2025年11月7日金曜日

2025.11.07 聖☆おにいさん 第III紀

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● イエスとブッダが立川でルームシェアをして暮らすという設定じたいが奇抜というかシュールというか。もう,この設定じたいが勝手にストーリーを作ってくれそうだ。
 大仰な話にもできそうだけど,小さな「クスリと笑える話」を重ねていく。2人がやるのは,どこにでもいる独身若者がやっているだろうこと。行先もファミレスだったり,カラオケだったり,いたって小市民的なところばかりだ。

● 登場するのはイエスの松山ケンイチ,ブッダの染谷将太,大家さん(松田さん)の山野海,ファミレスのウェイトレスの木島杏奈だけ。
 特撮シーンなどあるわけもないから,コストもかけていない。

● NHK総合でのテレビ放送とNetflixでの配信に加えて,期間限定で劇場でも上映された。劇場公開は2020年1月。

2025年11月6日木曜日

2025.11.05 聖☆おにいさん 第II紀

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● イエス(松山ケンイチ)はパソコンオタクなのだった。一度は行ってみたいところが秋葉原。というわけで,イエスとブッダ(染谷将太)の聖地巡礼。
 メイドカフェに代表される秋葉原カルチャーは池袋に移ってるみたいだよ,とブッダが情報提供している。通なのだ。

● 男女の恋があるわけでもなく,家族の葛藤があるやけでもない。社会の矛盾を衝くでもなく,正義を解説くでもない。
 ひたすらどうでもいい脱力の連続。充実した1時間を過ごせますよ。

● 松山ケンイチと染谷将太の他に,大家さんの山野海が引き続き登場。今回は警察官役で山田裕貴が出演。
 劇場公開は2019年6月。

2025年11月3日月曜日

2025.11.02 劇場版 聖☆おにいさん 第Ⅰ紀

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● 原作は中村光の漫画。イエスとブッダが東京は立川のアパートでルームシェアをしながら下界でのバカンスを楽しんでいるという設定。
 この設定で面白くないわけがないと誰だって思うじゃないですか。

● それを実写ドラマ化したもの。動画配信サービス「ピッコマTV」で配信されたらしい。「ピッコマTV」ってものがあることも初めて知った。今でもあるんだろか
 加えて,期間限定で劇場上映。劇場公開は2018年10月。俳優の山田孝之が製作総指揮を務めた。

● イエスが松山ケンイチでブッダが染谷将太。だいたい2人の掛け合い。長いセリフを憶えるのが大変だったろう。
 他に登場するのは,大家役の山野海と医師役で佐藤二朗だけ。

● 内容はひたすら脱力系のギャグ。よくネタが続くものだと思いましたよ。

2025年10月26日日曜日

2025.10.25 まともじゃないのは君も一緒

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● 劇場公開は2021年3月。高田亮によるオリジナル脚本。
 主題歌はTHE CHARM PARK「君と僕のうた」。

● 主演は成田凌と清原果耶。他に,山谷花純,倉悠貴,小泉孝太郎,泉里香。
 あまりお金をかけないで作った映画。かといって,面白くないわけじゃない。

● 大野先生(成田凌)はエラく賢い人だったんでした。香住(清原果耶)の魂胆をわかりつつ,香住に「普通」を教えてもらっていたんですかねぇ。
 教えてもらっている間は香住とデートする時間でもあったわけだから,さぞかし楽しかったんじゃないかなぁ。

● 泉里香のフェロモンも凄かった。こんな女性に3秒ほど見つめられたら,たいていの男はイチコロでダウンね。
 でもって,その後には地獄が待ってる。そんな航路が浮かびますよ。関わりを持っちゃいけませんよ。相当,自分に自信があるなら別だけど。

2025年10月25日土曜日

2025.10.24 スカイハイ 劇場版

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● 原作は髙橋ツトムの同名漫画。2003年1~3月にテレビ朝日系で連続ドラマとして放送されたらしい(ぼくは観ていないが)。それを映画化したもの。
 劇場公開日は2003年11月。

● 主演は釈由美子。共演は,大沢たかお,谷原章介,戸田菜穂,田口浩正,岡本綾,魚谷佳苗,しいなえいひ,山田麻衣子,北村一輝など。
 22年前の釈由美子と戸田菜穂を見るための映画ですよ,これは。惚れぼれするほどの美形だからね。
 他にも,美女が勢ぞろい。あの世の "怨みの門" の門前はさながら龍宮城のごとし。

● 殺された者たちが辿り着くのが "怨みの門"。そこで死者たちは3択問題を突きつけられる。
① 死を受け入れて天国に旅立ち,再生の準備をする
② 霊となって永遠に現世をさまよう
③ 現世の1人を呪い殺して地獄に行く

 いくら殺されたとは言っても,こんなの百人が百人とも①を選ぶよねぇ。事実上の1択ですよね。②も③もヤでしょうよ。

● 最後に工藤(大沢たかお)と命がけの斬った張ったを繰り広げた美奈は,婚約者の耕平(谷原章介)よりも,工藤に惹かれるようになってたんじゃないかな,と思った。
 自分を助けるために,わざと殺されて "怨みの門" の門に駆けつけてくれた婚約者よりもね。何か,そんな気がしましたよ。

● 主題歌はHYDE「HORIZON」。

2025年10月24日金曜日

2025.10.23 寄生獣 完結編

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● 2部作の後篇。劇場公開は2015年4月。
 新たな出演者は,大森南朋,浅野忠信,ピエール瀧,新井浩文。

● パラサイト vs 人間 の戦いは,局所戦で終わった。パラサイトも放射能に弱いとか,なんだか人間らしいところがあって,決して不死身ではなかったのだ。
 パラサイトはか弱い生物だと,田宮良子(深津絵里)に言わせている。

● 寄生獣はむしろ人間だという結論にしたかったんだろうか。
 最後の,里美(橋本愛)が浦上(新井浩文)によってビルの屋上から突き落とされるシーンに,その意を込めたように思える。それを救ったのは,パラサイトのミギー(阿部サダヲ)だった。

● 主題歌は BUMP OF CHICKEN「コロニー」。

2025年10月23日木曜日

2025.10.22 寄生獣

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● 劇場公開は2014年11月。「恋は雨上がりのように」(2018年5月)で,あきらと店長がデート中に観た映画はこれだったのか。ずいぶんとグロテスクな映画だなと思ったのだが。
 原作は岩明均の同名コミック。ぼくは知らなかったけれども,「伝説的人気コミック」であるらしい。

● 主演は染谷将太。共演は深津絵里,橋本愛,余貴美子,東出昌大,國村隼,豊原功補,北村一輝。
 これだけの役者を揃えた中で主役を張るのだから,この頃の染谷将太は期待の若手だったのだろうな。

● 前篇後篇の2部作。後篇が面白そうだ。前篇はその地ならしのようなものか。
 深津絵里の田宮良子が「パラサイト」も環境や状況によって変わるのかもしれない思わせる言動を見せる。

● 音楽は佐藤直紀が担当。主題歌は BUMP OF CHICKEN「パレード」。

2025年10月22日水曜日

2025.10.21 BALLAD 名もなき恋のうた

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● 「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」(2002年)が原案。それを実写化したもの。
 といっても,そこに登場する川上真一くん(武井証)はクレヨンしんのようなハチャメチャな少年ではない。もっとマトモ。そりゃそうだよね。
 ヒロシは暁(筒井道隆)に,ミサエは美佐子(夏川結衣)になっている。キャラクターも変えている。

