2022年9月30日金曜日

2022.09.30 うれしはずかし物語

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● 1988年の映画。34年前になる。制作は日活。当時,日活ロマンポルノという言葉があった。この作品もそれに該当する。
 今の目線ではどこがポルノなんだという受け止め方になるかもしれない。だいぶソフトだ。34年の間にポルノとか18禁の中身もだいぶ変わっている。

● 今年の「第78回ベネチア国際映画祭」クラシック部門に日活ロマンポルノ作品が初選出されて,現地で上映された。田中登監督の『(秘)色情めす市場』という作品だけども,これはぼくは見ていない。
 要は,この種の作品を一格下に見るというがごとき,色メガネはいかがなものかという話。

● 「夢が壊れ,気がついた時には40才過ぎの管理職。良き家庭に恵まれているがそれらに "自分自身の空間" を占拠されていた。唯一,一人になれる "空間" がワンルームマンション。そこで出会ったいわゆる新人類と呼ばれる不思議な少女によって,空間がどんどん埋められていった」という話なのだが,「夢が壊れ」といっても,40歳を過ぎたあたりで上場企業(たぶん)の部長になっているのだ。
 今のサラリーマンからすれば,何言ってんだよというほど順調な出世コースに乗っている。当時の40歳は今の40歳よりだいぶオジサンだったかもしれないのだが,それにしたってという気がする。

● その上,サラリーマンなのに自宅の他にワンルームマンションを持つだけの資力があるのだ。加えて,若い女性と愛人契約を結ぶ。その手当もサラリーから払えるわけだ。2人の子持ちでそんなことができたのだ。
 いや,劇中での話なんですけどね。はっきりとバブルの臭いがする。当時の記憶は朧だけれども,そういう世相だったのだろう。こういう設定が必ずしも荒唐無稽ではないという。

● 原作はジョージ秋山の同名漫画。主演は川上麻衣子。彼女の初主演作なのだが,この映画から入ったことが,彼女にとっては不運だったのか,そんなことはないのか。
 この映画は映画館で見ているんですよ,当時ね。で,川上麻衣子っていいじゃんと思ったんですよ。で,今見てもかなりいいんですよ。
 彼女は現在でも現役の女優として残っているのだから,女優としての素質はしっかりとあったことは証明されている。だけど,もっと多くの人の記憶に残る女優であり得たような気がするんですよね。

● 他に,寺田農と本阿弥周子。寺田農は個性派俳優という言葉で形容されることが多かったのではないか。飄々とした風情があった。相当な読書家で多才の人。
 婚約不履行で訴えられるといった一幕もあった。面白い人だったに違いない。

2022.09.29 ワンピース ねじまき島の冒険

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● 2001年の公開。「ワンピース」の劇場版第2作。同時上映されたのは「デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲」。
 第1作より段違いに面白い。興行収入も30億円を記録して,2009年の「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」が更新するまでシリーズ最高記録だった,とはウィキペディア教授の解説。

● 面白くなった理由の1つは,悪役が強くて魅力的だったこと。トランプ海賊団のベアキング,ピンジョーカー,ハニークイーンは,それぞれに主役を張れる(?)キャラクターを与えられている。
 もう1つは,脇役の設定が上手くいっていること。ボロードとアキースの泥棒兄弟(ボロードはドロボーの,アキースはアキスの,それぞれもじり)。

● けれども,ねじまき島を考えついたのが,勝利のそもそもの理由。よくもまぁこういうのを思いつけるものだ。サラッと浮かんだのか,七転八倒して紡ぎだしたのか。
 奇抜な形の島をネジて締めていて,その鍵を外せば島は崩壊する,という舞台を考えだした時点で,原作者は勝ったと思ったのじゃないか。

● その鍵を持っているのがベアキングなのだが,そのシーンを見たところで,この映画は一度見ていると気がついた。いや,確信はないのだが,たぶん見ている。
 テレビの地上波で放送されたことがあるんだろうか。見てるとすればそのときだろう。

● アキースの声は矢島晶子。クレヨンしんちゃんの声を長く担当した人ね。ハニークイーンは林原めぐみ。「名探偵コナン」の灰原哀の声を担当している人だ。
 どちらもそうだと教えてもらわなければ気がつかなかった。クレヨンしんちゃんの声でアキースをやっているわけではないし,灰原哀の声でハニークイーンをやっているわけでもない。

● 主題歌は Folder5 が歌う「Believe」。

2022年9月29日木曜日

2022.09.28 劇場版 ワンピース

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● 漫画「ONE PIECE」を原作としたテレビアニメの劇場版第1作。原作者は
尾田栄一郎。2000年に公開された。
 登場する麦わらの一味は,ルフィ,ゾロ,ナミ,ウソップの4人。チョッパーやニコ・ロビンはもちろん,サンジもまだ一味に入っていない。

● 上映時間も51分。同時上映は「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」。そういう時代だった。
 って,ぼくには2000年はついこの間のような気がするが,20歳の男女はまだ生まれていない頃なのだよねぇ。ついこの間がずいぶん昔なのだよ。

● 「黄金の大海賊」と呼ばれた伝説の大海賊ウーナンを軸に,物語が展開していく。ウーナンに憧れる少年トビオが,おでん屋の祖父・岩蔵に反発して,ウーナンの子分にしてもらおうと岩蔵のもとを飛びだすが,じつはウーナンと岩蔵は・・・・・・
 展開の仕方も単純だし,ルフィーたちの戦闘シーンにもハラハラするというか,手に汗握るようなところはなくて,わりとアッサリとリフィーが勝つ。というか,ギャグアニメの色彩が濃かったのだな。

