2021年9月29日水曜日

2021.09.28 ロシアより愛をこめて

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● 「ロシアより愛をこめて(字幕版)」(1963年)。007シリーズの2作目。
 今回の白眉はボンドガールを務めたダニエラ・ビアンキですかねぇ。ウィキペディア教授が教えてくれるところによると,彼女はローマ出身で,「ミス・ユニバース1960で準優勝(およびミス・フォトジェニック)に選ばれた」そうだ。
 ただし,英語はからきしダメで,この映画では彼女の声は吹き替えられている。

● この時代,イギリスでも男たちはやたらに煙草をふかしている。だいたい,チェスの選手権でも対局者は煙草を喫っているのだ。
 女たちは男に媚を売る頻度が今より高い。映画だからということではないでしょ。世相を映しているんでしょ。

● そういうものだったんでしょうね,当時はね。男が女に期待するのもそれなら,女もそれに対応していたということで。ジェームズ・ボンドのお熱いシーンが多いのは,時間がゆっくり流れていたことだけが理由ではないのだね。
 2021年の現在のモノサシをあてて,ああだこうだと言っても仕方がない。そういう時代だったのだというだけだ。

● 日本でも同じ。将棋の真部一男八段は煙草を喫いながら対局していた。咎められるようなことではなかったのだ。絵になるなぁと思いながら,NHK杯の対局をテレビで見ていた記憶がある。
 それは1986年のことだから,この映画の四半世紀後でも(日本では)そうだったのだ。

● ボンドの敵であるスペクターのNo.3のクレッブ(ロッテ・レーニャ)が,ボンドの泊まっているホテルに掃除のオバサンとして入り込んで,ボンドを狙うシーンでは,ちょっと笑ってしまった。掃除婦が似合いすぎていたからだ。
 これもウィキペディア教授に教えてもらったことだが,英国海外情報局のトルコ支局長ケリム・ベイを演じたペドロ・アルメンダリスは,撮影当時すでに末期癌に冒されており,撮影終了後に入院した病院で拳銃自殺を図ったらしい。そんな気配は画面からは1mmも窺うことはできない。

● イアン・フレミングの原作『007 ロシアから愛をこめて』(井上一夫訳)は創元推理文庫で読むことができるっぽい。