● 主演は草彅剛と新垣結衣。他に,大沢たかお,吉武怜朗,中村敦夫,小澤征悦,香川京子,斉藤由貴ら。
 劇場公開は2009年9月。

● 川上ファミリーが現代から持ち込んだビールを戦国武将の井尻又兵衛(草彅剛)が旨いと言って飲むシーンがある。戦国時代の人間が初めてビールを飲んで旨いと感じるはずはないよな。何だ,この苦すぎる小便っぽい水は,と言うはずだよ。
 と,かなりどうでもいいことにツッコミを入れたくなった。

2025年10月21日火曜日

2025.10.20 極主夫道 ザ・シネマ

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● いや,面白かった。こういうドタバタコメディはいいですなぁ。人生や生活の重さを完全に排除して,ファンタジーに徹してくれている。
 原作はおおのこうすけの同名コミック。テレビドラマになった。それを映画化。劇場公開は2022年6月。

● 主演は玉木宏。共演は川口春奈,志尊淳,吉田鋼太郎,滝藤賢一,松本まりか,安達祐実,稲森いずみ,竹中直人,玉城ティナら。
 これは演じている方も楽しかったんじゃないのか,と思いますわ。

2025年10月19日日曜日

2025.10.18 宇都宮市立視聴覚ライブラリー映画会 日本映画劇場 「日本一短い「母」への手紙」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 午前中の「美女と野獣」に続いて,午後は邦画。「日本一短い「母」への手紙」を観てきた。
 劇場公開は1995年11月。30年前になるわけだけれども,1995年なんてついこの間のことのような。大人になってからの30年なんて過ぎてみれば短いものだ。1日1日は長いことがずいぶんあったけど。

● 映画紹介サイトの解説によれば,「福井県丸岡町が町起こしのために募集した “一筆啓上” から生まれたベストセラー『日本一短い「母」への手紙』の映画化。単行本に収録された230通の中から,「あの人と幸せでしょうか,お母さん。父さんは無口を通し逝きました」という短い手紙をモチーフに,オリジナル・ストーリーで脚本化したのは伊藤亮二と澤井信一郎」とある。

● 子を置いて,好きな男と出奔した母親を十朱幸代,娘を裕木奈江,息子を原田龍二,出奔された夫を小林稔侍が演じている。
 裕木奈江といえばTVドラマの「ポケベルが鳴らなくて」しか知らない。しかも,この役をやったことで,劇中人物と本人が混同され,嫌いな女優としてバッシングを受け,日本を離れざるを得なかったと聞く。あまりにバカげた話なのだが,彼女の演技力を証明する逸話になるのかもしれない。

● 他に,別所哲也,鈴木砂羽,加藤治子,江守徹,村井國夫。原日出子と勝野洋も出ていたのだが,気づかなかった。
 十朱幸代の成熟の美を愛でる映画かもしれませんね。キレイなものですわ。

● 出奔した母親をどう造形するかが肝だったろう。銀座で雇われマダムをやっていることにした。画にしやすいのだろうが,リアルでは,絶対と言っていいだろう,あり得ない。
 さらに,出奔先でも荷物を抱えさせ,健気な女性にしている。

● 午前中の「美女と野獣」はガラガラだったのだが,この映画は後期高齢者で満席状態。
 観客予備軍は後期高齢者で,彼らの興味を引かない最近の映画では客を呼べないということのようだ。

● この上映会はDVDを使っているのだが,今回は16㎜映写機が2台,スタンバっていた。映写機による放映になった。それがうまく動かなくて,上映開始が遅れるというハプニングが発生。
 DVDがないわけがないと思うのだが,映写機を使ったのには何かわけがあるんだろうか。DVDが持つ情報量はフィルムに負けないと思うんだが。

2025年10月18日土曜日

2025.10.18 宇都宮市立視聴覚ライブラリー映画会 20世紀名画座「美女と野獣」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 「『美女と野獣』は,フランスの異類婚姻譚である。1740年にガブリエル=シュザンヌ・ド・ヴィルヌーヴ(ヴィルヌーヴ夫人)によって最初に書かれた。現在広く知られているのはそれを短縮して1756年に出版された,ジャンヌ=マリー・ルプランス・ド・ボーモン(ボーモン夫人)版である」とは,Wikipedia 先生のご教示。原作を読んだことは,もちろんない。
 ディズニーをはじめ,何度も映画化されているようだ。今回観たのは2014年のフランス・ドイツ版。「20世紀名画座」でいいんだろうかと,どうでもいいことが頭をよぎった。

● 監督はクリストフ・ガンズ。出演者は,レア・セドゥ(ベル),ヴァンサン・カッセル(野獣 / 王子),アンドレ・デュソリエ(ベルの父親),イボンヌ・カッターフェルト(森の妖精),ニコラ・ゴブ(マキシム:ベルの長兄),ルーカ・メリアーヴァ(トリスタン:ベルの三兄)など。
 既知の俳優は1人もいない。

● 欧州人はこういう話が好きなのか。いや,日本でも人気があるから,こういうファンタジーは人類に好まれるのだな。
 特に少年少女にだろうが,かつて少年少女だった大人たちも好きなのだ。ハッピーエンドだし,勧善懲悪でもある。

2025年10月17日金曜日

2025.10.16 アイアムアヒーロー

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● 原作は花沢健吾の同名コミック。劇場公開2016年4月。
 有村架純が女子高生を演じてる。ついこの間と思えるんだけど,9年も経っちゃってる。月日が過ぎるのはほんとに容赦ないな。

● 謎のウィルスによって,人々が「ZQN(ゾキュン)」と呼ばれるゾンビと化す。そのZQNが感染者を増やすためにか,正常な人々を襲う。
 そこからどうやって逃れるかという話。こりゃ,ZQNになっちゃった方が楽になれるんじゃないか。

● 「鬼滅の刃」を連想した。ZQNが鬼。歯のない赤ん坊ZQNに噛まれて,人間に危害を加えない半ZQNになっている比呂美が禰󠄀豆子。
 ただし,鬼舞辻無惨とお館様はいない。

● グズで決断力もなく,状況に流されるだけの英雄(大泉洋)が最後にヒーローになる。比呂美(有村架純)と藪(長澤まさみ)を守りきる。
 共演者は,吉沢悠(亮ではない),片瀬那奈,塚地武雅,マキタスポーツら。

2025年10月16日木曜日

2025.10.15 リボルバー・リリー

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● 原作はハードボイルド作家・長浦京の同名小説(例によって,ぼくは未読)。劇場公開は2023年8月。
 主演は綾瀬はるか。こうしたアクションを演じられる女優は,彼女の他には三吉彩花くらいですかねぇ。

● 共演は,長谷川博己,羽村仁成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.),阿部サダヲ,野村萬斎,豊川悦司,佐藤二朗,石橋蓮司,板尾創路,シシド・カフカ,古川琴音,清水尋也ら。緑魔子と橋爪功も。
 内田朝陽が出ていたことをエンドロールで知った。気づかなかった。が,内野朝陽と混同したわけね。

● いや,面白かったですよ。綾瀬はるかの小曾根百合が死なないで生き残るのがいい。
 舞台は大正時代なので,彼女の大正ファッションを見れるのも眼福。

● しかも,百合は玉ノ井の銘酒屋の女将という設定なので,当時の玉ノ井が再現されている。いや,再現ではないのかもしれないけれども,「抜けられます」の標識はこんなだったのかと思ったりね。
 現在の玉ノ井に当時の面影はないけれども(墨田3丁目にはラビリンスという言葉を思いださせる,クネクネした狭い路地が残っているが),またあの辺をほっつき歩いてみようかと思った。

2025年10月15日水曜日

2025.10.14 恋は雨上がりのように

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● Amazon Prime からしばらく遠ざかってしまった。態勢を整えなければ。まず,Amazon Prime に復帰して,Amazon Prime を観るという慣性を強化しないと。
 そのためには,アイドリングが必要。すでに観ている中から,これなら間違いないというのを観て,エンジンを暖める。