● 劇場版ワンピースは何本かは見ているのだけど,何を見たかなんて憶えてないから,全部を年代順に見ていこうと思う。見終えた後も,前に見た映画かどうかはわからないままだろう。かなりの確信を持ってそう思う。
 正直,「ドラえもん」や「名探偵コナン」に比べると,面白さに欠けるとぼくは思っているんだけど,Amazonプライムで見られるんだから見ておくか,って感じです。

● 脚本は島田満。音楽は田中公平が担当。オープニングテーマはきただにひろし「ウィーアー!」。エンディングテーマは大槻真希「memories」。

2022年9月28日水曜日

2022.09.27 麦秋

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● Amazonプライムでも小津映画を見ることができる。もちろん,全作品ではないのだが,まだ見ていない小津映画をAmazonプライムで見ることができるとは,何だか得した気分だ。
 「麦秋」(1972年)を見るのは二度目になる。2010年12月に「第2回鹿沼市民文化センター名作映画祭」で見て以来。

● 見たことだけ憶えているが,内容はほぼ完全に忘却の彼方。忘れるというのは福音であるかもしれない。
 忘れればこそ,日々新たも成り立つのだろう。過去を完全に憶えていたら,かなりの修行を積んた高僧といえども,日々新を実践するのは困難ではないか。

● 劇中の紀子(原節子)は丸の内に社屋を構える会社の専務秘書という設定。英文タイプライターを操る。当時は珍しかった大卒女子であるのかもしれない。
 実家は北鎌倉にあって(由比ヶ浜も何度か映像に使われている),北鎌倉から東京まで電車通勤をしている。

● 「晩春」では父と娘の関係だった笠智衆とは,本作では兄妹。「東京物語」では東山千栄子と笠智衆が夫婦だったが,本作では親子になっている。実年齢からすれば親子の方が自然かもしれない。
 「晩春」では父の恋人と思い込んだ女性に紀子がガンをつけるシーンがあるのだが,その女性を演じた三宅邦子が,本作では紀子の兄嫁。
 他に,淡島千景,杉村春子,高橋豊子など,小津映画ではおなじみの面々が,安定した演技で画面を整えている。

● ウィキペディア教授の解説によると,「小津自身は,本作において「ストーリーそのものより,もっと深い《輪廻》というか《無常》というか,そういうものを描きたいと思った」と発言しており,小津とともに脚本を担当した野田高梧は「彼女(紀子)を中心にして家族全体の動きを書きたかった。あの老夫婦もかつては若く生きていた。(中略)今に子供たちにもこんな時代がめぐって来るだろう。そういう人生輪廻みたいなものが漫然とでも感じられればいいと思った」と語っている」らしい。
 しかし,この映画を見て輪廻や無常を感じられる感性を持つ人は少ないかもしれない。ぼくはそうしたものを感じることはなかった。

● では何を感じたのかと問われれば,たとえば原節子と淡島千景のやり取りのテンポの良さに快を感じていた。
 映画はすべて娯楽映画として見ようとする癖があって,娯楽的な要素を探そうとして見ているのだと思う。

2022年9月27日火曜日

2022.09.26 泣くな赤鬼

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● 2019年6月14日公開。原作は重松清の同名短編小説。原作は読んでいない。小説も読まなきゃなぁと思い思いして,数十年が過ぎた。
 群馬県のご当地映画かと思ったのだが,そうではないらしい。舞台は高校の野球部。監督の教師と生徒の交流というか,友情というか,濃密な接触を描く。

● 劇中の鬼監督に堤真一。監督が目をかけていたゴルゴを 堀家一希→柳楽優弥。ゴルゴと三塁をレギュラーを競うことになった和田圭吾を 武藤潤→竜星涼。
 他に,川栄李奈,佐藤玲,キムラ緑子,麻生祐未など。

● ストーリー的には平板な展開。末期がんで余命いくばくもない青年が登場するのだから,バリエーションは限られるということかもしれないのだが。
 柳楽優弥,堤真一,川栄李奈の演技の妙を得て,画面が整ったという印象を持った。
 
● 主題歌は竹原ピストル「おーい! おーい!!」。

2022年9月26日月曜日

2022.09.25 奥様は,取り扱い注意

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● 2017年10月4日から12月6日まで日本テレビ系「水曜ドラマ」で放送されたテレビドラマの,その後を描いた映画版(2021年)。ぼくはテレビドラマは見ていない。
 主演は,この人を起用すれば間違いないと思える綾瀬はるか。他に,西島秀俊,鈴木浩介,小日向文世,檀れい,六平直政,前田敦子,岡田健史,鶴見辰吾,佐野史郎など。

●  久実(綾瀬はるか)と裕司(西島秀俊)の化かしあい。お互いにどこまで気がついていたのか。ラストで明かされる。
 久美の記憶が戻ったあとの,2人の気の利いた言葉のやり取り(こいつらも君が連れてきたのか・・・・・・タイムマシンに乗ってね・・・・・・)は欧米の映画には付きものだが,どうもこれは欧米人の方が様になるっぽい。

