2021年10月30日土曜日

2021.10.30 ランボー 最後の戦場

Amazonプライムビデオ

● 「ランボー 最後の戦場(字幕版)」(2008年 アメリカ)。主演,監督,脚本がシルヴェスター・スタローン。
 よくわからないのだが,これっていうのは監督がピッチャーで4番打者の野球チームのようなものか。なら,上手く行くわけがないだろう。
 野球のアナロジーで捉えてしまうのは間違いなんだろうけどね。

● 舞台はミャンマー。ミャンマーの軍人が悪役になっている。ロケはタイ北部で行われたらしい。

● どうも後味が悪い。理由はミャンマー軍人の描き方。たぶん,彼らはこうじゃないんだよね。いや,これは映画なんだからってことなんだけども,それにしても。
 彼らの残虐ぶりはむしろ欧米的だと思われる。制作側が自分たちの性格・性質を投影させているだけで,アジア人をこういうふうに描いてはいけないような気がする。
 しかし,観客もアメリカ人であることを想定しているんだろうから,わかりやすくしようとすれば,こうなるしかないのかねぇ。

● ここでのランボーはもはやランボーではない。単なる戦闘マシーンになってしまっている。たんに強いだけの,何の面白味もない男。ここでも,いや,そういう映画を作ろうとしたんだから,と言われるはずだが。
 いったいランボーは何を考えて傭兵隊と一緒に戦うことにしたのかもわからない。“ボート屋” に徹すればよかったのじゃないか。

● 戦闘地帯に乗り込もうとするNGOの面々の愚鈍さ。自分は正しいと居直る体質,上から目線体質,人の意見を聞かない体質。
 彼らが乗りこんだために,迫害されていたカレン族の被害は拡大してしまったかもしれない。正義の味方のつもりのトラブルメーカーだ。そういうふうに描いているわけだが。

● ランボー(という作品)をランボーたらしめていたのはトラウトマン大佐であったこともわかる。彼が登場しない本作は,やはりランボーではないのだ(大佐役のリチャード・クレンナは2003年にすい臓癌で死去)
 とにかく,よくわからん。戦闘シーンを見てくれ,という映画なのだろうかな。

2021年10月29日金曜日

2021.10.29 007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ

TOHO CINEMAS 宇都宮

● 26日にAmazonプライムビデオで 007 シリーズの過去24作を見終えた。ので,いよいよ上映中の「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を見に行くかと思って,27日に TOHO CINEMAS 宇都宮に行った。が,見るつもりでいた15:30からの上映がその日はなくて,虚しく帰ってきたのだった。
 訳あって車が使えないので,また行くのは面倒だなぁと思いもしたんだけども,やっぱこれを見ないわけにはいかない。いや,見たいと思った。で,今日,見てきた。今日は15:30からの上映があった。
 ちなみに,見たのは字幕版。吹替版はすでに上映されていないようだ。

● 映画はもっぱら Amazonプライムビデオで見るのがあたりまえになった。ノートパソコンで見ている。
 そのパソコンの電源が入らなくなったので,9月に買い替えた。画面も14インチとそれまでより大きくなり,スピーカーも良くなった。パソコンの外側から聞こえてくるような臨場感も味わえる。
 これはいいと大いに満足しているのだが,映画館で見るのは,当然だけれども,それとは比較にならない。特にこういうアクション系の映画は一層そうだ。
 映画館で見るのでなければ映画を見るとは言えないのではないか,という気分になってくる。

● その音響効果もあって,迫力のある映画だと思った。見て正解だった。見なきゃいけませんよ,劇場でね。
 前作の「スペクター」は2015年だったから6年ぶりになる。コロナ禍がなければ,もっと早く完成していたのだろう。
 監督はキャリー・ジョージ・フクナガが務めているが,元々はダニー・ボイル監督で始まったようだ。どうも,色々とあったらしい。ツワモノが集まるとそうなる。色々あるのが傑作を生むための条件なのかもしれないね。

● ストーリーの展開もね。最後はこうなるのかという驚きもあってね。
 っていうか,この結末は何となく知ってはいましたよ。何となく知ってはいたけれども(ウィキペディアにストーリーの詳細が載っている),実際に見てみると 007 シリーズはこれで終わってしまうのか,最後の作品を劇場で見ることができたのか,と少し感傷的な気分になりましたよ。
 これでは歴代ボンドの誰がナンバーワンかと問われれば,ダニエル・クレイグと答えるしかなくなるじゃないか。
 でも,ロールエンドの最後に JAMES BOND WILL RETURN とあった。それが本当なら(本当なんだろうけど),どういう形で RETURN させるんだろうか。

