2022年2月28日月曜日

2022.02.28 グランド・ジャーニー(字幕版)

Amazonプライムビデオ

● 「グランド・ジャーニー(字幕版)」(2020年 仏・諾)。フランスとノルウェーの合作映画。

● 「超軽量飛行機を使い,渡り鳥に安全なルートを教えるという,誰もが無茶だと呆れるプロジェクトに夢中」な気象学者クリスチャン(ジャン=ポール・ルーブ)に,元妻のパオラ(メラニー・ドゥーテ)が息子のトマ(ルイ・バスケス)を預けるところから始まる。夏休みはパパと過ごしなさい,と。
 トマはインドア派のスマホ&ゲーム少年で,行くのを嫌がっていたのだが,父親の研究と渡り鳥と軽量飛行機の運転に興味を持つようになる。ここまでが序章。

● 前半は,クリスチャンとトマ,クリスチャンの協力者であるビョルン(フレッド・ソレル)が渡り鳥(雁と1羽のカモメ)を連れて,車で北極圏をめざす。
 が,途中で足止めを余儀なくされる。クリスチャンは役人の指示に反して鳥たちを空に放ってしまう。ここからいくつかのドタバタを経て,結局,トマが単独で鳥たちを連れて予定のルートを進むことになる。少年の冒険譚の始まり。

● 最初はね,荒唐無稽にも程があるぞと思って見ていたんだけども,すぐにトマと鳥たちに引き込まれた。
 市民の善意に助けられて燃料も補給でき,そのうちにメディアも注目するようになり,民衆の応援も受ける。見事にミッション遂行。

● 見どころは2つあって,ひとつは北極圏の風景だ。特に,上空からの風景。
 もうひとつは,トマの軽量飛行機に鳥たちが編隊を組んで,付いてくる様子だ。いくら何でもこの映像はCGだろうと思ったのだけど,そうではないらしい。どうすればこんな映像が撮影できるんだろう。

● 渡り鳥はその数を大きく減らしているらしい。劇中のクリスチャンは渡り鳥を保護するために安全なルートを教えようとしているくらいだから,開発には反対する。自然を壊すなと主張する派だ。
 おそらく,政治的にはリベラルなのだろう。映画界,マスメディアも同じだろう。自然保護派と映画界は相性がいいはずだ。

● 問題は,自然保護派の主張することが本当に自然を保護する結果になるとは限らない場合が少なくないことだ。今で言えば,グリーンエネルギー問題。かえって自然に負荷をかけてしまっているかもしれない。
 それから,自然保護はどういうわけだか利権を作ってしまうということ。自然保護団体には品下れるヤツがけっこう多そうだ。