● ラストの決闘シーンをはじめ,綾瀬はるかの演技が熱い。まずは,彼女の演技を見るための映画だと思う。西島秀俊の独特の温度が通っているアンニュイも。
 裕司が久美の胸を撃ち抜いたあと,じつは久美は生きているとわかっていた観客(視聴者)はどれくらいいたか。テレビドラマを見ていなくても,たぶん半数以上の人は予感していたと思う。その伏線を張っていたことにも気がついたろう。

● ロケ地は各地にわたるらしいが,メインの海は静岡県下田市の爪木崎。鳥羽のあたりかと思って見ていたのだけど。
 原案は金城一紀。テレビドラマでは脚本まで担当していたらしいが,映画版では脚本はまなべゆきこ。音楽は得田真裕が担当。

2022.09.20 雪の華

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● 「雪の華」(2019年)。この映画も,余命いくばくもない女性の輝きを描いたもの。
 主題歌は中島美嘉「雪の華」。歌が先にあって,それをモチーフにして映画を作ったという。

● 登坂広臣(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)と中条あやみのダブル主演。とはいえ,劇中での存在感は圧倒的に中条あやみが大きい。
 中条あやみは死ぬ当事者を演じているのだし,劇中でアクションを起こすのは彼女が演じる美雪であって,登坂広臣が演じる悠輔は基本的にはいつも受け身だ。美雪にエンパワーされる存在というか。
 他に,高岡早紀(美雪の母親),浜野謙太(悠輔が務める店の店長),田辺誠一(美雪の主治医)などが出演。

● 悠輔が働く店の危機を救うために100万円が必要。その100万円を自分が払うから,1ヶ月だけ私の恋人になってください,という奇想天外なところから物語は転がりだすのだが,転がりだした後はダレることがない。
 フィンランドの風景も美しく描かれている。2人が宿泊するホテルも相当に魅力的。年季が入った落ち着いたたたずまい。

● 悠輔と美雪が初めて出会ったのは萬年橋。隅田川に注ぐ手前の小名木川に架かっている橋。
 深川のこのあたりの風情が好きで,何度か訪れている。萬年橋も何度も渡った。また行ってみたくなった。

● 音楽は葉加瀬太郎が担当。

2022.09.20 ヘブンズ・ドア

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● 「ヘブンズ・ドア」(2009年)。ある日突然,余命数日をと宣告された青年と,幼い頃から病院暮らしで,やはり長くは行きられない14歳の少女が,病院を抜け出してハチャメチャをやるというストーリー。
 車の修理代を踏み倒し,郵便局で強盗をやり,人の農地を車でメチャクチャにする。おとなしく病院で死んどけよ,と言いたくなるほどのハチャメチャ。

● 主演は長瀬智也と福田麻由子。他に,長塚圭史,田中泯,大倉孝二,三浦友和。ちょい役で薬師丸ひろ子,土屋アンナ,二宮和也。
 死にたくないとダダをこねる青年を,14歳の少女が母親のように慰撫して,最後を看取る。このラストシーンは印象的だ。聖少女のイメージ。

● 主題歌はアンジェラ・アキ「KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR」。「ボブ・ディランの同名曲のカバー曲」で,「映画の原作自体が,この曲からインスピレーションして作られたもの」らしい。

2022年9月21日水曜日

2022.09.19 しゃべれども しゃべれども

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● 「しゃべれども しゃべれども」(2007年)。原作は佐藤多佳子作の同名小説。
 落語家として伸び悩みを感じている今昔亭三つ葉(国分太一)。その彼のところに,上手く話せるようになりたいワケありの3人が,弟子志願してくる。

● 無愛想で言葉がでない十河五月(香里奈)。それだけではなく,妙に負けず嫌いなところがある。
 大阪から引っ越してきたばかりでクラスになじめない,小学生の村林優(森永悠希)。
 元プロ野球選手で解説がド下手で仕事がなくなりそうな湯河原太一(松重豊)。

● 三つ葉を含めた4人の “ワケ” が絡まって進展し,氷解してエンデイングという感じ。
 優はクラスのボスと盟友になれそうだし,湯河原もコーチにならないかと話があり,三つ葉と五月の恋仲も完成してハッピーエンド。

● 隅田川や水上バスが頻繁に登場する。浅草をはじめ,上野や深川で撮影している。落語の話なのだから,下町が馴染みが良い。勢い,隅田川が景観的には主役になる。
 もうひとつ,落語の「火焔太鼓」だ。三つ葉がこの噺に賭けるという展開になるので,噺の中身が何度も語られる。ぼくは,古今亭志ん生の録音で一度聞いたことがある程度。

● 他に,八千草薫と伊東四朗。主題歌は,ゆず「明日天気になぁれ」。

2022年9月18日日曜日

2022.09.18  十二単衣を着た悪魔

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● 2020年の公開。監督は女優の黒木瞳。彼女の監督第2作になるらしい。原作は内館牧子の長編小説「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」。
 源氏物語では悪役というか,源氏の敵方として嫌われ役になっている,弘徽殿女御を強くて聡明な女性に描いている。源氏は何も考えていない猟色野郎になっている。

● 「源氏物語の世界に紛れ込んだ現代の青年が,奔放で強い女性に翻弄されながらも成長していく姿を描く」と紹介されているのだが,“奔放で強い女性” が弘徽殿女御だとすると,この紹介文はやや正確さを欠く。
 劇中での弘徽殿女御は,奔放というより克己の人だからだ。スーパーウーマンでもある。