● で,選んだのが8月に観たばかりの「恋は雨上がりのように」。映画の紹介サイトで「人生の雨宿りの物語」と表現しているのがあった。
 あきら(小松菜奈)が近藤(大泉洋)に向かって大きく踏み出すのは,雨が降っているとき。近藤はあきらの雨宿り先だ。「若さはときに乱暴なもので」(劇中の近藤のセリフ),雨宿り先が必要なときがある。

● 45歳の近藤も雨に降られている。妻とは離婚し,小説家への夢は絶たれ,しかし諦めきれず。離婚の原因も,近藤が夢にしがみついて,家庭を顧みなかったことが理由であることが,示唆されている。
 近藤にも雨宿りが必要だった。あきらが雨宿り先。一方通行ではない。

● 悪人がひとりも登場しない。読後感ならぬ観後感がいいのは,それも理由のひとつだと思う。

2025年10月11日土曜日

2025.10.10 第17回鹿沼市民センター名作映画祭

鹿沼市民文化センター 小ホール

● 第2回4回5回13回に続いて5回目。1日かけて「暁の脱走」「嵐を呼ぶ男」「網走番外地」「人生劇場 飛車角と吉良常」の4本を観てきた。
 昔の様式に突っ込みたいところはあるんですよ。あるんだけれども,4本とも観て良かったと思える映画でした。

● Amazon Prime でも観られるのかもしれないけれども,たとえ観られるとしても,Amazon Prime でこういう映画は観ないと思いますんでね。鹿沼まで自分の身体を運ぶしかないわけです。
 運ぶしかないんだったら,嬉々として運べた方がいいんだけれども,一番いい辛いのは早起きしなければならないこと。7時半に起きて8時前に家を出ないと1本目に間に合わない。

● 年寄りは早寝早起きだから,朝早いのは平気でしょと言うのは,ステレオタイプのものの見方しか出きやい人だぞ。年寄りといえども,人によってライフスタイルは千差万別だ。
 ぼくは深夜2時ころまでは起きているので(それでもずいぶん早く寝るようになったのだ),7時に起きるのはかなりの苦行だ。
 とりあえず間に合って1本目から観ることができた。

● 「暁の脱走」が公開されたのは1950年。戦後間もなくこういう映画が本邦でも製作されていたことにまず驚く。
 戦後,最初に復興したのは浅草の映画館だと聞いたことがある。食料より娯楽が希求される。人間にはそういうところがあるんですかね。
 
● 原作は田村泰次郎の小説「春婦伝」(の一部)。谷口千吉と黒澤明が脚本を書き,谷口千吉が監督を務めた。
 三上上等兵(池部良)と春美(山口淑子)の恋物語が経糸。では緯糸はというと,帝国陸軍の腐敗っぷり。
 ここまでひどい中間管理職は陸軍にも(たぶん)いなかったのではないかと思う。軍を悪者にして戦争のすべてのバランスを取るという,GHQの目論見がものの見事に成功した証拠と見ることもできるのじゃないかと思う。

● 晴美の一途な愛は三上にとっては疫病神。それが後半は母親と聞き分けのない息子という感じに変わっていく。
 三上はとにかく真面目。というより,世間や所属する組織の常識を絶対のものとして,それに従うことを最善としている。自分で考えることをしない。リスクをとって自分で判断し,それに従うということをしないタイプ。
 それを良しとする風潮が現在に至るまで残っていると言えるのかもしれない。ぼくもその口だったな。
 最後は,その組織の常識から脱走しようとして,2人とも命を落とす。それがエンディング。

● 山口淑子は伝説の女優の1人と言っていいと思うのだが,彼女が出演している映画を観るのは,これが初めて。
 中国語をネイティブ水準で話す。彼女は中国で李香蘭としてデビューし,女優・山口淑子は日本での2回目のデビューになるのだろう。スパイだとか何だとか、話題には事欠かなかった。
 これだけの美貌をまとってしまっ排除の不運とまとめてしまいたくなるが,美人に生まれることは本人にとって幸せなことなのなどうか,一考の余地がある。

● 「嵐を呼ぶ男」は1957年末に劇場公開された,まぁ何というのか,日本映画史の代表作の1つでしょ。石原裕次郎の存在感を決定づけた。監督は井上梅次。
 一方で,若き北原三枝の美しさも,銀幕の女優というに相応しいもの。何度も裕次郎と共演した芦川いづみも出ている。清純派という言葉が今よりもっと説得力を持っていた時代の清純派ね。

● 出演は他に,金子信雄,岡田眞澄,笈田敏夫,青山恭二,小夜福子,高野由美ら。フランキー堺も。
 舞台は当時の銀座ということになっているのだが,その頃には銀座にも生バンドが入るシャズクラブというか,ジャズキャバレーのような店があったんですか。銀座の輝度は今よりもずっと高かったんでしょうね。

● 「網走番外地」は高倉健の出世作。劇場公開は1965年4月。主題歌も高倉健が歌っていることはオールドファンなら先刻承知のことと思う。
 原作は伊藤一の同名小説。自身の網走刑務所での服役経験をもとに書かれた作品らしい。もちろん,読んだことはない。監督は石井輝男。

● 高倉健の橘と同じ房にいる受刑者(八人殺しの鬼寅)役で嵐寛寿郎が出演している。出番はそんなにないのだけれども,重要な役どころ。
 凄みがある。演技に圧があるというか。時代劇俳優で “鞍馬天狗“ と “むっつり右門” が当たり役だったということは知っているが,彼の演技を観たのはは今回が初めて。これを観れただけでも,鹿沼まで来た甲斐があったというものだ。

● 他に,南原宏治,安部徹,田中邦衛,丹波哲郎など。
 後半,橘と行動を共にする権田役の南原宏治も凄みがあったな。トロッコで山を下るシールはアクションシーンとしても後世に残るんじゃないか。
 最後はハッピーエンドと言っていい終わり方。

● 「人生劇場 飛車角と吉良常」の劇場公開は1968年10月。原作は尾崎士郎の「人生劇場 残侠編」。言うまでもないが,ぼくは読んでいない。監督は内田吐夢。
 飛車角を鶴田浩二,吉良常を辰巳柳太郎が演じる。他に,松方弘樹,若山富三郎,大木実,村井国夫,山城新伍,八名信夫,小林稔侍など。準主役級で高倉健も。

● 女優では藤純子と左幸子。飛車角の(たぶん)内縁の妻でありながら高倉健の宮川にも思いを寄せる おとよ を演じた藤純子のきれいなことと言ったら。この映画の一番の見どころはここじゃないのかね。
 あと,辰巳柳太郎の剽軽さをかもす達者な演技だろうか。

● この鹿沼市民センター名作映画祭は過去4回は大ホールだったのだが,今回は小ホールだった。小ホールだとそれなりに観客がいるという印象になる。
 ただし,ジジイとババアばっかりだ。見事にジジイとババアだけ。若者はおろか壮年層もいない。この映画祭は市の教育委員会が元締めになっているんじゃないかと思うんだけど,実質は高齢者福祉事業になっている。自治が運営する施設や行事の多くは高齢者福祉事業なんだよね。いい悪いの問題ではないのだが,往年の名画を観に来る若者はいない。

● そのジジイとババアたちだか,放映中に退出したり,始まっているところにノコノコ入ってきたりする。当然,中は暗いわけだから,階段で蹴躓く者が出る。
 何とかならんかね。始まる前に着座する。終わるまでは退出しない。その程度の時間コントロールができんかね。トイレコントロールが難しいなら尿漏れパンツを履いたらどうだ。