● 前作で登場した女医のマドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)が今回も登場。ボンドガールが2作連続となるのは初めてだ。ボンドは引退して,彼女とイタリアで暮らしているという設定。
 そこで事件が起こり,彼女と別れてしまう。劇中では一挙に5年後に飛ぶ。ボンドはジャマイカで引退後の暮らしを楽しんでいる。マドレーヌには娘がいた。ボンドとの間にできた子に決まっている。

● ボンドが釣った魚を抱えて家に戻ってくるシーンがあった。立派なのを2匹釣ったのだが,自分で料理するんだろうか。
 引退後に外国で暮らすというのは,イギリスではわりとあることなんだろうか。それともボンドは特別? できたら前者であって欲しい。さすがは7つの海を制覇した大英帝国らしいなと思うことができるから。日本とは違うわい,と。
 日本でもバブル期には,定年退職後の余生を東南アジアで過ごすなんてのが雑誌で特集されたりしたことがあったけど。実際にやったバカもいたらしい。

● 引退したボンドに代わって,ノーミ(ラシャーナ・リンチ)が新たな 007 になっている。黒人女性の 007。そのラシャーナ・リンチが何だかカッコよかった。
 アナ・デ・アルマスが演じたCIAエージェントであるパロマもなかなか。男性観客へのサービスなんでしょうかねぇ。
 ナオミ・ハリスが演じるマネーペニーがボンドのあとのエージェントになるという設定でもよかったのじゃないかと思うのは,素人すぎますかなぁ。

● 数年前にシネマイレージカードを作って,チケットはそのカードで購入している。ぼくのようなロートルはシニア割引があるので,歳を取るのも悪いことばかりではないなぁと思いながら割引料金で見てきたのだが,今回は “会員” のところをタップしてみた。
 会員価格もシニア割引と同じ1,200円なのだが,シニア割引より会員価格の方が何となくカッコいいので,以後もこちらで買おうと思う。が,“会員” という項目は今までは表示されなかったような気がするのだけど,前からあったんですかねぇ。

● 平日の午後とあって,館内は空いていた。お客の数はちょうど10人。
 うち5人がたぶん定年後のオッサン(ぼくを含む)。2人が学生とおぼしき男性。2人がアラフォー女性。2人とも1人で見に来ていた。子なしの専業主婦か。1人が壮年男性。サービス業で今日が休みだったんだろうか。

2021.10.28 ランボー 3

Amazonプライムビデオ

● 「ランボー 3(字幕版)」(1988年 アメリカ)。舞台はアフガニスタンだが,実際の撮影はイスラエルで行われた。交響曲のコーダにあたる部分,終盤の大規模な戦闘シーンは,アリゾナで撮影された。以上,ウィキペディア教授の解説。

● ランボーはとにかく,ベトナム戦争で痛めつけられ,帰国すればしたで同胞から蔑まれ,心に癒えない傷を負って,誰とも打ち解けないで孤独をまとっているというのが,第1作で規定されたキャラクターだ。第2作でもそのキャラクターは維持された。
 が,今回はそのキャラクターは雲散霧消している。純粋な戦士だ。ベトナム戦争時の上官トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が現地でランボーと苦労を共にするし,アフガンの対ソ・ゲリラのモーサ(サッソン・ガーベイ)や少年兵のハミド(ドウデイ・ショウ)と協力して戦うわけで,一匹狼のキャラクターを維持させることはできなかったのだろう。

● 第2作でコー・バオが着けていた,幸福を呼ぶというペンダントをランボーが着けている。それをハミドに譲る場面もなかなか印象的。
 モーサもランボーを相手に洒落た会話をする。神は狂人を好むものさ。なぜ? 大勢作ったからね。

● ランボーはゲリラ戦で戦うわけだが,彼が持つ火力は正規軍のそれより凄いのだ。弓で放った矢の先端に火薬が仕込まれていて,その破壊力たるや。
 戦車にもヘリコプターにも屈することがない。「知恵と力と勇気の子」なのだ,スーパージェッターなのだ。

● ランボーはこの3作目で完結と見ていいのだろう。20年後に「ランボー 最後の戦場」がシルベスター・スタローンの主演・監督・脚本で出るのだけれども,完全なる別作でしょ,たぶん。これもAmazonプライムで見ることができるので,明日にでも見てみようと思うけど。
 とまれ,この3作。明日限りでAmazonプライムでは見ることができなくなる。ギリギリ間に合ってラッキーだったなぁと思いますよ。