● 現代の青年を伊藤健太郎が演じ,弘徽殿女御は三吉彩花。どちらかというと,三吉彩花が主役の印象を受ける。
 藤壺に皇后の位を譲ることを飲まされたあとに,廊下で藤壺とすれ違う弘徽殿女御が,下がって藤壺に道を譲る。通リ過ぎる藤壺に「すべて知っていますよ」とささやく。藤壺が生んだのは帝の子ではなく源氏の子だよね,知ってるよ,と言うのだが,三吉彩花の演技は,その美貌と相まって,こちらをゾゾゾッとさせる。

● 劇中で,伊藤健太郎の陰陽師・雷鳴の妻になる倫子を演じた伊藤沙莉も,強い存在感を示す。
 他に,山村紅葉,笹野高史,伊勢谷友介,戸田菜穂ら。

● 見終えた直後に,もう一度見たいと思った。しばし現実を忘れて(現実から逃避してと言っても同じことだが,現実逃避はそんなに悪いことではないと思う)ファンタジーに遊ぶには恰好の映画だ。

2022.09.17 デトロイト・メタル・シティ

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● 「デトロイト・メタル・シティ」(2008年)。原作は若杉公徳の漫画。
 心優しくて,仕草も女っぽい青年が,大学生になって,田舎から上京。オシャレなポップ・ミュージックが好きで,その世界で生きていきたいと思っている。しかし,いかんせん,才能がない。
 が,「地獄から来た悪魔と称されるインディーズ・メタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のフロントマン」として,売れに売れる。けれども,本人はこの世界にいるのが嫌で仕方がない。

● その主人公を演じるのが松山ケンイチ。対象的な2つの役を演じ分ける。大変だったろうけど,面白くもあったのではないか。もちろん,彼の演技を見るのがこの映画の眼目となる。
 もうひとつ。主人公のメタルの才能を見抜いた社長を演じる松雪泰子。「のだめカンタービレ」における吉瀬美智子にあたる役柄なのだが,それよりももっと弾けていて,もっと下品で,もっと強烈だ。松雪泰子が演じて不自然さはない。こうした役柄は演じやすいのだろうと想像する。

● 他に,加藤ローサ,秋山竜次,細田よしひこ,宮崎美子,大倉孝二ら。高橋一生も主人公の後輩役で出演している。
 音楽は服部隆之。主題歌は劇中の「デトロイト・メタル・シティ」の3人が歌う「SATSUGAI」とカジヒデキ「甘い恋人」。
 「甘い恋人」は,劇中で,主人公が自分が行きたい世界に行くために作って歌っていた曲。「お遊戯やるなら外でやれ」と強烈なダメ出しをされてしまう。

2022.09.16 坂道のアポロン

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● 再生ボタンに “もう一度見る” と表示された。ということは,この映画はすでに見ているのか,まったく憶えていないぞ,と思いながら見始めた。
 あ,これ見てるわ,と思いだしたのは,レコード店の店主である中村梅雀が出てきたときだ。
 しかし,それでその先の展開を霧が晴れるように思いだしたかというと,まったくそんなことはなくて,最後まで初めて見るように見ることができた。忘却って素晴らしい。

● 原作は小玉ユキの同名漫画。薫(知念侑李)と千太郎(中川大志)と律子(小松菜奈)の3人の高校生。この3人の三角関係とも言えない妙な関係(薫は律子が好き。律子は千太郎を想っているが,千太郎は律子を恋愛対象としていない)が通奏低音のようにあって,その上に乗って物語が進んでいく。
 一方ではジャズがある。3人の移ろいもあるはずだが,これは表に出てくることがない。

● 10年後の3人が再開して,高校生の頃と同じようにセッションを始めるところで終わるのだが,このあと,3人はどうなっていくのだろう。
 薫と律子は結婚するんだろうか。そうもそれはないような気がする。千太郎と律子は当然なく,結局,3人はそれぞれにそれぞれの人生を歩むことになるのだろう。そうして,それが自然というものでもある。

● 音楽は鈴木正人が担当。主題歌は小田和正「坂道を上って」。

2022.09.15 二ノ国

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● 「二ノ国」(2019年)はアニメ映画。その元になったのは,「レベルファイブが発売したコンピュータRPGのシリーズ。スタジオジブリが制作協力している」。
 「基本的な設定は原作ゲームである『二ノ国II レヴァナントキングダム』を中心に歴代のシリーズのものを引き継ぐが,主人公が高校生になる,主人公の暮らす世界が現代日本になるなどキャラクターを一新した完全オリジナルストーリーとなる」というのは,ウィキペディア教授の解説。

● 「現実と隣り合わせなのに全く違う“もう1つの魔法の世界”」を設定して,舞台とする。こういうの,わりと多いですかね。その2つの世界を行き来する高校生のユウと親友ハル。
 2人の幼なじみのコトナは二ノ国では王女アーシャになっている。花屋のお姉さんのサキは,近衛騎士のヴェルサだ。が,ユウとハルには,対応する人物が二ノ国にいない。その理由は最後に明らかにされる。

