタ 柴田啓佑 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年10月8日金曜日

2021.10.08 ひとまずすすんだ,そのあとに

Amazonプライムビデオ

● 「ひとまずすすんだ,そのあとに」(2015年)。「ひとまずすすめ」の続篇で,わずか18分の短い動画。
 といっても,18分でも見応えがあるというか,かなりの情報量になるというか。

● 逆に,2時間の映画を作るのはとんでもないことなのだなと気づく。途方もない情報量になる。それだけのものを用意しなければならない。
 20分ですむものを2時間に水増しするという蛮勇を振るえる業界人はいないだろう。そんなことをすれば一発退場で,敗者復活戦の機会は与えられない。観客にすぐバレるからだ。

● さて,主人公の花村美幸(斉藤夏美)は弟の結婚を機に,このままでいいのか的なブルーな日常に落ち込むわけだが,婚活が功を奏して,彼氏ができそうだ。少し明るくなったようで安心した。というところで終わる。
 のだが,このパターンが現実にあったら,危なっかしくて見ていられないだろうなぁ。無駄にもがいて,さらに沈んでいくことが多いんじゃないのかなぁ。

● この方向だけじゃないよねぇ。というより,なぜブルーになるのかきちんと自分に問うてみた方がいいと思う。それをしないで婚活に走るって,かなりダメなパターンじゃね?
 いや,主人公はちゃんとそこを通過して,そのうえでこの方向に踏み出しているのかもしれない。短い時間なので葛藤する場面がそんなにないのだが,そんなにない中できちんと自分に問うているのかも。

2021.10.07 ひとまずすすめ

Amazonプライムビデオ

● 「ひとまずすすめ」(2014年)。30分の短い映画。ということは,商用映画ではないわけだろう。作ってる側も演じている側も,けっこう素人っぽい気がする。
 「ほぼ無名のキャスト&スタッフながら,日本各地の映画祭で上映されて人気を博したインディーズ映画が満を持して劇場公開」ということのようだ。

● 舞台は群馬県の藤岡市。主人公の女性は29歳。市役所の市民課戸籍係で働いている。5年間彼氏なし。父親と2人暮らし。が,弟の結婚宣言をきっかけに,このままでいいのかともがき出すというストーリー。
 「アラサーの独身女子の等身大の悩みを丁寧にすくい取る」とか「今後を左右する大問題に直面し,翻弄されていく」と言うんだけれども,婚活を始めてみたもののというところで終わる。

● 女性の20代は悩みに満ちているというのはしばしば聞く。男は40代で自分の行く末が見えてくる。会社で自分はどこまで行けるのか(行けないのか)。自分の人生はこの程度だったか。そこで後悔まみれになって,もがく人も出てくる。その自分を見切るという作業を,女は20代でやらなければならない。
 だから40代の男と20代の女はけっこう気が合うものだ,と。つまり,同じ悩みを悩んでいるから。人生に対する真剣度も似ているのかもしれない。

● 会社人生は人生の一部に過ぎない,あまり大げさに考えるな,とは,その年齢になってから気づくことなのであって,青壮年にそれを求めるのは無茶というものだろう。
 また,あまり若いうちにそういうことに気が行っているようでは,今に没頭できていないということになるかもしれない。つまり,真剣度が足りないという。

● ので,主人公の姿勢をぼくがどうこう言うのも何だか。
 ただ,正面から対峙してしまうと,たいていの場合,あまりいい結果を生まないように思う。正面から対峙≒真面目≒視野狭窄⇒いい結果がでない,という流れがあるようなね。

● どうせ時間が解決すると達観して,軽くいなすようにできれば,それが一番いいんじゃないのかなぁ。
 真面目がいい,真剣がいい,逃げちゃダメだ,はぐらかしちゃいけない。そういう態度は成熟度の低い子どものもの。
 そもそもが,悩むっていうのは,その対象に負けているっていうことであって。そこまで言ってしまうと,問題の基盤まで崩してしまうことになりそうだけど。