2021年12月1日水曜日

2021.12.01 TOKYO!

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● 「TOKYO!」(2008年)。3話からなるオムニバス映画。フランス・日本・ドイツ・韓国の合作らしいのだが,監督・脚本といったところは,いずれも外国人が担当している。
 この映画は彼らが東京から何を触発されるのかという視点で見た方がいいんだろうか。

● 3つともかなりシュール。まず,「インテリア・デザイン」。英語版の原作があるらしい。
 若い男女が東京にやってきて,色々あるうちに,離れ離れになり,女は椅子になってしまう(誰もいないところでは元に戻る)。それで彼女は幸せになりました,という話。
 藤谷文子を中心に,加瀬亮,伊藤歩,大森南朋,妻夫木聡,でんでん,光石研,石丸謙二郎らが出演している。

● 次は「メルド」。下水道の怪人と呼ばれる男の名がメルド(フランス語で「糞」という意味)。防空壕のようなところに住み,下水道のマンホールからこの世に現れ,悪さをして地下に戻るを繰り返す。
 捕らえられ,裁判にかけられ,死刑を執行されるが,死亡が確認された後に生き返り,忽然と姿を消す。言語も独特。何せ,この言葉を話すのは,メルドを含めて世界に3人しかいないのだ。
 主要な登場人物も外国人。メルドがドゥニ・ラヴァン。メルドの言葉がわかるというフランスの弁護士ヴォランドにジャン=フランソワ・バルメール。
 これは東京じゃなくても成立する。ニューヨークでもロンドンでもパリでも。

● 「シェイキング東京」。引きこもりの男があることがキッカケで外に出た。そこにあったのは全員が引きこもっている街だった。
 香川照之を中心に,蒼井優,竹中直人。荒川良々や松重豊もちょい役で。性格俳優というとちょっと違うのかもしれないが,芸達者が揃った。

● “世界の巨匠たちが見た,光と希望と闇に包まれた真実の東京──” がキャッチフレーズのようなのだが,「メルド」だけではなく,「インテリア・デザイン」も「シェイキング東京」も,東京でなければ成立しないというわけではない。大都市が舞台であればよい。
 大都市が孕んでいる創造性とでもいうものを,3つの形にして見せたということだろうか。