● 二ノ国では国の存立を賭けた大きな戦いがあって,そこにユウとハルが関わっていく。こういう場面になると,悪役の悪役度,強さが映画の成否を決めるといってもいいくらいに重要だ。
 「ワンピース」において最も魅力的な悪役はクロコダイルだった。クロコダイルが出ている編が最も面白かった。この映画ではガバラスがそれにあたる。魅力的な悪役になっている。

● ユウは山﨑賢人,ハルは新田真剣佑,コトナ(アーシャ)は永野芽郁が声を担当。ほかに,宮野真守,坂本真綾,梶裕貴,津田健次郎,山寺宏一,伊武雅刀,ムロツヨシ。
 ムロツヨシはわからなかった。エンドロールで知った。

● 音楽は久石譲が担当。主題歌は須田景凪「MOIL」。

2022年9月16日金曜日

2022.09.15 ラーメンヘッズ

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● 2018年公開のドキュメンタリー。にしては,ストーリーに乗せるようにだいぶ編集していると思える。
 テーマはラーメン道に邁進する人たちを映像に載せること。主には松戸の「中華蕎麦とみ田」の店主である「富田治への1年以上におよぶ密着取材を中心に」,いくつかの人気ラーメン店の店主のインタビューを加えている。

● 富田さんは「ラーメンほど熱狂的な信者のいる食べものはない。そのラーメンバカたちを魅了するには,作り手もそれ以上のラーメンバカ(ヘッズ)じゃないといけない」と語る。
 高校生の頃はけっこうなツッパリをやっていたようなのだが,「大勝軒」の山岸一雄に出会って,山岸に魅せられ,直ちに弟子入りしてラーメン道に踏み入れたという。
 ツッパリをしていた高校生の頃はどうだったのか知らないけれど,現在の富田さんは酒も煙草もやらない。もちろん,休日にはラーメンを食べ歩く。家族で「東池袋大勝軒」に出向く様子が映画にも収められている。「ラーメン二郎」も好きらしい。

● ラーメンは芸術だとか,ラーメンは自分の表現だと語る店主もいる。細部へのこだわりを維持できるかどうかが,ラーメン道を極めるために必要な1番目の資質になるのかもしれない。細部にこだわれないようでは,そもそも土俵に立てない。
 決して楽な仕事ではない。麺を茹でるのでも,茹で時間をはじめ,ゆるがせにできなことがいくつもある。気を張っていなければならない。
 腹がくちればいい,極端に不味くなければそれでいい,という人間には想像できないことがたくさんあるに違いない。

● あまたあるラーメン店の中で,ここまでやっているところは少ないだろう。最低賃金に近い賃金しか払わずにバイトを雇って,ほとんどバイトだけで回している店もあると思う。
 その場合,賃金以外の報酬を与えうる店主であればいいけれども,そういう店主も少ないだろうから,できては消えるを繰り返すことになる。競争激甚なレッドオーシャンだからなでもあるわけだが。

● 「大勝軒」で修行した人が暖簾を分けてもらって店を出す。そういう「大勝軒」に行ったことが3回あるが,正直,3回とも富士そばの醤油ラーメンの方が旨いと思った。
 東京駅前,KITTE地階に「松戸富田麺絆」がある。「中華蕎麦とみ田」で修行した富田さんの弟子が出した店だろうか。あるいは「中華蕎麦とみ田」の直営なんだろうか。ここははっきり旨い。だから,混んでいる。 

2022年9月15日木曜日

2022.09.14 ダンスウィズミー

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● 2019年の公開。マーチン上田(宝田明)の催眠術によって「音楽が聞こえるとミュージカルスターのように歌い踊り出すカラダになってしま」った静香(三吉彩花)が,夜逃げしたマーチンを追って,新潟,秋田,弘前,札幌と北上する。
 その過程で起こす諸々のドタバタが見もの。たとえば,静香がレストランのシャンデリアにぶら下がって,ブランコのように揺れるシーン。

● 静香の相棒になる千絵(やしろ優)の存在感。コンビニで買ったカップ焼きそばを駐車場にこぼしてしまって,そのこぼれた焼きそばを食べる演技は感動もの。
 他に,自分を捨てた男への復讐に燃える(?)洋子(chay)。興信所の調査員の義雄(ムロツヨシ)など。

● 静香も千絵も歌が上手いかといえば,そこはそれ,想像力を働かせて上手いのだと思う必要がある。が,ダンスは上手い。俳優って運動神経がいいよね。
 っていうか,そこがダメだと俳優としては立てないのかもしれない。それくらい,運動神経は重要なのじゃないか。

2022年9月14日水曜日

2022.09.13 プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード(字幕版)

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● 「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」(2017年 捷・英)。
 映画とは,どんな内容のものであっても,映画であるというだけでつまらないものはない,と思っていた。が,これはどうなのか。印象が輪郭を結ばない感じ。

● サロカ男爵(ジェームズ・ピュアフォイ)がいる。金満家でプラハの劇場の経済面を支援している。彼にそっぽを向かれたら,劇場は維持できない。
 しかし,この男爵が猟色家で,使用人の娘に次々に手を出している。陰謀家でもある。モテるタイプではないので,陰謀の助力が必要という設定。噂は街に広まっているが,彼に逆らえる人はいない。

● そこに,好色では負けていないモーツァルト(アナイリン・バーナード)がやってきた。陰謀家である男爵とは正反対で,後先を考えないトッチャン坊やだ。よく言えば直情径行,普通に言えばバカ。
 で,このクズ2人が新進ソプラノ歌手のスザンナ(モーフィッド・クラーク)を巡って対立する。

