2022年1月26日水曜日

2022.01.21 まく子

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● 「まく子」(2019年)。原作は西加奈子の同名小説。
 「小さな温泉街に住む少年が転入生の不思議な少女との出会いを通して成長していく姿を描いた人間ドラマ」ということなんですけどね。主人公は小学5年生の男の子(慧:山崎光)。彼が通う小学校に「不思議な魅力の美少女」(コズエ:新音)が転入してくる。自分と同学年とは思えないほどに大人びた容姿。

● そのコズエと母親(つみきみほ)はM78星雲かイスカンダルかはわからないが,いや,土星の近くの星と言っていたか,ともかく地球じゃないところからやってきた。
 しかし,それは物語の本質ではない。では本質は何かと言われると,それがどうもよくわからない。父(草彅剛)と子の反目と和解。子に助けられて父が父として成長していく話。その他,いくつかの括り方ができる。

● ただし,物語の本質ではないとしても,コズエが宇宙から来たことは,この映画の彩りになっていることは間違いない。映画の絵としてもそうだし,展開に飛躍を与えるという点でもそうだ。
 コズエに印象的な台詞がある。落ち葉を集めて放り投げ,落ちていく落ち葉を見ながら,慧に言う。落ち葉は落ちるからきれいなんだよ,落ちないでいつまでも流れていたらきれいじゃないよ。
 これもコズエが宇宙から来たとわかったうえで聞くから,これは10歳の娘が言う台詞ではないだろう,とは思わないですむわけだ。