● これじゃ,80歳以上は入場禁止にしなくちゃいけない。そうすると,この事業じたいが成り立たなくなる。
 なかなか厄介な問題が出てきそうな予感がした。

2025年10月8日水曜日

2025.10.07 千年の愉楽

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● 原作は中上健次の同名小説。ぼくは中上作品は1冊も読んだことがない無精な人間なのだが,読んでみれば,ずっしりと重く,しかし,面白いに違いない。
 原作を変えている部分も多いようなのだが,映像化するのは難しいのだろうな,たぶん。

● 「高貴で不吉な血を持って生まれ,女たちに愉楽を与えながら命を燃やし尽くして散っていく男たち」を輩出する家系がある。早死にを宿命づけられた家系に生まれた若い男たちを,彼らのに誕生に立ち会った産婆のオリュウノオバ(寺島しのぶ)が見守る。
 オリュウノオバの夫(佐野史郎)は僧侶。生と死の祭司が夫婦という,考えようによってはふざけた設定になっている。

● 命を燃やし尽くすのは勝手だけれども,どうにもはた迷惑な男たちなんだな,これが。しかも,現代では共感を呼びにくいかもしれない。
 “草食男子” はすでに死語になるくらい,ずいぶん前に生まれた言葉だ。「女たちに愉楽を与え」るというのが,あまり男たちに訴えて来ない時代になっているような気がする。
 セックスもAIロボットで満たせる時代がすぐそこまで来ている。男たちの多くは地に足がついていないから,生とか本物とかにはこだわらない。AIロボットで何の問題もあるまいよ。

● というわけなので,家系のおどろおどろしさ,そのことによって苦しむ当事者たちの苦難が,どうもうまく伝わってこない。単なるファンタジーのように思えた。
 ファンタジーにしては少々重いな,と。現実離れしているな,と。原作で描かれた時代はずいぶんと昔なのだが。

● 若い男たちを演じるのは,高良健吾,高岡蒼佑,染谷将太の3人。男たちに関わる女たちを演じるのは,石橋杏奈,安部智凛,片山瞳,月船さらら。
 他に,井浦新,山本太郎,水上竜士,岩間天嗣ら。

● 主題歌は中村瑞希&ハシケン「うたかたのうつしよに」。劇場公開は2013年3月。

2025年10月6日月曜日

2025.10.05 森の中のレストラン

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● 「森の奥に建つレストランを舞台に,孤独なシェフと絶望を抱える少女の出会いを描いたヒューマンドラマ」というのだが,あまりヒューマンな感じはしなかった。この世の暗い部分を寄せ集めて,これでもかというほどに暗さを強調したかったのかと思うほど。
 観終えた後にも,嫌なものを観たというザラッとした感じが残ってしまった。

● 主演の恭一を演じた船ヶ山哲の演技の物足りなさが理由の1つかも。声もくぐもっていて(それも演技なのだろうが)聞き取りにくかった。
 対照的に,ヒロインの沙耶を演じた畑芽育は素晴らしい。妻と娘を虐待する父親を演じた谷田歩も上手いなと思った。

● 恭一が自殺を図るところから始まるのだが,彼に自殺するほどの動機はない。なのに,ニ度目の自殺企図の場面まで作っているのも不可解だ。
 要するに,もう一度観たいと思う映画ではないな。基本,映画には娯楽性しか求めないぼくのような人間には,ちょっと重すぎたということにしておきたい。

● 出演者は,上記の3人の他に,森永悠希,染谷俊之,奥菜恵,佐伯日菜子。
 劇場公開は2022年11月。

2025年9月29日月曜日

2025.09.28 ママレード・ボーイ

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● 原作は吉住渉の漫画。少女コミック誌「りぼん」に連載されたのは1990年代。
 劇場公開は2018年4月。

● 2組の夫婦がスワップ結婚するというところから話が始まる。双方に高校生の息子と娘がいて,皆で一緒に暮らし始める。
 何も起こらないわけがないという設定ですよね。

● 主演は桜井日奈子と吉沢亮。筒井道隆,檀れい,谷原章介,中山美穂が両親役。檀れいにしろ,中山美穂にしろ,つい最近までヒロイン役を張っていたと記憶しちゃってる(中山美穂は亡くなったけど)。いつの間にか時間はスルスルと過ぎて行ったんだなぁと思う。
 他に,佐藤大樹,優希美青,寺脇康文など。

● 最後のどんでん返しは途中から予想できたって人が多いんじゃないかと思う。ぼくもそうで,予想できるような展開になっているもんね。
 早とちりで余計な煩悩を抱えてしまった若者の話でもある。抱えたいから抱えたのでもある。どこかで抱えたいという気持ちがあったに違いないと思う。

● 主題歌は GReeeeN の「恋」。

2025年9月27日土曜日

2025.09.26 僕等がいた 後篇

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● この物語は,菊田一夫の「君の名は」の系譜に属するものだろうか。恋する2人が会おうとすると,邪魔が入って会えなくなるという。
 その邪魔はもっぱら矢野(生田斗真)の側に発生するんだけど。

● 劇場公開は2012年4月21日。後篇では千見寺亜希子役で比嘉愛未が出演。
 その安希子もそうだけれども,竹内(高岡蒼甫)はほとんど神様だ。矢野と七美(吉高由里子)の間に生まれる破綻を1人で繕っている。そうして,報われない。

● この映画は,しかし,吉高由里子が支えている。吉高由里子だからという気がする。
 こういう純愛物語は,主演女優が左右するものでしょ。

● 主題歌は Mr.Children「pieces」。前篇も Mr.Children の「祈り~涙の軌道」だった。

2025年9月26日金曜日

2025.09.25 僕等がいた 前篇

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● 原作は小畑友紀の少女漫画。劇場公開日は2012年3月17日。
 主演は生田斗真と吉高由里子。13年前の吉高由里子がこういう形で残るんだから,映画ってのは大したものですよ。

● 共演は高岡蒼甫,本仮屋ユイカ,小松彩夏,麻生祐未,須藤理彩,柄本佑。
 須藤理彩ってたぶん初めて見たんじゃないかと思うんだけども,魅力的な女優さんじゃないですか。

● 前篇は登場人物たちが高校生。ずいぶんとヒネた高校生になってしまうのは仕方がない。そんな中で,本仮屋ユイカの山本有里がリアルの高校生に近かったかな,と。
 後篇は大学を卒業したあとの話になるようなので,この辺の不自然さはなくなるはず。

● 主なロケ地は釧路。幣舞橋も登場する。釧路には行ってみたい
 実際に見てみればなぁーんだとなるに違いないなだが,それでも幣舞橋は見てみたい。名前が魅力的じゃないですか。

● 釧路郵便局のノベルティの鉛筆を持っている(今は亡きコロナ鉛筆製)。この鉛筆を携えて釧路に行って,スタバかどこかでノートを開いてこの鉛筆で何か書いてみる。
 そうして,生まれ故郷に来たぞ,と鉛筆に言ってやるのだ。

2025年9月25日木曜日

2025.09.24 神様のカルテ 2

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● 櫻井翔,宮﨑あおい,柄本明,池脇千鶴,原田泰造,西岡徳馬,吉瀬美智子,朝倉あき,要潤の前作から組の他に,藤原竜也,市毛良枝,濱田岳,吹石一恵が出演。
 劇場公開は2014年3月。

● ファンタジー度は前作より高まっている。娯楽映画度が高まっていると言ってもいい。映画は何より娯楽なのだから,これでいいのだ。
 藤原竜也,上手いなぁ。彼の演技が画面をピッと引き締める。

● 宮﨑あおいはここでも彼女にしか出せない,独特の清純さ。本当に清純かどうかなんてどうでもいい。彼女とお付き合いしようってんじゃないんだから(できるわけがない)。
 俳優は,ぼくらにとって,画面の中の彼ら彼女らのこと。それがすべて。リアルの私生活なんかホントどうでもいいものだ。