● スザンナはモーツァルトに惹かれていくのだが,その設定には無理がある。そんな女,イネーだろ。劇中のモーツァルトは売れっ子作曲家で,今で言えばアイドル的な存在になっているのだが,それにしたって恋愛対象になるような男じゃないだろ。
 一方,男爵はスザンナを家に拉致して,首を締めて殺してしまう。他にも首に痣を作る女が何人もいるので,首を締めるのは男爵の趣味(?)であるらしいのだが,スザンナに対してはモーツァルトとの関係によほど腹を立てていたのだろう,絞め殺してしまった。おいおい・・・・・・

● それで男爵はどうなったかというと,死刑を執行された。ちょっと待てよ,これで死刑にできるのなら,住民がここまで彼にひれ伏していたのはおかしいだろ。
 というような流れだ。映画では男爵は冷酷な悪玉で,モーツァルトは純情な善玉になっているのだが,これはどっちもどっちという感じなんだよね。

● 結局,モーツァルトをどうしたかったのだろうという疑問が残った。史実の制約を受ける話ではないのだから,いかようにでも造形できたはずだ。こういう思春期前期のニキビ兄ちゃんにしてよかったのか。
 ストーリーや劇中人物の造形はどうでもよくて,18世紀の欧州の上流階級の様子を描きたかったのか。あるいは,音楽を届けようとしたのか。豪華な衣装で歌うオペラを見てくれよ,舞台は本場のオペラ劇場だよ,と。

● そういうことではないだろう。結局,よくわからない,ということだね。

2022年9月13日火曜日

2022.09.12 真夜中の弥次さん喜多さん

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● 「真夜中の弥次さん喜多さん」(2005年)。原作はしりあがり寿の同名漫画。それを宮藤官九郎が脚本化し,監督も務めた。宮藤官九郎の初映画監督作品になるらしい。
 「歌・ダンス・お色気・何でもありのシュールな時代劇コメディー」ということ。弥次さん(長瀬智也)と喜多さん(中村七之助)が恋人同士という設定なので,男色シーンもあり(ソフトだけど)。しかも,喜多さんはヤク中で,途中で女性への愛にも目覚めるという。

● ハチャメチャな内容なのだが,ハチャメチャな映画にこれだけの俳優を集めたのが凄い。
 阿部サダヲ,小池栄子,柄本佑,生瀬勝久,寺島進,森下愛子,岩松了,おぎやはぎ,竹内力,板尾創路,古田新太,山口智充,大森南朋,清水ゆみ,松尾スズキ,研ナオコ,中村勘九郎,毒蝮三太夫,ARATA,麻生久美子,荒川良々,妻夫木聡,楳図かずお。
 といった多彩な面々。原作者のしりあがり寿も出演している。

● 優れた監督かどうかを決める第1要因は,いい俳優を集めることができるルートを押さえているかどうかではないのかと思うほどだ。
 あるいは,俳優との人間関係をどこまで築けているか。

● それも身体から茸が生えていたり,裸で走り回ったり,とんでもない恰好や演技をさせているわけで,本人はともかく,所属事務所を説得するのが大変だったのではないかと,素人勘ぐりをしてしまう。
 圧巻は荒川良々で,よくもまぁここまで振り切ることができるものだと感心するしかない。いやいや,かなり面白かったです。

2022年9月12日月曜日

2022.09.11 インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(字幕版)

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● 「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」(2008年 米)。インディ・ジョーンズ シリーズの第4作。
 第1作の「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」は1981年だから,27年が経過している。

● インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)も歳を取った。前作では父親(ショーン・コネリー)からジュニアと呼ばれるのを嫌がっていたが,今度はジュニアと呼ぶ側に回っている。
 「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」のヒロイン役だったカレン・アレンも出演。インディとの間にできた子どもを育ててたという設定。あらためて2人の結婚式が行われるところで終わる。大団円。つまり,これがシリーズ最終作。

● 残念ながら(?),「SPACE BATTLESHIP ヤマト」よりずっと面白い。かけてるお金が違うということもあるのだと思うが,振り切り方がアメリカ映画は凄い。ぶっ飛んでいる。
 アクションシーンも迫力がある。臨場感もある。じつはインディの息子のマット(シャイア・ラブーフ)が,並走する2台の車にまたがって格闘するシーンとか。1作目の途中まで乗れなかったのだが,そのあとはずっと面白かった。

● 前作(第3作)からも19年が経過しているが,監督(スピルバーグ),製作総指揮(ジョージ・ルーカス),音楽(ジョン・ウィリアムズ),製作(フランク・マーシャル),音響効果(ベン・バート),編集(マイケル・カーン)など主要スタッフは変わっていない,とはウィキペディア教授の解説。

● これでシリーズ全作を見ることができた(来年,5作目が公開されるらしい)。Amazonプライム様々。

2022年9月11日日曜日

2022.09.10 SPACE BATTLESHIP ヤマト

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● 2010年12月1日公開。当時の手帳を引っ張りだして確認した。ぼくは3日にTOHOシネマズ宇都宮で見ている。
 当時はけっこう熱烈なキムタクファンだったので(今もそうだが),見ないなんて選択肢はなかったのだ。

