2021年12月7日火曜日

2021.12.06 さよなら歌舞伎町

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● 「さよなら歌舞伎町」(2015年)。歌舞伎町のラブホテルが舞台。
 劇中での時間の経過は2日間。主な事件は24時間のうちに起きる。何とも色んなことが起きた濃密すぎる2日間ね。

● ラブホテルの店長の徹(染谷将太)。そのラブホテルに徹の妹の美優(樋井明日香)がAV撮影のためにやってくる。
 そればかりか,同棲中の恋人の沙耶(前田敦子)までが枕営業でご来館(徹は沙耶に,自分はお台場の一流ホテルで働いている,と伝えていた)。

● ラブホテルで掃除のおばさんをやってる里美(南果歩)は,傷害事件を起こしている。共犯の康夫(松重豊)をアパートに匿って,あと1日で成立する時効を待っている。
 そこに,夫も子供もいる刑事の理香子(河井青葉)が,同僚の刑事とやってくる。不倫の最中に里美に気づく。

● 韓国から稼ぎにやってきているヘナ(イ・ウンウ)は,恋人のチョンス(ロイ)にはホステスと伝えているが,じつは売春婦。チョンスは韓国料理店で働いているが,オバサン相手のつばめ稼ぎもしている。
 風俗のスカウトの正也(忍成修吾)は,家出少女の雛子(我妻三輪子)に目星を付けてホテルに連れ込むものの,雛子の不幸すぎる生い立ちを聞いて,彼女に惚れてしまう。

● と,訳ありすぎの登場人物たちがおりなす “群像劇”。里見と康夫の時効はめでたく成立。理香子もめでたく不倫を精算できたらしい。
 ヘナとチョンスは一緒に韓国に帰ることになり,結婚することになるようだ。正也は体を張って足を洗い,雛子を迎えに来る。劇中で唯一のあっぱれな男。あ,チョンスもそうかもしれない。

● 何だか,訳がわからないのが徹。故郷の塩釜に帰る長距離バスに乗り込むのだが,帰ってどうするつもりなんだろうか。
 何もかも嫌になって,いったんリセットというのはわかるんだけれども,一流ホテルに就職するという妄想に掴まっているだけで,具体的には何もしていない。
 でも,まぁ,故郷にしばらく居て,新宿に戻って雛子とよりを戻すのだろうな。