● 言い方を換えると,ぼくらは俳優を使い捨てにしているわけでね。使い捨てにされるのは,彼ら彼女らの宿命だよね。
 それが嫌なら俳優なんかやってるな,ってことですよね。

2025年9月23日火曜日

2025.09.22 神様のカルテ

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● 原作は現役医師の作家である夏川草介の同名小説。ぼくは読んでいないのだが,2010年本屋大賞第2位に選出され,ベストセラーになったらしい。

● 劇場公開は2011年8月。主演は櫻井翔と宮﨑あおい。14年前の彼と彼女を見れるわけね。
 他に,加賀まりこ,柄本明,池脇千鶴,要潤,吉瀬美智子,岡田義徳,原田泰造,西岡徳馬,朝倉あき。

● 櫻井翔が演じる内科医の栗原一止が,病院に泊まり込むのが常態化しているようなブラック職場で成長していく物語とも言えるし,末期がん患者の安曇雪乃を演じた加賀まりこの超絶技巧を味わうためのものだとも言えるのだが,ぼくはどうしても宮﨑あおいをに目が行くんだな。
 彼女が演じる榛名は,ストーリーの展開にはほとんど関わらない。端役にすぎない。原作の小説ではそういう扱いになっているのではないかと(読んだことはないのだが)思う。

● が、監督は当時の宮﨑あおいを使って,女神像を創造してみたくなったのではないかと想像する。「舟を編む」と同じだ。
 その方がエンタメとして形が整う。あるいは色彩が豊かになる。と,考えたのだろう。しかし,そういうことよりも,とにかく宮﨑あおいを使ってみたかったのだろう。

● 主題歌の作曲とピアノ演奏は辻井伸行。CDも当然,出ている。

2025年9月21日日曜日

2025.09.20 リバーズ・エッジ

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● 原作は岡崎京子の同名漫画。この漫画が雑誌「CUTiE」で連載されたのは1993年。前世紀のこと。
 劇場公開は2018年2月。2018年というとついこの間のことと思ったしまうのだが,7年も前になるのだな。

● 主演は二階堂ふみと吉沢亮。他に,上杉柊平,SUMIRE,土居志央梨,森川葵。
 「それぞれの事情を抱えた少年少女たちの不器用でストレートな物語」とと紹介されているんだけれども,不器用だのストレートだのという段ではない。登場人物の誰もが逸脱の度が過ぎる。

● 命の危機に晒されるほどイジメを受けても登校を拒否しない同性愛者。逆にイジメる側。
 自分の恋敵と思い込んだ相手の家に放火してしまう。売春も薬もやる。過食しては吐くを繰り返す。

● 唯一,二階堂ふみが演じるハルナがまともではあるのだが,あまりまともではいけないと考えたのか,学校でも煙草を吸わせている。
 全世紀末に逸脱がカッコいいとする価値観がはびこったことがあったんだろうか。そんな記憶はないんだがな。

2025年9月19日金曜日

2025.09.19 宇都宮市立視聴覚ライブラリー映画会 20世紀名画座「そして誰もいなくなった」

宇都宮市立東図書館 2階集会室

● 原作はアガサ・クリスティの同名小説。原題は「And Then There Were None」。
 1945年10月に公開されたアメリカ映画。日本公開は1976年8月。終戦直後にこういう映画を公開できる国と戦争してはいけなかった。

● 出演者も綺羅星の如し。バリー・フィッツジェラルド,ウォルター・ヒューストン,ルイス・ヘイワード,ローランド・ヤング,ジューン・デュプレ,ミシャ・オウア,オーブリー・スミス,ジュディス・アンダーソン,リチャード・ヘイデン,クイニー・レナード,ハリー・サーストン。
 最後まで残る疑問は,最後まで登場しない Mr.オーエンは10人の罪状をどうして知り得たのかということだ。本人が自ら話さない限り,知りようがない事実のはずなのだ。

● たぶん,Amazon Prime でも観られると思うのだが,DVD とはいえ大勢で観るという体験もした方がいいのだ。
 お客さんのかなりは後期高齢者であって,これは高齢者福祉事業の一環なのかと思ったりもするのだが,自分もまた後期高齢者になってもこうした催事に出てこられる程度には元気でいたいと思うのだ。

2025.09.18 ババンババンバンバンパイア

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● 原作は奥嶋ひろまさの同名漫画。劇場公開日は今年(2025年)の7月。
 主演は吉沢亮。共演は板垣李光人,原菜乃華,関口メンディー,満島真之介,眞栄田郷敦,堤真一,笹野高史ら。

● 織田信長に仕えた森蘭丸が450歳のバンパイアになって,銭湯で住み込みで働いている。その銭湯の15歳のひとり息子の血を狙っている。“18歳で童貞” の男の血が究極の旨さであるという設定。

● 世間に問題提起をしたい社会派映画であれ,人間を鋭く抉ったり,どうしようもない諸行無常を描いて,人生の切なさを訴える文学派映画であれ,“楽しめる” 要素がない映画は観てもらえないはずだ。
 ならば,こういうアホになって楽しめる映画も,映画の重要な柱の1つでるし,これからもあり続ける。映像の美しさとか面白さは,当然求められるだろうが。それがなかったら,わざわざ映画なんか観るもんかい,ということね。

2025年9月18日木曜日

2025.09.17 青くて痛くて脆い

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● 原作は住野よるの同名小説(読んでいない)。劇場公開は2020年8月。
 主演は吉沢亮と杉咲花。共演は柄本佑,岡山天音,松本穂香,森七菜,光石研ら。

● 田端楓は吉沢亮が演じているからそれなりに様になっているけど,ほとんど病的レベルと言いたいほどに,自分を大事にしてしまうタイプ。相手を俯瞰することもできない。自分に都合のいいようにしか見れなくなっている。他者との距離を測れないのも一因ではある。
 だけども,劇中でいつからそうなったのかは不明。途中から別人になっている。

● 対して,杉咲花の秋好寿乃はどんどん成長して,2人の間には大差がついてしまった。ここまでの差が付いてしまうと,言葉が通じなくなる。
 楓が秋好に懺悔しようとするところで映画は終わるのだが,秋好は洟も引っかけないだろう。

● 吉沢亮を追っかけてみたくなっている。しばらく,彼が出演している映画を観ることにしようか。
 こういうとき,Amazon Prime は便利ですな。

2025年9月17日水曜日

2025.09.16 ブラックナイトパレード

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● 原作は中村光の同名漫画。劇場公開は2022年12月。
 主演は吉沢亮。NHK大河(ぼくは見ていない)を終えたあと。共演は橋本環奈,中川大志,渡邊圭祐,佐藤二朗ら。

● 北極にある「サンタクロースハウス」。赤いサンタと黒いサンタ。サンタクロース間の勢力争い。ネズミの大群。
 原作は漫画なんだろうなと,わかりやすく推測させますな。

● 橋本環奈の道化役(変顔とか)も見どころかもしれませんね。サッとリクエストに対応した変顔を作れるのは,役者の第一条件なのかもしれませんよ。

2025年9月16日火曜日

2025.09.15 怒り

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● 原作は吉田修一の小説(読んでいない)。劇場公開は2016年9月。
 出演者が凄い。渡辺謙,森山未來,松山ケンイチ,綾野剛,妻夫木聡,宮﨑あおい,広瀬すず。オールスターゲームのようだ。

● 主演は渡辺謙になっているようだが,むしろ渡辺謙は後ろに退いているような感じ。上記の誰が主役であっても不思議はないような。
 さらに,ピエール瀧,三浦貴大,佐久本宝,原日出子,池脇千鶴,高畑充希が脇を固める。

● 殺人現場からスタートする。その犯人は誰なのか。田代(松山ケンイチ)なのか,直人(綾野剛)なのか,田中(森山未來)なのか。直人だと思わせるように誘導しているのだが。
 愛子(宮﨑あおい)にも泉(広瀬すず)にも壮絶な過去があって,登場人物が重い過去を持ち過ぎている。