● が,半世紀以上も生きてきた人間が,こういう映画でワクワクしてていいのかと思ったり思わなかったり。
 その時からさらに12年も過ぎてしまったのかと,うたた感慨に耐えないっていうかね。

● 最後,ガミラス・ミサイルめがけてヤマトが特攻するところでは,泣きましたよ。12年前は。今回は意外にそうでもなかった。
 古代進と森雪は仕事場でイチャイチャしすぎだろうとか,ワープ中に子作りしちゃうのはマズいだろうとか,そっちの方が引っかかったりしたくらいで。

● 斎藤工も出ていたんだね。柳葉敏郎と池内博之が美味しい役で出ているが,やっぱり沖田艦長の山崎努の存在感は大きい。これはもう,沖田艦長は山崎努しかいないよなと納得させられる。
 音楽は佐藤直紀が担当。

● ジャニーズ事務所所属の俳優が主演する映画は,Amazonプライムになかなか出てこない。「マスカレード・ホテル」と「検察の罪人」はAmazonプライムで見ているが,見られるようになったのは他の映画より遅かった。
 「武士の一分」も見られるようになっているが,「無限の住人」はまだだ。「ヤマト」にしても12年かかっている。
 それでも,ともかく「ヤマト」が見られるようになったのは,事務所の弱体化の現れでもあるんだろうか。

● いずれ「無限の住人」も見られるようになるのだろう。楽しみがひとつ増えることになる。
 小さな楽しみだが,楽しみや幸せはすべからく小さなものだ。小さくない楽しみや幸せは,危険が服を着ているようなものだ。

2022年9月8日木曜日

2022.09.07 インディ・ジョーンズ 最後の聖戦(字幕版)

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● 「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(1989年 米)は,「インディ・ジョーンズ シリーズの第3作目であり,「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」の続編」ということなのだが,「失われたアーク《聖櫃》」を見ずに,本作から先に見ても何の支障もない。

● インディ(ハリソン・フォード)の父親ヘンリー・ジョーンズ役でショーン・コネリーが登場。初代の007を引退してから18年。すっかり好好爺になっている,はずがない。依然としてカッコいいんでした。
 ヒロインのエルザ・シュナイダーにアリソン・ドゥーディ。エルザはインディたちの仲間と思いきや,じつは敵方(ドイツのナチス)の人間。なんだけれども,ナチスに付いているのは便宜上の話であって,たとえばナチスが焚書坑儒的に書物を集めて焼くシーンでは涙を流す。これがどうも薄っぺらい感じがしてね。もうちょっと作りようがなかったんだろうかねぇ。
 悪の親玉のウォルター・ドノバンにジュリアン・グローヴァー。アメリカの慈善家が,じつはナチスの重役クラスの人物だったという設定。

● ドイツも,ナチスを被せられて,ずっと悪役にされている。表立って文句を言うわけにも行くまいし,少々気の毒ではある。敗戦国の悲哀の一端であるかもしれない。
 おそらく,日本も同じように扱われている場面がけっこうあるはずだ。

● キリストの聖杯を探しだすのがストーリーの縦糸。その聖杯で水を飲むと永遠の命が与えられる,と。
 東京ディズニーシーの「クリスタルスカルの魔宮」の “若さの泉” はここから思いついたものなんだろうかね。

● ジョーンズ父子と友人が馬に乗って去っていくシーンで終わる。西部劇のカウボーイのようだ。
 アメリカ人にはこのシーンが一番しっくり来るんだろうか。少なくとも,アングロサクソンにとってはそうなんだろうかねぇ。

2022.09.06 インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説

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● 「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」(1984年 米)。「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」の前日譚であり,「インディ・ジョーンズ」シリーズの2作目,というのはウィキペディア教授の説明。
 インディ・ジョーンズは前作と同じくハリソン・フォード。ヒロインのウィリーにケイト・キャプショー。どういうわけでインディとのつながりを持つに至ったのかいまいち判然としないが,インディの相棒の少年ショート・ラウンドにクァン・キー・ホイ。ベトナム人だろうね。

● 冒頭の舞台は上海。それがヒマラヤを越えてインドに辿り着き,メインの冒険というかドタバタはインドで起こる。
 こんな内容でよくインド政府が文句を言わなかったなと思う。いや,文句は言ったのかもしれない。インド政府が自国内での撮影を拒んだらしいから。ので,ロケはスリランカで行われた。
 上海の場面はマカオの福隆新街で撮ったらしい。

● 少年のショート・ラウンドが機転を利かせて大活躍。インディは何度も少年に助けられる。
 最後の鉱山で繰り広げられるトロッコ・チェイスが東京ディズニーシーの「クリスタルスカルの魔宮」のモデルになったんですかね。“若さの泉” は出て来なかったけどね。

2022年9月7日水曜日

2022.09.05 インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》

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● 「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」(1981年 米)。40年も前になるのか。
 原作というのか原案はジョージ・ルーカスとフィリップ・カウフマン。監督はスティーヴン・スピルバーグ。脚本はローレンス・カスダン。そして,音楽はジョン・ウィリアムズが担当した。まさしくキラ星のごとし。
 ジョーンズにハリソン・フォード,相棒となる女性・マリオンにカレン・アレン,適役のベロックにポール・フリーマン。

