2022年2月28日月曜日

2022.02.26 決算! 忠臣蔵

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● 「決算! 忠臣蔵」(2019年)。原作がある。山本博文『「忠臣蔵」の決算書』(新潮新書)。原作者は東京大学史料編纂所教授。
 「大石内蔵助は討ち入り決行までの潜伏期間で使用した費用すべてを帳簿に記録していた」らしい。

● 当時の武士というのは,公務員のようなもの。その公務員に番方と役方があった。両者の対立も描かれる。
 番方は “武官の系統” で役方は “文官の系統” とウィキペディア教授は説明しているが,会社でいえば番方は営業,役方は経理といったところだろうか。病院でいえば番方は医師や看護師で,役方は事務局。

● 瑤泉院は石原さとみ。語りも担当している。劇中の瑤泉院は,大石内蔵助はダメ家老で信用できず,出奔した大野九郎兵衛(西川きよしが演じている)を評価している。
 九郎兵衛は役方のトップ。松の廊下の事件が起きたとき,すでにかなりの高齢だったらしい。

● 大石内蔵助に堤真一。役方の矢頭長助に岡村隆史。岡村隆史の仕事ぶりが見もの。
 他に,濱田岳,荒川良々,妻夫木聡,大地康雄,西村まさ彦,木村祐一,桂文珍,竹内結子,阿部サダヲなど。

● 吉良邸へ討ち入るという大きなプロジェクトを遂行するのだから,お金が要る。使える予算は使える予算は9,500万円(蕎麦いっぱいが16文=480円で計算して)。
 討ち入り志願者は48人より多かったらしいが,それだけの人数を連れて行くには予算が足りず,足切りをしたことになっている。リストラした結果,48人になったのだ。
 無駄金もかなり使っている。これは致し方がない。全部生き金にするなんてわけには行かない。たかるヤツがいるのも,いかにもという感じがする。

● 仇討ちをすれば切腹というのは覚悟していたことになっている。それはそうなのだろう。
 正調忠臣蔵では四十八士の処分を巡って,幕府は大いに悩み,議論を重ねたことになっているが,ルールに照らして処断する話で,悩むところではなかったはずだよね。