● 音楽は坂本龍一が担当。監督は李相日。
 『悪人』と同様にズッシリと重い。見応えがありすぎて,全部はとても受け止めきれない。

2025年9月14日日曜日

2025.09.13 さなぎの猫

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● 製作は2022年。舞台は香川県佐柳(さなぎ)島。多度津町になるらしい。
 その佐柳島の観光PR映画ではないんだけれども,結果的にその側面もある。過疎を描くために,こういう手法を採ったのだと思うこともできる。

● 人間を描きたかったのだと思われる。が,文学界や映画界に棲息する人たちが言う “人間を描く” には妙なバイアスがかかっていることが多いような気がする。彼らの好きな人間というのがあるらしい。わかるんだけど,それって人間のリアルじゃないよね,っていう感じ。
 「様々な場所を住む場所に選んだ者たちの未来・過去そして今にまつわる切なくて美しい人間模様を丁寧に描く」っていうんだけどね。ピンと来ないかもしれないよね。

● 出演は浅雛拓,鳩川七海,一瀬尚代,野村有志の4人。監督・脚本も野村有志。

2025年9月13日土曜日

2025.09.12 岸辺露伴は動かない 懺悔室

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● 原作は,荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのスピンオフ「岸辺露伴は動かない」。テレビドラマの映画版第2作。
 劇場公開は今年(2025年)の5月。

● 舞台はイタリアのベニス。テーマは「呪い」。事件は起こるのだが,犯人はいない。
 「呪い」の正体は何なのかとあれこれ詮索するのも無用なこと。これもファンタジーだ。無邪気に映画を楽しむのが最上としたものだ。

● 出演者は主役の高橋一生の他に,道化役の飯豊まりえ。玉城ティナ,井浦新,戸次重幸,大東駿介。

2025年9月12日金曜日

2025.9.11 山のトムさん

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● 2015年12月26日にWOWOWプライムで放送されたドラマW。原作は石井桃子の同名小説(福音館文庫)。
 脚本は群ようこ,音楽は大貫妙子が担当。

● 主演は小林聡美。共演が市川実日子,光石研,もたいまさこ。いつものファミリー。
 他に,高橋ひとみ,伊東清矢,佐々木春樺,木南晴夏,ベンガル。

● 「東京で暮らしていたハナ(小林聡美)は,友人のトキ(市川実日子),トキの子どもトシ(佐々木春樺)と,慣れない田舎での生活を始めます。そこに中学を卒業したばかりのハナの甥アキラ(伊東清矢)が加わり,4人の新しい家族の暮らしが始まります」という設定なのだが,設定自体がファンタジーと言える。
 「近くに住み何かと相談に乗ってくれるゲン(光石研)とシオリ(高橋ひとみ)の夫婦に助けられながら,少しずつ慣れていく畑仕事の毎日が続きます」というものも,あり得ない。こんなに面倒見の良い神様みたいな隣人が最初からいるなんて。

● 一番辛い立場なのはアキラ。中学を卒業したのに高校には行っていない。
 自分の人生は中2で終わったと語る場面があるのだが,その理由というのがじつにつまらないもので,挫折というほどの話でもない。どうしたんだ,おまえは,と言いたくなる。

● ハナは作家かエッセイストであるらしく,夜は書きものをする。その際に万年筆やボールペンではなく鉛筆を使っているのも,この作品の風合いに合わせたものかと思われるのだが,その鉛筆は Hi-uni。
 小学生のトシが使っているのは,黄色い消しゴム付きの鉛筆で,おそらく三菱鉛筆の9852ではないか。

● 悪どい人や腹にイチモツを持つような人は登場しない。気のいい善人ばかりだ。そこに猫のトムや山羊まで加わって,穏やかな田舎暮らしが理想的に描かれる。
 女の園という趣もある。男が一定数を超えて存在してしまうと,フィクションでもこういう世界は描きにくくなりそうだ。
 アキラもゲンもどこか女性的というか,母親に庇護されている子供のような風合いを漂わす。

2025年9月11日木曜日

2025.09.11 孤独のグルメ シーズン9 第10話 栃木県宇都宮市のもつ煮込みとハムカツ

YouTube

● 地上波(テレ東)放送は2021年9月10日。YouTubeで期間限定で視聴可能になっていたので,観てみましたよ。
 普段,テレビは観ないので,この番組もテレビで観たことは一度もない。

● 五郎さんって,酒が飲めない分,相当な健啖家なんだな。ペースを落とさず,グイグイ食べる。それも芸のうちということになるんだろうけど。
 こういうふうに食べてもらえれば,作った方も嬉しいだろうね。

● ここに出てくる「庄助」は県庁の近く。何度も行きました。ただし,昔の話。
 オコゼの唐揚げを必ず注文する同僚がいた。ぼくのお勧めは,番組にも出てくるモツ煮と,馬刺しかな。ニンニク使う? と必ず訊いてくるので,もちろんと答えるのが儀式のようなものでした。
 それから,ここ,日本酒は会津の「末廣」しか置いてなかったと記憶する。オーナーが会津の出なんだろうかね。

● 庄助の店員も俳優さんが演じているわけだが,けっこうリアルに近いんですよね。実際もこんな感じですよ。
 撮影前に,客として店に行って,リアルを確かめているんですかね。

● 出演は松重豊の他に若月佑美,U字工事,銀粉蝶。若月佑美はホテルのブライダルスタッフ。U字工事は「庄助」の客。銀粉蝶は「庄助」の女将さん。

2025.09.10 劇映画 孤独のグルメ

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● テレビドラマ「孤独のグルメ」の劇場版。原作は久住昌之(作画・谷口ジロー)の同名漫画。
 劇場公開は今年(2025年)の1月。

● 松重豊の井之頭五郎が “イッチャン汁” のスープを求めて,国内外を探し歩く。舞台はパリ,五島列島,韓国巨済島,東京。
 一番の見どころは五郎さんが食べるシーンだと思うのだが,五郎さんがスタンドアップパドルボードで隣の島に渡ろうとして遭難したり,毒キノコを食べてしまったりといったコミカルもある。
 重い話は出てこない。最後はハッピーエンド。

● 監督も松重豊が務めている。
 出演者は,松重豊の他に,杏,塩見三省,村田雄浩,内田有紀,ユ・ジェミョン,磯村勇斗,オダギリジョー,遠藤憲一(登場順)。内田有紀はキレイですよねぇ。現代の正統派美人という気がする。

● その内田有紀が演じる志穂のいる韓国の島は,まさしく女護が島。五郎さんが言っていたとおりの龍宮城だな。リアルの女しかいないところには近づきたくないけどさ。
 五郎さんがスーツの内ポケットから取り出したメモ帳はモレスキンだった。ソフトカバーのやつ。五郎さんはこういうのを使うのか。

● 輸入雑貨の貿易商という設定なのだけれども,五郎さんは結婚はしているんだろうか。家庭臭は皆無。
 それなのに,身なりはいつもきちんとしている。不思議な人だな。
 杏が演じる千秋の母親と同棲していたことがあるという設定になっている。彼女と別れた後は独身を通したんですかねぇ。

2025年9月10日水曜日

2025.09.09 コーヒーはホワイトで

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● 「地元の人たちに愛されている昔ながらの純喫茶「モア」には,探偵事務所というもうひとつの顔があった」という紹介文。こういうのって,面白そうだ。