● ウィキペディア教授によると,「本作は全世界で約3億3,050万ドルの1981年の最高興行収入を記録し」,「アカデミー賞5部門,サターン賞7部門、BAFTA賞1部門を受賞した」。
 「史上最高の映画の一つとされており,大衆文化に永続的な影響を与え、いくつかのメディアで多くの模倣作品を生み出し,他の映画製作者にも影響を与えている。米国議会図書館は1999年にこの作品をアメリカ国立フィルム登録簿として保存することを決定した」。

● 007も顔色を失うのではないかと思うほどのアクションシーンが絶え間なく続く。
 ジョーンズ博士はスーパーマン以上のスーパーマンだ。考古学者であり,拳闘家であり,カウボーイでもあり,F1レーサー並みの運転技術を持ち,危険の予知能力やサバイバル能力も世界で随一だ。冷静沈着。最後まで諦めず,状況を打開する方法を考える。そうして奇跡を呼ぶ。
 要するに,色々詰めこんだ娯楽映画になっている。

● ドタバタと,ユーモアと,え,そんなのあちなのかよ,と言いたくなるご都合主義的な場面転換が,スイカにかける塩の役割を果たす。
 アメリカ人はこういうのが好きなのか。日本人はどうだろ? これについていけますか? 後半は本当に面白かったのだが,前半は何だか間延びしちゃってる感じもしてね。

● インディ・ジョーンズといえば,ぼくは東京ディズニーシーのアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」しか思い浮かばない。
 小さかった頃の息子が好きで(センター・オブ・ジ・アースとレイジングスピリッツは怖くて乗れなかったが,クリスタルスカルの魔宮にだけは乗れた),かなり乗った。1日に何回も乗った。
 そんなことを思い出しながら,この映画を見た。クリスタルスカルの魔宮につながるシーンは,この映画にはなかったようだ。

2022年9月3日土曜日

2022.09.02 映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021

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● 今年(2022年)の3月4日に公開。当初は2021年3月5日公開予定だった。コロナによって1年間の延期を余儀なくされた。
 長編シリーズの第1作である「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」(1985年) のリメイク作品。「映画ドラえもん」シリーズ通算第41作目。

● ピリカ星から地球にやってきたパピとのび太たちが,ピリカ星に行ってパピを追放した悪者たちと戦う。善対悪の戦いで善が勝つ。大衆も立ちあがって善につく。ストーリーは非常にわかりやすい。
 子供が見る映画だとしても嘘を教えていいのか,という意見もあるかもしれない。が,この映画の肝はそういうところにあるのではなくて,言うなら冒険譚なんだよね。
 冒険者の中にも勇敢な者もいれば臆病者もいる。知恵者もいれば直情径行な者もいる。しかし,結局,首尾よく果たして帰還するという冒険譚。

● パピの姉のピイナの声を松岡茉優が,悪玉の総帥ギルモアの声を香川照之が,それぞれ担当。

● 何も考えないでいられるこういうアニメ映画が,ぼくにはピッタリ。「映画ドラえもん」と「劇場版 名探偵コナン」は,Amazonプライムのおかげで全作品を見れた。「クレヨンしんちゃん」も然り。
 「ワンピース」はあまり見てない。どういうわけか,劇場版はあまり面白くないんだよね。

2022年9月2日金曜日

2022.09.01 のだめカンタービレ 最終楽章 後編

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● 「6月になってからバッタリとAmazonプライムで映画を見なくなった」のだが,その状態が継続し,8月はついに1本も見ないで終わった。
 理由の1つは家で音楽を聴く時間が増えたこと。1日数時間になっている。主にはNHK-FMの番組を「らじる★らじる」の聴き逃し配信で聴く。
 昨年はゼロだった。オーディオ機器をウォークマンしか持っていなかったからで,ウォークマンを使うのは外を歩いているときだけだ。家では聴かない。

● 変わったきっかけはダイソーでBTスピーカを買ったこと。千円のスピーカを2台。2台並べるとステレオ再生してくれる。ぼくの耳だと,音質はこれで充分だ。SONYやBOSEの高価なスピーカがほしいとは思わない。
 というわけで,時間がなくなったってことがあるのさ。8月はフェスタサマーミューザのネット配信もあったので,特に忙しかった(?)のさ。

● もうひとつ。県民旅割に目がくらんで,東京や神奈川のホテルに泊まりまくっていたからだ。ホテル泊だと日々のルーティンは途切れてしまう。
 それが続くと,ルーティンに復帰するのに苦労することになる。歳を取ると一層そうだ。皆さんもあと何十年か経つと,身体でわかることになるだろう。

● 「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」(2010年)。上野樹里にとっても, 玉木宏にとっても,これは代表作になった。本人たちにすれば,これだけじゃないよと言いたいだろうが,上野樹里が一番きれいだった頃,玉木宏が一番カッコよかった頃だからね。
 どうしたって代表作になってしまいますよ。ヒットもしたしね。

● ギャグありポップありで,青春映画,音楽映画というよりも,ドタバタ映画の趣もある。そこに軽めのシリアスがミックスして,肩のこらない娯楽映画に仕上がった。
 パリやプラハが舞台なのに,現地人も日本語を話す。これも軽さに寄与しているでしょうねぇ。

● 重要な小道具はラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」。生でも聴いたことがあるが,けっこう難解というか,万人受けする曲ではないような気がした。
 と,評論家を気取っていないで,CDで聴き直してみることにしよう。何といっても野田恵が千秋先輩と一緒にやるのはこれしかないと決めた曲だからね。