2021年10月28日木曜日

2021.10.28 ランボー 怒りの脱出

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● 「ランボー:ファーストブラッド パートⅡ(怒りの脱出)(字幕版)」(1985年 アメリカ)。ランボーの2作目。
 服役中のランボーが特赦と引き換えに極秘任務を行うことになる。「その任務とは,戦時中ランボーが脱走したベトナムの捕虜収容所付近に潜入し,戦後10年以上が経過した今なお囚われている戦争捕虜の証拠写真を撮影して帰ること」。
 ところが,その作戦の司令官および配下の軍人たちは,議会に対して形ばかりのエクスキューズを作ればよいという,極めて官僚的というか,やる気がないというか。そこで,ランボーの痛快極まる大暴れが始まる。

● なので,ここでのランボーは 007 のジェームズ・ボンドに立場的には近づく。国のエージェントになるわけだから。
 しかし,ボンドの洒落っ気やユーモアやエレガンスはなし。ランボーはとにかく無口。熱はうちに秘めて表に出さないタイプ。人付合いがそもそも好きじゃないっぽい。
 戦争体験とアメリカに帰還してからの仕打ちで,そういう性格に変えられたという設定なのだが。

● 第1作と違うのは,女性情報員コー・バオと共に任務を遂行することだ。つまり,1人じゃない。彼女との交情がランボーにはずいぶん救いになったろう。見ている側にもこれは救いになる。
 ランボーの理解者はトラウトマン大佐ただ1人だったのが,今度はもう1人増え,それ一緒に命がけの任務にあたる女性なのだから,ランボーの閉ざされがちな心に陽がさしたに違いない,と。

● コー・バオを演じたのはジュリア・ニクソン。東洋的な顔立ちで,ひょっとして日本人のハーフかとか思っちゃったんだけども,シンガポールでイギリス人の父と中国人の母の間に生まれたそうだ。
 コー・バオ役が彼女の映画デビューであったらしい。

● 舞台はベトナムなのだが,実際の撮影はメキシコで行われた。
 さてさて,次のランボーはどんなことになるのか。続けて見ることにする。

2021.10.27 ランボー

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● 「ランボー(字幕版)」(1982年 アメリカ)。原題には「First Blood」が付く。
 シルベスター・スタローンの主演映画は,「ロッキー」にしろ,この「ランボー」にしろ,シリーズ化する。
 「ロッキー」も「ランボー」も,どれかひとつは映画館で見ているはずなのだが,40年前のこととあっては,それがどれだったのかは憶えていない。少なくとも1作目のこの映画ではない。

● この役を演じる俳優がシルベスター・スタローンになった経緯については,ウィキペディア教授が丁寧に説明してくれているが,普通のファンにとってはあまり重要なことではない。
 が,シルベスター・スタローンがかなり危険なシーンも自分で演じ,そのために「崖から落ちるシーンでは肋骨など4箇所を骨折。また,本作撮影後にはスタローンが入院したため,自身が監督を務めた「ロッキー 3」の編集作業が遅れ,劇場公開の延期を余儀なくされた」ことは知っておいていいかもしれない。

● 「『ベトナム戦争によって負ったアメリカの傷』が描かれている」。したがって,「非常に重いテーマの作品となっている」。
 OO7 シリーズを見たあとにこれを見たので,なおさらそう感じるのだとも思うのだが,OO7 のジュームズ・ボンドは国家権力のエージェントだ。しかも,殺人を公に許可されている。美女,美食,カジノ,タキシードが OO7 のアイコンにもなっている。
 一方,ランボーは徒手空拳だ。山羊の吐瀉物を食べることもあるのだ。どちらを魅力的に描けるかとなると,どうやら後者らしい。

● アクションシーンの迫力も OO7 に勝るとも劣らない。当然,2作目以降も見ていくことにしたいが,急がないといけない。
 明後日にはプライム対象から外れてしまうようだからだ(「見放題が終了間近の映画」に該当)。いずれまた,プライム対象になるのだろうけれども,その “いずれ” を待ちたくないので。

2021年10月27日水曜日

2021.10.27 ネバーセイ・ネバーアゲイン

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● 「ネバーセイ・ネバーアゲイン(字幕版)」(1983年)。Never Say Never Again は,二度と御免だとは言わせない,というくらいの意味だろうか。
 「ショーン・コネリーが華麗に “ボンド復活” を遂げた幻の 007番外編」というのだが,ショーン・コネリーがボンドを演じた最後の作品「ダイヤモンドは永遠に」は1971年だから,その12年後ということになる。