● その探偵役に加藤小夏。ホームズやコナンと五分を張れる観察力,推理力,格闘能力の持ち主。
 したがって,スカッと爽やかに終わる。

● 出演者は他に,好井まさお,川崎麻世,奥貫薫,小野真弓,和田崇太郎,石田千穂,生島勇輝,桃月なしこ,大村彩子。
 劇場公開は2024年2月。

2025年9月9日火曜日

2025.09.08 さんかく窓の外側は夜

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● 原作はヤマシタトモコの同名コミック。劇場公開は2021年1月。
幽霊が視える特異体質の男と除霊ができる男がコンビを組んで,“呪い” に関わっていく話。

● けっこうグロテスク。グロテスクになりすぎないように,死体をキッチュにしたりもしているけど。
 岡田将生と志尊淳のダブル主演。準主演で平手友梨奈(元 欅坂46),滝藤賢一。他に,筒井道隆,和久井映見,マキタスポーツら。北川景子もちょい役で。

2025年9月8日月曜日

2025.09.07 真夏の方程式

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● 福山雅治が演じる物理学者・湯川学が超人的に殺人事件の動機と方法を解き明かしていく。
 原作は東野圭吾の同名小説。劇場公開は2013年6月。

● 出演者は吉高由里子,北村一輝の警視庁側に,杏,風吹ジュン,前田吟のワケあり側。
 重要な子役(恭平クン)に山崎光。他に,西田尚美,塩見三省ら。

● 福山雅治の当たり役。クールでスマートで心優しくて。カッコ良すぎでしょ。
 前田吟と風吹ジュンの芸達者ぶりも見どころだ。特に,前田吟が凄みを発揮する。

2025年9月7日日曜日

2025.09.06 地球防衛未亡人

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● とびっきりのB級映画。公開は2014年2月。“SFコメディ” とあるのだが,コメディはともかく,SFの要素は皆無。
 「ウルトラセブン」の森次晃嗣と「ウルトラマンA」の沖田駿一が主要な役柄で出演しているのが,特撮ファン向けのサービスか。他に,モト冬樹,堀内正美など。

● 檀蜜が主演なのだから,モチのロンでお色気あり。「地球防衛軍のエースパイロット,ダン隊員は,元芸者で未亡人という経歴の持ち主。核廃棄物を食べる宇宙怪獣ベムラスに婚約者の命を奪われた彼女は,地球の危機を救うために怪獣と戦うが,何故か攻撃を行なう度にエクスタシーを感じてしまう」というね。

2025年9月5日金曜日

2025.09.04 劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来

109シネマズ川崎

● 劇場公開は7月18日。興行収入はすでに300億円。興行成績は「無限列車編」を塗り替えてすべて更新するんでしょ。すごい人気。
 ぼくが観たのは平日21時からのレイトショー。夏休みが終わって動員の峠は越えたのだろう。客席はガラガラだったが,それでも21時過ぎ,予告編を流しているところにバタバタと人がやって来た。
 2度目,3度目の人がわんさかいるはずだ。そうでないと動員数の辻褄が合わないことになる。

● かく申すぼくも久方ぶりに映画館で映画を観た
。やっぱり観たくなりましたよ。ネットでどんどん情報が入ってくるしね。
 これは観ないわけには行かない,観て確かめなきゃしょうがない,という気分になりましたよ。

● Fire10 の画面で Amazon Prime を観るのとは別の体験になるのは間違いないけれども,自宅で Amazon Prime を観るのでは観たことにならないとは思わない。
 それはそれ,これはこれ。そういうまとめ方でいいと思う。けど,たまには劇場で観ることもした方がいいでしょうね。劇場で観るのがやはり原点でしょうしね。

● 早々に,しのぶちゃんが童磨(上弦の弐)にやられちゃうんだけど,その後に善逸が獪岳(上弦の陸)を倒す。善逸,いつの間にこんなに強くなっていたんだ?
 メインは炭治郎&義勇と猗窩座(上弦の参)の戦い。猗窩座が猗窩座になったいきさつ紹介される。すっげえいいヤツだったんだな,猗窩座って。

● 結局,猗窩座が人間だった頃の記憶を思い出して自滅することになるのだが,ここは炭治郎と義勇にしっかりと戦いで勝たせて欲しかったな,とも思った。
 「柱稽古編」で永遠とは人の思いだと語ったお館様を立てる意味合いもあっんだろうか。

● もっと泣けるシーンが多いんじゃないかと思っていたが,それほどでもなかった。わりと冷静に観ていられたというか。
 鬼たちが魅力的であることが,この作品の眼目だ。単なる悪役ではなかて,色々なものを抱えてしまった結果,鬼になり,そして恐ろしく強い。
 みんなが皆,炭治郎のように清く正しい熱血漢ではノッペラボーになってしまって,そもそも物語が始動しない。魅力的な悪漢がいるから,炭治郎のような優等生が主役として存在できる

● 今回は禰󠄀豆子は主要なキャラクターとしては登場しない。無限城編は3部作になるらしいのだが,禰󠄀豆子の登場は第三章まで待たなくてはいけないのか。それまでは正規の鬼殺隊員と鬼の幹部たちとの戦いになるのだろう。
 第二章が公開されるのは来年になるんだろうか。早く続きを観たいんだけどね。来年の夏休みにぶつけてくるんだろうかね。
 これ,テレビ放送もするんだろうか。しても仕方がないような気はするが。

● 原作(吾峠呼世晴による漫画)の連載はすでに終了しているから,ぼくらは結末を知っている。
 童磨はもうすぐ,しのぶちゃんが仕込んだ毒が効いて,カナヲに首を切られる。鬼舞辻無惨も炭治郎に倒される。

● しかし,結末をわかっていても,映画は観るよね。無限城の作り込みひとつとっても,この映像,凄いもんね。原作では味わえないスケールになっている。
 主題歌は Aimer「太陽が昇らない世界」と LiSA「残酷な夜に輝け」。

2025年8月25日月曜日

2025.08.24 九十歳。何がめでたい

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● モデルはもちろん,作家の佐藤愛子。ぼくは彼女の読者ではないし(エッセイをいくつか読んでいるが,彼女の代表作となる小説はまるで読んでいない),『九十歳。何がめでたい』も未読。
 遠藤周作がエッセイで佐藤愛子さんに何度か触れており(苦労が身につかない人だ,と),それを通じて人となりを想像していた程度だ。現在は102歳になる。

● 劇場公開日は2024年6月。主演の草笛光子も本作を演じたのは90歳のとき。スーパーレディがスーパーレディを演じたわけだ。
 共演者は唐沢寿明,真矢ミキ,藤間爽子,木村多江,中島瑠菜。他に,三谷幸喜もタクシーの運転手役で登場。オダギリジョー,清水ミチコ,LiLiCo,石田ひかりも。

● コメディ映画にもなっているし,唐沢寿明演じる編集者の家庭問題の展開が単調になるのを防いでもいる。
 こういう人をロールモデルにしてはいけないのだろうけれども,元気をもらえたと錯覚できる娯楽映画で,面白かった。

2025年8月24日日曜日

2025.08.23 明日を綴る写真館

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● 劇場公開は2024年6月。原作は,あるた梨沙の同名漫画。

● 主演は平泉成。80歳にして初の映画主演。劇中の鮫島は60代じゃないのか。世に希望を与える80歳だな。
 他に,佐野晶哉,市毛良枝,黒木瞳,嘉島陸。“友情出演” で佐藤浩市,吉瀬美智子,高橋克典,田中健。

● 「ピンクのカーテン」の美保純がおばあちゃん役だもんな。昭和は遠くなりにけり,というか。
 橋の下をたくさんの水が流れたんだな,と思いますわね。

● ホームドラマという言葉がかつてあった。この映画はそのホームドラマではないんだけれども,最後はこれ以上はないと思えるハッピーな大団円。
 カタルシス効果は充分。映画を観る理由のひとつ(というか,その一番目に来るもの)は,このカタルシスに浸りたいからだよねぇ。

● それを安っぽいと言う人もいるのかもしれないけれども,ま,言わせておけばいいんじゃないですか。
 人生にこんなことはないと,誰でもわかっている。人生とは四苦八苦。順風満帆はあり得ない。万人に平等に魔坂が降り注ぐ。だからこそ,ときにカタルシスが必要なんですよね。

2025年8月23日土曜日

2025.08.22 二十歳に還りたい。

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● 最初に,“製作総指揮・原作 大川隆法” と大書で示される。そういう映画だったのかと思ったわけだが,そのまま最後まで観た。
 劇場公開日は2023年9月。

● 80歳の男性が20歳の青年に戻って,悔い多かった人生をやり直す話。何だかスーパーマン的な才能を与えられているのが面白くないが,彼はやり直しに成功したと言っていいだろう。
 自分が同じことをやりたいかと問われれば,もちろんノーだ。現在の世間知をそのまま抱えて20歳の身体を与えられるとしても,お断りだ。

● たいして変わり映えしない人生になるだろう。画期的に違った人生になるわけがない。現在のぼくが抱えている世間知にそこまでのパワーは,絶対という言葉を使っていいだろう,ない。
 ただし,定年退職後からもう一度やり直せるというなら,諸手をあげてウェルカムだ。何度でもやり直したい。今やってるのと同じことをやる。

2025年8月22日金曜日

2025.08.21 るろうに剣心 最終章 The Beginning

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● シリーズ最終作。劇場公開は2021年6月。原作の「追憶編」がベースになっている。
 Amazon Prime で観られるようになっていたので,小躍りして観ましたよ。

● 剣心(佐藤健)と巴(有村架純)の因縁の物語。なるほど,これは “追憶” で時系列的には最初に来るものなんだけれども,映画としては最後に持って来なければいけないものですわね。
 高橋一生が桂小五郎役で出演。剣心は桂小五郎の部下だったのか。ので,大久保利通や伊藤博文のこともサン付けで呼んでいたのか。

● あり得ない奇想天外。漫画の原作者の頭の中はどうなっているのか。よくこういうことを思いつくな,と。
 それをここまで実写にするのも凄い。殺陣のレベルも高いし,アクション映画としても相当なもなでしょうよ。

● 恋愛譚は美男美女が演じてこそというのも痛感。醜男や醜女の恋愛は傍から見てると絵にならないという,悲しい現実があるんだな。
 というわけで,娯楽映画として充分に楽しめましたよ。

2025年8月21日木曜日

2025.08.20 ゴジラ-1.0

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● 劇場公開は2023年11月。主演は神木隆之介。共演者は浜辺美波,山田裕貴,青木崇高,吉岡秀隆,安藤サクラ,佐々木蔵之介。橋爪功もちょこっと登場。
 音楽は佐藤直紀が担当。伊福部昭の「ゴジラ」ももちろん使われている。

● 特撮によるゴジラの迫力もさることながら,神木隆之介演じる敷島浩一の葛藤,浜辺美波の大石典子との交情も柱になっている。
 凛として決断力もある典子と,優柔不断で臆病者の敷島。その敷島がヒーローになり,最後はこれ以上にないハッピーエンド。

● 敷島の特攻作戦で首がちぎれたゴジラが,深海の海底で再生するシーンが最後に流れる。ゴジラはそういうキャラなんだけど,まるで鬼舞辻無惨のようだ。
 ひょっとすると,次があるのかと期待させる。

● 浜辺美波もすっかり大人になったなぁ。『君の膵臓をたべたい』の頃の,少女の面影を宿していた彼女ではない。
 そうして,今のスッとした淑女でいるのも束の間のことなんだよね。誰にとっても,月日はスルスルと過ぎていくのだ。
 ただし,俳優はこうして映像が残る。それが祝福なのか刑罰なのかは,わからないけれども。

2025年8月20日水曜日

2025.08.19 室町無頼

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● 劇場公開は今年(2025年)の1月。原作は垣根涼介の同名小説(読んでいない)。
 飢饉と疫病で死体が溢れていた時代に “無頼” たちが室町幕府に一揆を起こす話。

● 主演は大泉洋。殺陣は初挑戦らしい。それが上手いかどうかということではなくて,彼が主演する映画にハズレなしというのは,そもそものキャラクターの魅力なんですかねぇ。どうなんだろ。
 共演者は堤真一,長尾謙杜,松本若菜,柄本明,北村一輝,武田梨奈ら。

● 一夕の歓を尽くすに充分。俳優の存在価値って大きいんだなぁと実感する。おそらく,人類の誕生後まもなく生まれた仕事だろう。職業としては最古のものの1つになるんじゃなかろうか。
 演技論だの演劇論だのという難しいことはさておいて,大衆が生きていく上で,欠かせない広義の芸能の1つ。1つというより,最右翼に位置するものだよね。

2025年8月19日火曜日

2025.08.18 るろうに剣心 最終章 The Final

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● 劇場公開日は2021年4月。一作目が2012年だから,9年の月日が経っている。
 佐藤健も武井咲も蒼井優も,9年前とは面影が同じではない。だから何がどうということではないのだが。

● 今回も伊勢谷友介の四乃森蒼紫と土屋太鳳の巻町操が助っ人に現れる。操の強いこと。
 神木隆之介の瀬田宗次郎まで剣心の味方につく。昨日の敵は今日の友。

● けれども,今回の主役は,ストーリー上も演技的にも,雪代縁を演じた新田真剣佑になる。
 圧巻の演技と存在感。いや凄いものだ,と感じ入った。

● Amazon Prime で観られるのはここまて。次の「最終章 The Beginning」は入っていない。待たなくちゃいけない。
 でも,面白かったぁ。コミックの実写版だからか,あり得ない太刀回りがドンドン出てくる。それが観ていて痛快だ。おそらく観返すことになるねぇ。

● やっと気がついたのかと叱られそうなんだけど,Amazon Prime ではエンドロールが観られない。主題歌も聴くことができない。以前は観れたのに何でよ,と思ってたんですよ。
 “次作” の不表示ボタンをタップすればよかったんてすね。いやいや,不表示をデフォルトにして欲しいぞ。

2025年8月17日日曜日

2025.08.16 るろうに剣心 伝説の最期編

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● 劇場公開は2014年9月13日。京都大火編が8月1日だったから,連続しての公開だった。第2部の後編という位置づけ。
 ので,京都大火編の出演者が引き続き登場。福山雅治は剣心の師匠,比古清十郎役。

● 京都大火編では伊勢谷友介の四乃森蒼紫は不要なキャラクターと思えたのだが,本編まで観ると,なるほど,こういうことだったのね,となる。

● 何しろ,志々雄サマが強すぎて,剣心と江口洋介の斎藤一,青木崇高の相楽左之助,唐突に登場した蒼紫の4人がかりでも勝てない。
 最後は剣心がやるんだけれども,志々雄サマはカラータイマー付きのウルトラマンのような弱みがあるので,時間勝ちといったところ。

● 本来はこれで終わるはずだったのだと思う。が,数年後にさらなる続編が制作された。
 楽しみは残っている。

2025年8月16日土曜日

2025.08.15 るろうに剣心 京都大火編

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● 劇場公開は2014年8月。主役の佐藤健のほか,武井咲,蒼井優,江口洋介は前作から引き続き。
 新たに,神木隆之介,伊勢谷友介,土屋太鳳,田中泯,藤原竜也らが登場。最後の最後に福山雅治も。

● 今回の志々雄サマは相当に手強い相手らしく,「人斬り抜刀斎」と恐れられた緋村剣心も窮地に追い込まれる。普通なら死んでいるわけだが。
 武井咲の神谷薫も,今回は足手まとい。あと,伊勢谷友介の四乃森蒼紫はなくてもいいキャラクターなんじゃないかと思った。