● さすがに,お爺ちゃんになったなという印象は免れない。それでもちゃんとボンドなのはさすがというべきなのか。まぁね,お爺ちゃんといっても53歳だったんだけど。
 同じ年にロジャー・ムーアが「オクトパシー」でボンドを演じている。このとき,ムーアは56歳のはず。

● 番外編になったについては,著作権の争いをはじめ,色々とあったかららしいのだが,監督はアーヴィン・カーシュナー。
 ボンドガールにあたるのは,ドミノのキム・ベイシンガー。悪役のファティマを演じたバーバラ・カレラも魅力的。

● 展開もテイストも 007 の本編と同じ。ただし,“ボンドのテーマ” は流れない。

2021年10月26日火曜日

2021.10.26 007 / ダイ・アナザー・デイ

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● 「ダイ・アナザー・デイ(字幕版)」(2002年)。1962年に第1作が公開された 007 シリーズが21世紀まで続くことになった。21世紀になって初めての 007 作品。監督はリー・タマホリ。彼もまた,監督したのはこの1作だけだ。
 ウィキペディア教授の説明によれば,「シリーズ40周年通算20作を記念して作られたダブルアニバーサリー作品である。ピアース・ブロスナンがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品である」。

● 今回のボンドガールは,ボンドと一緒に事件解決に奔走するジンクス(アメリカ国家安全保障局の諜報員)を演じたハル・ベリー。任務に就くときの凛々しい表情はピアース・ブロスナンのボンドに数倍する。といっても,その凛々しさを出しすぎないのが,ジェームズ・ボンドの味なのだろう。
 話の展開上,Mが前作に続いて軽率な行動を取る。もっとちゃんと調査しなきゃダメでしょと言いたくなるよね。この軽率の影響は大きいよ。

● 姿が見えなくなる車が登場。レーダーに感知されないとかじゃなくて,すぐそこにあるのに肉眼で見えないっていう。これも 007 だねぇ。
 北朝鮮が舞台になるシーンがあるのだが,もちろん北朝鮮で撮影ができるはずもなく,イギリス南部のハンプシャーにある陸軍の軍用地を使って撮影したらしい。
 主題歌「Die Another Day」はマドンナが担当。曲を作り,歌ってもいる。

● さて,これで過去の 007 シリーズはすべて見たことになる。すでにだいぶ忘れていて,一部のシーンを見せられて,それがどの映画だったが当ててみろと言われても,当てる自信はまるでないけれども,ともかく全部見た。
 最初に見た「カジノ・ロワイヤル」だけは吹替版だったので,字幕版で見直してみるかとも思うのだが,そこまでスクエアにならんでもよかろう。

● あとは,現在公開中の最新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を見るかどうかだけど,見るしかないでしょという気分。前から見たいと思っていた 007 シリーズの全作品をAmazonプライムで見られたのだから,そのお礼もしたいしね。
 って,Amazonプライムは年会費を払っているんだから,お礼をする必要はないんだな。007 シリーズを映画館の大きなスクリーンで見たことは一度もないので,ちょうどいい機会だ。明日にでも見て来よう。


(追記 2021.10.27)

● TOHOシネマズで「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」を見るために,ベルモールに来た。15:30からのはずなので,それに合わせて時間を調整した。が,その時間には上映されないのだった。
 今からだと20:30までない。さすがに待てないし,それを見てしまっては帰る手段がなくなってしまう。 

● 1週間前のデータで動いてはいけない,必ず当日に確認せよ,ってことだね。スマホで簡単に確認できるんだから。
 っていうか,曜日によって上映スケジュールが違うっていうのは,常識なんですか。すごくフレキシブルになっているんだね。

● さて,どうするか。「マスカレード・ナイト」はすでに見ている。他に見たい映画はない。
 というわけで,虚しく帰還。時間をムダにした感がハンパない。誰が悪いのでもなく,原因は自分にあるんだけどね。

● いや,毎日,それ以上の時間を捨ててしまっているんだけども,物理的に移動してきたのに目的物がじつはなかったというのだから,けっこうな徒労感を感じるのは仕方がない。
 で,この映画を見るためにもう一度出直すか。わが家からここまでは,車を運転して来るなら20分程度で着く。近いのだ。が,目下わけあって車が使えない。電車とバスを乗り継がないといけない。となると,けっこう遠い。

● そうまでしてもう一度見に行くか。何とも言えない。